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北陸徘徊人

福井・石川・富山を中心にゆるーい旅を満喫中

三国サンセットビーチ☓三国港駅

福井 えちぜん鉄道

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ワンダーランドから水居駅に戻るのも気が引けたので、

わたしは芦原温泉に向かって歩いた。

田んぼの中に巨大な旅館が立ち並んでいる。

外から見るととても温泉街には見えない。

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ボートレース場の脇を過ぎ、

あわら湯のまち駅へ向かう。

途中に足湯があったので一息いれた。

歩き疲れた足に湯が染み入る。

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さて、どうしようかと思う。

夫は今頃何をしているんだろう。

わたしがいないと少しは慌てているのか。

ここぞとばかりにパチンコにでも行っているのか。

 

駅で時刻表を眺めると、

福井方面の列車と三国港方面の列車がここですれ違うようだ。

 

さて、どっちに乗ろうか。

わたしはしばらく考えた。

せっかくだし終点まで行ってみよう、

慌てて帰る必要はない。

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大半の客は途中の三国でおりてしまい、

終点駅まで乗っていたのは私を含め5人。

みんな大きなカメラを持っており、

電車をおりるなり駆け出してシャッターを切っている。

 

少し道沿いを歩くと、

「三国サンセットビーチ」という看板があり、

海岸が広がっていた。

そして日が暮れるのを待つことにした。

 

空が赤く染まり始めると

そこからともなく人が集まって来た。

カップル、家族連れ、散歩中のおじさん、友人同士、

不思議なことに女一人で夕日を眺めているのは、

わたしだけのような気がした。

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日が沈むのを見届けて、

集落の裏通りを歩いた。

小さな商店があったので、

そこで缶ビールを買った。

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入れ違いに30代なかばくらいの、

小柄な男性が店に入ってきた。

相手は気付かなかったが、

わたしはその顔に見覚えがあった。

行きの電車で一緒だった男性だ。

 

三国港駅の待合室で缶ビールのタブを抜いた。

すると先ほどの男性が入ってきた。

わたしと同じように缶ビールを手にしている。

 

お互いに何となく小さく会釈して、

彼は向かいの椅子に座った。

そして手にしていた缶ビールのタブを抜く。

お互いに何となく手にした缶ビールを持ち上げる。

 

表情は明るかった。

行きの電車の中ではきっと悪い夢でも

見ていたのかもしれない。

 

本当に美味しそうにビールを飲んでいる。

夫は酒を一滴も飲まない。

だから、こんな美味しそうに酒を飲む男性を、

ずいぶん久しぶりに見たような気がした。

 

つい、

「美味しそうにビール飲みますね」

なんて言ってしまう。

「僕ね、今日こいつに命助けられたンですよ」

彼はわたしが持っているのと同じ

フリーきっぷをポケットから出した。

 

意味はわからなかったが、

とりあえず彼にとって今日がいい日であったことだけは、

間違いないような気がする。

ホームに折り返しの電車が入ってきた。 

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