土曜日の朝、
開店前のショッピングセンターに人影はない。
幸いというか親切というか、
外から利用できるトイレがあったので拝借する。
山が見えた。
うっすらと雪化粧をしている。
あまりの寒さにダウンを着てくればよかった、
そんな後悔をしたりする。
8時30分、
46系統・勝山総合病院行きのバスがやって来た。
乗り込むがやはり貸し切りである。
さて、恥ずかしながら
つい先日、自転車でやってくるまで
私には勝山と大野が「近い」という感覚が
全くなかった。
何となく、間に峠があると思い込んでいた。
というのも私は元来生粋の鉄道マニアであり、
私の頭のなかの日本地図は
基本的に「鉄道路線」で成立している。
この地でいえばえちぜん鉄道とJRだ。
そんなもので、
勝山も大野も別々の川沿いの上流部、
そんなイメージがあった。
したがって大野の下流に勝山がある、
この感覚には未だに馴染めないというか
違和感がある。
バスは先ほど55系統でたどった道をしばらく戻る。
乗客は最大で5人。
20分ほどで短いトンネルを抜け勝山市に入った。
サンプラザで2人降りると車内は貸し切りとなった。
9時16分、定刻に勝山総合病院に到着。
バスは早々に走り去っていった。
雨は淡々と降り続いている。
勝山総合病院は立派な建物である。
しかし休診なのか、
見事なほど人影がない。
私は逃げ出すように病院を後にした。