北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

福井ー敦賀自転車紀行2 〜福井から今庄まで〜

快晴に恵まれた某日、

私はザックに輪行袋・カメラ・水筒を突っ込んで

自転車を漕ぎ始めた。

平日の午前7時30分。

国道8号線のはすでに渋滞していた。

みんなが仕事に向かうなか、

ぶらりと出かけるのはやはり気持ちがいい。

 

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実は出発してもなお迷っていたことがあった。

今回は嶺北から嶺南を自転車で行けるか、

その点だけに集中していいのではないかということだ。

従って、福井から今庄まで電車で移動し、

自転車で敦賀へ、

そして電車で帰って来ようと思っていた。

 

 

 

しかし道路が渋滞しているということは

恐らく電車も混んでいるであろう、

そう考えると自転車を電車に持ち込むのがためらわれた。

そんな訳でぼちぼち武生方面に向かうことにした。

 

まったくもって無計画なのは私の人生そのものといえる。

実は今庄まで何キロあるのかも把握していなかった。

2時間もあれば着くだろう、

その程度にしか思っていなかった。

 

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冷え込みが厳しい朝だった。

いつしか8号線沿いの並木もすっかり色づいている。

汗もかかず気分よく漕いでいたら

鯖江アルプラザに着いた。

自宅を出てからちょうど1時間。

福井市内にはないサブウェイがあった。

よし、今度食べに来ようと思い先へ進む。

 

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サンドーム福井を横目に越前市に入ったのが9時。

もし8時4分発の電車に乗って輪行していれば、

今庄を出発していてもおかしくない時間だ。

いや、自転車で行くことに意義があるのだ、

私はそう自分に言い聞かせてただ漕いだ。

 

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自転車を漕いでいると、

嫌でも思い出すことがある。

もう10年近く前の話だ。

私はいわゆる「ロードサイクル」を買った。

それなりのお値段であった。

ヘルメットも買ったから「マジモード」である。

家に帰れば部屋に持ち込んで大切にしていた。

 

ある日のことだ。

当時の私は通勤時、駅まで毎朝40分ほどかけて歩いていた。

その日に限って寝過ごしたのだ。

仕方なく、私はロードサイクルを引っ張りだして駅に向かった。

駅には無料だが立派な駐輪場がある。

無論頑丈にロックをして、

私は出勤した。

 

夕方、私は駅に戻ってきてまずATMでお金をおろした。

ロードバイクのペダルをビンディングタイプに交換するつもりだった。

そして駐輪場へ向かった。

あるべき場所に、ロードバイクはない。

2周して、3周して、4周して、5周して、

けど、ない。

 

何故ないんだろうとしか考えなかった。

盗まれたとは考えたくなかった。

時折、あのロードバイクは今何処にあるのだろう、

そんなことを思い出す。

 

ただ正直に言うとロードバイク

自分には似つかわしくない乗り物であった。

そもそもチンタラ走る乗り物ではない。

細いタイヤは常にパンクと背中合わせだ。

グレーチングやほんの少しの段差にも神経を使う。

半年ほどの間に色んな所へ出かけたが、

しっくりきていなかったのも事実なのだ。

 

言い方を変えればあまり愛着がなかった。

 

それに比べて今の気楽さは何だろう。

これくらいチンタラ走るくらいが私には似つかわしい。

 

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今庄駅近くのサイクリングターミナルに着いたのは10時40分。

2時間どころか3時間以上かかっていた。

 

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まだ先は長い、

いや、これからが本番なのだ。

私は目の前に立ちふさがるヤマに向け、

ペダルを漕ぎ始めた。