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北陸徘徊人

福井・石川・富山を中心にゆるーい旅を満喫中

新黒部〜富山 富山のラーメンについて考えた

北陸おでかけパス 富山

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新黒部駅から地鉄電車に乗り込んだ私は

かなりブルーになっていた。

運賃が10%引になるecomycaが見当たらなかったのだ。

魚津まで520円もかかるのかと考えただけでうんざりした。

 

さて、私が乗っているのは

新黒部を13時37分に出た西魚津行きである。

予定では13時54分に新魚津着、

隣接する魚津駅を14時09分に出る

あいの風とやま鉄道の普通列車で富山に向かうつもりだった。

 

「次は電鉄黒部です」そんな放送が流れた。

私は時刻表を見た。

魚津を14時09分に出る普通列車

手前の黒部駅を14時04分に出発する。

この電車が電鉄黒部に到着するのが13時44分。

 

私は運賃表を見た。

まだ6分ほどしか乗っていないのに、

運賃は310円と表示されている。

続けてスマホで地図を確認した。 

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電鉄黒部駅と黒部駅は離れてはいるが

恐らく1キロ程度であろう。

1キロ歩けば缶酎ハイが1本買える(笑)

そんな訳で私は電鉄黒部駅に降り立った。

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このあたり、映画「RAILWAYS」で

三浦友和さんと、中尾明慶さんが話してたところです。

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地鉄の魅力はこのようなヘッドマークが残ってることや、

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レトロな駅舎。

時折「掘っ立て小屋」みたいな駅もあるが(笑)

ここ、電鉄黒部と岩峅寺は一見の価値ありと思う。

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駅前の通りへ。

楽勝で着くだろうと思いつつ、

自然と早足になる。

 

いい年こいたオッサンが210円ケチって何やってんだろ、

と思ったりもする。

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 無事に黒部駅に到着。

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1991年に刊行された

全線全駅鉄道の旅7・北陸山陰2,300キロによると

この駅はもと三日市。その名のとおり、古い市場町だったが、昭和29年に市制が施行された。それにともなって昭和31年4月10日、駅名が黒部にかわった。

とある。

なるほど、さきほど乗車していた地鉄電車

「東三日市」という駅があったのだが

何に対しての「東」なのか、

ようやく分かったような気がする。 

 

しかし、後から調べれば地鉄の電鉄黒部駅は

かつて「西三日市」を名乗っていたとのこと。

うーむ。よく分からん。。。

 

ホームに出るとかつては特急停車駅であった「名残り」が。

金沢駅と違ってすぐ外せそうなものだが、

残しておいて欲しいとも思う。

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足元にはこんな表示も残っていた。

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この駅に「雷鳥」が停車していたなんて

いったい何年前の話なんだろうか。

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乗ってしまえば一緒と分かってはいるが、

とことん「あいの風とやま鉄道」色の電車に

さっぱりあたらない(笑)

悪態ばかりついているから見放されたか。

 

5分ほど走って魚津。

 

以前は「はくたか」もほぼ停車していたし、

サンダーバード」も1往復だけ魚津まで運転されていた。

その昔は寝台特急「日本海」も停車していた。

 

富山県内の中で、

最も北陸新幹線開業で「割を食った」感があるが、

個人的にはこういった町こそ応援したいのでちょいとご案内。

 

駅からは少し歩きますが海辺に出ると

「魚津埋没林博物館」がある。

県外の友人を連れてくると

意外と喜んでいただけるスポットでありました。 

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特別天然記念物 魚津埋没林博物館〜埋没林と蜃気楼の博物館より

 

魚津駅前はよくも悪くも地方の田舎町、

という感じですが駅前は「飲み屋」だらけです(笑)

 

地元の常連さんで賑わう店が多いので、

一見さんはなかなか入りづらいですが、

魚津在住の友人がオススメする2店をご紹介。

個人的にもオススメですが私の意見は無視してください(笑)

富山県民のラーメン愛は凄まじく、

富山市にいるのに「ちょいラーメン食いに行こうぜ」などと

フツーに魚津あたりまで行ったりする。

私がよく連れて行かれたのは以下3店。

魚津はりんご園が多い。

初めて「魚津のりんご」って聞いた時は「え?」と思ったが

かじれば感動的にウマかった。

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他にも意外な見どころが多いです。

詳しくは下記、魚津市観光協会のサイトを御覧ください。

魚津市観光協会公式サイト 魚津たびナビ

 

今回は新しい駅をめぐる旅なので魚津はパス。

でも、魚津を離れれば離れるほど魚津のラーメンが恋しくなる。

 

以下、酔っぱらいの戯言。

 

富山県民のラーメン愛は凄まじい。

あまりにも凄まじいので、

特に仕事の関係などで富山に来られた方は若干注意が必要である。

 

私が富山に来た20数年前、

初めてお目にかかった方と話をすると

「兄ちゃん、ブラック食べたことあるか?」

と、よくそんな話が出た。

 

「ない」と答えると

「そしたら今度連れてったる。びっくりするぞ」

と実際にごちそうしてくれるのだ。

 

私は「初めてです」と5人くらいに言ったから

5人にはごちそうしてもらった筈だ(笑)

ただ、最初は本当にびっくりした。

スープの黒さよりメンマのしょっぱさにビビった。

まあ、要するに話しの「ネタ」みたいなもんである。

 

多分富山の方もその程度の意識であったろう。

 

むろん、ブラック以外のラーメン屋もあった。

九頭竜、あっちっち、富公、まるたかや、

大半が昔ながらの正統派の醤油ラーメンだ。

だが、今ほどラーメン店は多くなかったと思う。

 

で、 

私が富山に来て間もない頃、

とある事件が起きた。

 

作家の椎名誠氏が週刊文春の自身のコラムに

「富山のラーメンはコノヤロ的にまずい」と書いたのだ。

  

椎名さんがどの店でどんなラーメンを食べたかは知らぬ。

ただ、地元民が「うまい」と連れて行ってくれた店で

前知識一切なしに「ブラック」が出てきたら、

9割9分の人は「富山県民の味覚は大丈夫か?」と思うだろう。

それくらい強烈な食べ物である。

  

実際、富山の人も大半は笑っていたと思う。

ところが「イメージを損ねた」とか言って、

行政だか業界だかが椎名さんに抗議しちゃったのだ。

それをマスコミが報じてしまった。

 

もうびっくりの世界である。

別に店の名前をあげている訳でもない。

それほどまでに富山は食に対し、

プライドを持っていたのだ。

 

すると「シーナマコトはけしからん」とみんなして言い出した。

 

「他所者が富山の食い物にケチつけるんじゃねー!」

みたいな風潮が一気に高まった。

 

多分椎名さんと同じ文章を、

富山県出身室井滋さんがコラムに書いても

あんな騒動にならなかったと思う。

 

私は余計なことを言わないようにしよう、

そう肝に命じた。

 

だがこのことが全国的に富山のラーメンが

注目されるようになったきっかけでもあったのではと思う。

 

実際、金沢や福井にも相当数のラーメン屋があるのだが、

北陸三県で「ラーメン」と言えば

何となく「富山」のイメージではなかろうか。

 

「マズイ」なんて言われたラーメン屋さんも奮闘したのだろうし、

富山県民がラーメンに目を向けるきっかけになったと思われる。

 

だが富山の食べ物を「マズイ」と表現した書き手は

椎名誠さんが最初で最後ではないか。

 

例えば駅そばの食べ歩きなんか読んでも、

金沢の駅そばがマズイなんて平気で書く方は多々いるが

富山の駅そばがマズイと書いているのを

私は読んだことがない。

 

食べ物に関しては富山を絶賛する内容が多い。

寿司にせよ、居酒屋にせよ、だ。

まあ当時の騒ぎを知っている書き手さんなら

絶対に正直には書けないだろう。

 

そして私は椎名さんのファンである。

通勤時によく小説やエッセイを読んでいた。

 

ところが同僚に見つかると

「あの富山のラーメンの悪口言うた奴やろ」

などとたびたび言われたものだ。

 

十年経とうが二十年経とうが食べ物の恨みは恐ろしいのだ。

  

そんな訳で富山に赴任された方は、

椎名誠さんのファンであっても黙っておくことをおすすめする。

本を読む際はブックカバーを忘れずに。

 

そんな訳で

後にも先にも著名人に唯一「マズイ」と言われた

富山の食べ物が「ラーメン」であるともいえる。

そんなラーメンに、県民は異常な愛情を注ぐようになった。

 

一気にラーメン屋が増えた。

 

人口あたりのラーメン店舗数なんて調査をやれば

わりと上位に入るのでは、なんて思う。

コンビニが潰れたと思えばラーメン屋、

喫茶店が潰れたと思えばラーメン屋である。

 

ま、別にそれはそれでいい。

問題は、ラーメンに関しては、

自分好み以外のものを徹底的に「けなす」風潮が

富山にはあるということだ。

 

正確にはラーメンと、以前にも書いたが「魚」。

  

例えば会社で

「昨日糸庄のもつ煮込みうどんが食べたんですけどウマかった〜」

なんて話をすれば、

「おー、そっかー、ならいっぺん塩苅食堂の奴も食べて見られ」

「アラキのホルモンもうめーぞ」

とわりと穏やかに会話が進む。

 

カレーなんかでも

「今日かれえていで飯食います」と言えば

「おー、なら俺も行くかなー」となり、

「俺、こないだかれえて行ったんよ、今日は伊東にしようぜ」

と、やはり穏やかに会話が進む。

 

これがラーメンだとこうなる。

「むてっぽうの味噌ウマかった〜」

なんて言おうものなら豹変して、

「だら、味噌なら山容だろ」

「は、味噌ならエアストリームやろが」

「むてっぽうなら普通の奴がうまいにきまっとるやろが!」

と喧嘩が始まる。(店名出してごめんなさい)

 

本当に(僕の知っている)

富山県民はラーメンに関しては

妥協を許さないというか、

好き嫌いがはっきりしているというか、

「熱く」語る方が多くなる。

 

普段おとなしい方でも豹変する。

要注意である。

会社内でラーメンの話はしない方がいい。

恐らく面倒なことになる(笑)

 

さらに結論から言えば

よそから富山にやってきた貴方は、

富山県民の前で富山の食べモノを絶対に批判してはならない。

 

みんながみんな「マズイ」と言っていたとしても、

貴方も同調して「マズイ」というのはやめた方がいい。

口に合わなかったモノがあっても心に秘めておこう。

これは富山で生きていく術である(笑)

 

いろんなことを考えていたら

車窓に新幹線の高架橋が近づいてきた。

14時34分、

電車は富山に着いた。

 

結局、この日、私はラーメンを食べていない(涙)

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