北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

えちぜん鉄道と恐竜博物館・平泉寺白山神社

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見事な杉林と苔に覆われた境内、

拝殿へと続く石畳。

福井に来てからずっと行きたかった場所のひとつに

勝山市の「平泉寺白山神社」がある。

 

福井は暖かい日が続いたと思えば、

急に冷え込んだり、と春と冬が交互にやってくる、

そんな日が続いていた。 

 

 

 

3月末、その日は「暖かく」かつ「快晴」だった。

行くなら今しかない、

私は福井駅へ向かった。

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えちぜん鉄道福井駅に着くと、

家族連れの姿をちらほら見かける。

自分に子供がいないからピンとこなかったが、

世間の子どもたちは「春休み」なのだ。

 

さて、えちぜん鉄道には一日フリーきっぷがある。

福井〜勝山の片道運賃が770円なのに800円で乗り放題になるという

実に太っ腹なきっぷなのだが、

残念ながら土日祝日などしか発売されない。

 

この日は金曜日だった。

 

では平日にフリーきっぷが存在しないのかと言えば、実はある。

勝山にある「恐竜博物館」とのセット券を買えば、

えちぜん鉄道の一日フリーきっぷが付いてくるのだ。

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福井〜勝山の往復運賃が1540円、

勝山市コミュニティバスが乗り放題で100円、

恐竜博物館の常設展の入場料金が720円で合計2360円のところ、

1620円になる。

せっかくなので「恐竜博物館」にも行ってみようと思う。

(この記事執筆時の金額です。2016年4月現在は2,120円)

http://www.echizen-tetudo.co.jp/index.html

  

8時56分、勝山行きの1両編成の電車は福井駅を出発した。

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新幹線高架を左手に眺めながら電車は加速、

と思いきやすぐに減速して新福井着。

この間わずか500メートル。

かつてはこの先の越前開発まで複線だったが、

新幹線工事の影響で新福井〜福井口は単線になっている。

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車庫がある福井口で運転士が交代した。

海側の三国へ向かう路線と分岐して、

山側に進路をとる。

 

日中の「えちぜん鉄道」にはアテンダントさんが乗務している。

無人駅から乗車した客にはきっぷを販売し、

接続するバスの時刻、イベントの案内などの放送など忙しい。

 

さらに車内を頻繁に行き来しており、

乗客との距離感が近く本当に好感がもてる。

 

「左手に見えてまいりましたのは浄法寺山です。福井市から最も近い1000メートル峰でございます」

「このあたり、日本の鉄道車窓絶景100選にも選出されたところです」

「まもなく、九頭竜川の向こうに白山が見えてまいります。その手前に丸い建物が見えますでしょうか、あちらが恐竜博物館となっております」

彼女がマイクで話すたび乗客が一斉にカメラを向ける。

まるで観光バスに乗っているような気分だ。

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9時48分、勝山着。

 

1時間弱の乗車であったが、

アテンダントさんのおかげで全く退屈しなかった。

勝山駅からはコミュニティバスに乗り継いで

まず「恐竜博物館」に向かうことにした。

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アテンダントさんにもらった時刻表によると、 恐竜博物館〜平泉寺とまわったほうが効率がよいような気がした。

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駅からまっすぐ進めば恐竜博物館はすぐなのだが、

このバスはあくまで「コミュニティバス」であり、

市街地で右左折を繰り返す。

20分ほどかけて恐竜博物館に到着した。

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恐竜博物館は大勢の家族連れで賑わっていた。

そして、子供も大人も、みんな実にいい顔をしていた。

博物館というよりは

アミューズメントパークに来ているような気がする。

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一応新幹線のポスターも貼ってあった(笑)

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子どもたちの歓声を聞きながら、

北陸三県の中でもっともファミリー層が楽しめるのは

福井県ではないか、そんな気がしてきた。

 

県全体で「恐竜」をアピールしていることもあるが、

これは大人も子供も楽しめるといった点で 

実にいいところをついているのではないか。

 

さらに東尋坊に足を伸ばしても見るだけならタダだ。

お財布にも優しい(笑)

 

例えば富山で代表的な観光地と言えば

黒部ダム」を思い浮かべる方も多いであろうが、

家族連れで行くには案外お金がかかる(笑)

 

ロッコ乗って、アルペンルート行って、

1泊して、なんてことを家族でやれば

ギョッとする金額になる。

そのかわり男同士や仲間内でわーわー行くには

楽しめると思われる。

 

では石川、金沢で見ると

案外子供をつれて行ける場所を思いつかない。

相方となら金沢市内の散策も楽しいが、

グループでわいわいという雰囲気の街でもない。

そんな訳で男女や女性同士が向いている。

 

そんな訳で北陸旅行を計画中の家族連れの皆様は

福井をオススメします(笑)

あくまで個人的見解ですが。

 

 

 

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さて、いったん勝山市内に戻って平泉寺に向かうことにする。

時刻表によると、恐竜バス2便というのが勝山駅まで行き、

それが平泉寺2便となり平泉寺に向かうと推測された。

だが、勝山駅でそのまま乗っているのも不自然だし、

いったん下りて同じバスに乗り込むのも何となく気まずい。

 

だが、勝山駅の手前に「ゆめおーれ」なるバス停がある。

ここで降りて再びバスに乗ることにした。

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さて、私は降りたバス停の向かいのバス停で待っていた。

ところが、待てども待てどもバスが来ない。

時刻表では34分発になっているのに

36分になっても来ない。

よく見ればバス停の時刻表には全く時刻が表記されていない。

 

私はパニックに陥った。

私は「ゆめおーれ」に入り、

受付の女性に「恐竜バス」の乗り場を尋ねた。

するとその場でいいと言う。

 

もしかすれば私がゆめおーれにいる間に

バスが通り過ぎた可能性も考えられた。

ただ、

ハッキリ言えるのは私はバスに乗れなかった、

ということだ。

 

私はとぼとぼと勝山駅に向けて歩き始めた。

夕方からはやらねばならないことがある。

今日は帰ろう、平泉寺には縁がなかったのだ。

また出直せばいい。

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勝山駅直前で、私の隣を恐竜バスが追い抜いていった。

平泉寺に行って帰ってきたのだろう。

いったい何処を通って行ったのか。

 

勝山駅に入るとコーヒーのいい香りがする。

カフェで一杯飲んで行きたいところだったが、

列車の出発まで15分しかない。

次の列車にしても良かったが、

いずれにせよバスに乗れなかったショックの方が大きかった。

 

私は改札をくぐった。

するとバスロータリーに平泉寺と書いたマイクロバスが止まっている。

本来は平泉寺に行くために勝山に来たのだ。

行くなら今だろ、私は改札口を戻った。

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バスに乗ろうとしたら、

運転士が「その券では乗れない」などと言う。

この時刻表に書いているではないか、

私は言ったがこのバスは「コミュニティバス」ではないらしい。

 

言われてみれば時刻表にも

「コミバス」の表記はなく「平泉寺線」としか書いていない。

 

「・・・・」

 

ここで引き返すのも悔やしいので(笑)

乗って行くことにした。

たかだか200円で嫌な想いをしたくはない。

 

ただ、この運転士さんは実に親切な方で

色々と丁寧に教えてくれた。

勝山市内が一日100円で乗り放題になるのは

あくまで「コミバス」と「恐竜バス」のみであること。

 

コミバス・恐竜バス共に「平泉寺・大仏」方面の便があるが、

「コミバス」は平泉寺の入り口までしか行かず、

延々と歩かねばならないこと、

云々。

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15分ほどで平泉寺白山神社に着いた。

 

私は苔で覆われた美しい境内を予想していた。

だが鳥居の前で立ち尽くした。

 

境内は雪で覆われていた。 

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 (勝山市内のバス時刻は日によって全く違います。えちぜん鉄道などのサイトでご確認の上おでかけください)