北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

東海道新幹線ひかり527号

生まれてはじめて都庁の展望台って所に上がってみた。

眼下に広がるのは明らかに「東京」なのに、

耳に入ってくるのが異国の言葉ばかりなので、

何となく「東京」が「Tokyo」に思えてくる。 

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それにしてもこの眺望がタダなら、

他で1000円以上払うのが馬鹿げてるよな、

と考えてしまう私は単なるケチである。

否定はしない。

 

気づかれた方は気づかれたかもしれないが、

目黒寄生虫館も都庁も「タダ」だから来た(笑)

そもそも東京に用事があった訳ではなく、

私たちにとっては経由地にすぎない。

 

東京駅に向かい福井発福井行きの旅を再開する。

何気なく東海道新幹線に乗ろうと看板を見上げて

「ん?」となった。

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JR東海の看板が

日本語と英語表記のみでめちゃくちゃシンプルなのだ。

他の看板を見ると日英中韓の4ヶ国語表示ばかりなのに。

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私はこの4ヶ国語表示というのは

てっきり国が推し進めてきた施策かと思っていた。

だがJR東海がやっていないということは

そうではないと言うことか。

 

 

 

私は以前、とある観光地の案内所にいたことがある。

そこでも「案内所」と4ヶ国語表示をしていた。

当然、その窓口に多くの外国人客もやってくる訳だ。

 

英語で質問されれば言葉の端々から何となく理解できるし、

何とでも応対できる。

また、アジア系の方がカタコトの英語で話しかけてきても、

こちらもカタコトなものでお互いに必死になり、

最後は笑顔で「サンキュー」だ。

 

だが、私は中国語と韓国語はさっぱり分からない。

ついでに窓口の人間は誰一人分からない(笑)

 

常識的に考えて、

中国の方も韓国の方も中国語なり韓国語で

「案内所」と書いてあれば何かを尋ねてきてあたりまえだ。

それなのに窓口では誰一人まともに対応できない。

これは相当間抜けな光景であった。

 

だが、そこに中国語と韓国語表記がなければ、

彼らは「カタコト」の日本語なり英語なりで

案内所の担当に語りかけていたのではないだろうか?

実際、その後のことは「英語」か「日本語」でのやりとりになるのだ。

 

4ヶ国語表示なんてものを発案した方には申し訳ないが、

うちもうちもと喜んで「国際的だ」と採用している交通機関も、

やはり利用者の視点が欠けていると言わざるをえない。

 

そもそもここは日本であるから、

看板なんて日本語と英語とヒストグラムで充分だよな、

と改めて感じたりした次第であったりする。

私だって外国行って日本語を見れば「怪しい」と思うが(笑)

  

さて、そのJR東海の東京駅、

要するに東海道新幹線の東京駅。

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次から次へと新幹線が入線しては出発していく。

まあよくぞこれだけの人々が東海道を行き来しているものだ、

東海道新幹線のホームに立つといつも思う。

 

私は時刻表を開いて18時台を見てみる。

 

18:00 のぞみ121号 岡山ゆき

18:03 ひかり525号 新大阪ゆき

18:10 のぞみ57号   博多ゆき

18:20 のぞみ249号 新大阪ゆき

18:26 こだま679号 名古屋ゆき

18:30 のぞみ123号 広島ゆき

18:33 ひかり527号 新大阪ゆき

18:37 こだま803号 三島ゆき

18:40 のぞみ251号 新大阪ゆき

18:50 のぞみ59号   博多ゆき

18:56 こだま681号 名古屋ゆき

 

18時台の定期列車を抜き出しても11本もある。

内訳は

「のぞみ」6本、

「ひかり」2本、

「こだま」3本となっている。

 

私の記憶が確かなら、

確か「のぞみ」という列車は特別に早い列車であったから

「特別」に高い料金を設定していたと思われる。

 

ところが今となっては半数以上が「のぞみ」な訳で、

もはや特別でも何でもない。

 

料金が高い「のぞみ」ばかりを増発し続けることは

実質的に新幹線特急料金を値上げしていると言える。

 

JR東海もやることはえげつない(笑)

 

さらにこれだけ本数が走っていながら、

静岡や三河の方はスキマを走る「ひかり」か「こだま」しか使えず、

静岡・浜松に停車する「ひかり」は1時間に1本。

豊橋に止まる「ひかり」など2時間に1本しかない。

 

私達も今日の目的地は岡崎であるから

新幹線は豊橋までの乗車となる。

2時間に1本だからこの「ひかり」以外に選択肢がなかった。

2時間半かけて車内販売もない「こだま」で行く気力もわかない。

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考えてみれば「のぞみ」がデビューした時に、

本社がある名古屋を通過する列車を設定した会社である。

地元にも厳しく、

とことん「儲け」に徹しているとも言える。

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 「ひかり527号」新大阪ゆきは18時33分、定刻に東京駅を出発した。

1週間前に指定券を購入した時点で2人掛けはすでに埋まっており、

私達が指定されたのは3列側のA・B席だった。

東京を出発した時点でちらほらと空席もあったが、

新横浜を出発するとほぼ全ての席が埋まった。

 

車内は至ってビジネスライクで、

愛想もへったくれもない。

さらに会話をしているヒトもいない。

聞こえてくるのはゴゴゴゴゴという走行音だけだ。

北陸新幹線と違ってめいいっぱい走っている印象がある。

 

私はウィスキーの水割り缶をあけた。

隣でパソコンを叩いていたビジネスマンが、

ちらりと見たような気がする。

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そのうちに滑走路をいつまでも離陸しない

飛行機に乗っている気分になってきた。

そんな無理して飛ばさなくていいから、

もうちょっと落ち着いて走りなはれと言いたくなる。

  

この「ひかり527号」の3分前、18時30分に東京駅を出発した

「のぞみ123号」は新横浜〜名古屋間を無停車で

名古屋に20時12分着。所要時間は1時間42分。

 

これに対して「ひかり527号」は18時33分に出発し、

さらに豊橋に停車しても名古屋着は20時17分着。

所要時間は1時間44分。

 

長らく新幹線は1駅停車ごとに5分程度所要時間が伸びると

言われてきたが、その差は2分でしかない。

 

単純に考えれば「ひかり」の方が

車両性能をめいいっぱい使って走っていると言える。

それでいて東京〜名古屋の指定席料金は210円の差がある。

私にはどうしても腑に落ちない。

 

豊橋到着のアナウンスが流れると、

大勢の乗客が下車する準備を始めた。

 

19時56分。

ひかり556号は定刻に豊橋に到着。

ガラガラになった「ひかり556号」が新大阪へ向けて出発していった。