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北陸徘徊人

福井・石川・富山を中心にゆるーい旅を満喫中

織田ー鯖江 暗闇紀行

土曜日の17時50分、

私は越前町織田にあるバスターミナルにいた。

バスターミナル、

なかなか重々しい雰囲気ではないか。

しかし18時前にも関わらず、

 

ここから出発するバスは越前海岸のかれい崎行きが2本あるのみ。

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あたりはすっかり暗闇で、

文字通り「人っ子ひとり」歩いていない。

手元の地図を広げる。

 

すぐ近所に織田信長ゆかりの神社もあるらしい。

しかしながら行く気力がわかない。

 

この場から

まっすぐ国道417号線を東に向かえば

福井鉄道神明駅に到達する。

距離は恐らく15キロはないだろう、

せいぜい12、3キロのはず。

 

とりあえずハッキリしているのは、

このバスターミナルにいたところで

バスはやってこないということだけだった。

18時、私は意を決して歩き始めた。

 

5分も歩けば集落は途切れ、

あたりは闇と化した。

クルマの往来は予想以上にある。

そして、

何故かわからぬが私はとぼとぼ歩いている。

 

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いい年して何をやっているんだろう、とは思う。

いい大人なんだからタクシーくらい呼べよ、

ともう一人の自分がささやく。

どのあたりまで歩いているのか、

まったく検討がつかない。

自分の場所を知るのが怖くなり、

私はスマホを開くのもやめた。

 

1時間半ほど歩くと、

それなりの町に出た。

太鼓の音が響いている。

公民館のような建物で、

祭りの練習だろうか、

子供たちが太鼓の練習をしている。

 

その先に越前町の役場があった。

役場というからには街の中心だ。

バスくらいあるかもしれないと思い、

バス停を覗く。

 

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ささやかな願いは粉々に崩れ去った。

私は再び歩く。

そして、腹がへる。

日中に三国バーガーを食べたきりだ。

だんだん惨めな気分になってきた。

 

神明駅に着けば、

近くにレストランでもあるだろう。

電車まで時間があれば何か食べよう。

ラーメンか、

いや、定食か。

秋吉ないかな、やきとり食べたいな。

私は単なる煩悩の塊と化していた。

 

ただ、ただ、歩き続けた。

 

恐らく神明駅まであと僅かというところで、

ファミレスや量販店が並ぶ通りに出た。

この時点で20時30分。

ここでようやく電車の時間を確認する。

20時36分発。

 

私は神明駅に向けて走りだした。

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