北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

「北陸(分断)新幹線」の客を福井に呼び寄せる!

最近お出かけできてないのでストレスがたまり気味。

そんな訳で今日は独り言です。スミマセン(笑)

 

北陸新幹線の金沢開業が近づいてきた。

私は新しい路線ができるとわくわくする人間で、

それは小学校の時から数十年たった今も変わっていない。

 

ところが嬉しいようで嬉しくないのが

今回の北陸新幹線金沢開業だ。

 

 

 

私は高校を出てからの二十数年をほぼ

北陸3県で過ごしてきた。

そして今も福井〜富山をちょこちょこ移動している。

富山で飲んで最終のはくたかで福井に帰ることも多い。

これが3月14日以降は乗り換えが必要となる。

 

さて、北陸と聞けば、

恐らく他の地域の方から見れば

一応「石川・富山・福井」がセットで思い浮かばないだろうか。

 

ところが昨年末に発表された

日経トレンディの2015年ヒット予測に

「北陸トライアングル」とあったが

それが「金沢」「富山」「能登」であったことには

もはや現福井県民としては苦笑するしかない。

 

それもいざ仕方ないかと思う。

例えば富山と金沢なんていうのは意外と流動がある。

JRは特急が利用できる往復切符を発売している。

県境を超える普通列車も案外乗っていたりする。

 

さらに

富山〜金沢の高速バスは1時間毎に走っている。

休日なんてさらに増発される。

高岡〜金沢の高速バスもある。

 

これに対し、

福井〜金沢の高速バスはない。

JRの割引きっぷもない。

 

何でかな、と考えていたら

福井にいれば金沢に向かう必要がないのだ(笑)

本当に驚くほど京都や大阪が近い。

若狭の友人など、晩飯を食べに「滋賀」に行く。

 

さらに美浜町から西は電力会社も関西電力であったりする。

ケーブルテレビも浸透しており、

映るのは関西系のチャンネルである。

若狭にいると本当に「北陸」っぽさを感じることがない。

 

だからといって福井市内が「北陸」っぽいかと言えばそうでもない。

 

特に「言葉」だ。

 

石川・富山は似たような方言である。

地元民は否定するが私のような余所者には同じように聴こえる。

「ねか」や「ちゃ」が末尾につく。

ところが福井県嶺北地区に関しては全く違う。

完全に「福井の言葉」である。

 

嶺南地区は関西弁だし、この時点で福井は分断されている。

JRに北陸トンネルなんていう13.8キロもある長大トンネルがあるが、

長いトンネルを抜けた先は共に福井県だ。

敦賀に行けば兵庫県の西の端まで直行で行く新快速電車がある。

 

あくまで感覚的なことだが、

富山だと石川には負けたくない、みたいな雰囲気が

良くも悪くも感じられる。

ところが福井だとそれがない。

少なくとも私には感じない。

 

空港にしても(一応福井空港はあるが)小松空港で充分、

てな感じである。

何となく「我関せず」といった感じがする。

自分のところにないからといって欲しない。

隣にあれば充分、てな感じか。

 

そんな訳で北陸新幹線に関してもさっぱり盛り上がらない(笑)

 

そらそうだ、東京に出るのにわざわざ金沢に向かわなくても、

ちょいと南に行けば東海道新幹線が走っている。

それで充分。

福井にいるとあれこれ「欲しい」と言わない重要さがよく分かる。

 

さて、北陸新幹線に戻る。

 

本当に北陸新幹線は「ケンミン」にとって「待望」の新幹線なんだろうか。

 

石川に関していえばそれなりにメリットがあるような気がする。

これが富山になるとさっぱりメリットが思いつかない。

在来線はJRから切り捨てられ、

金沢までの鉄道は2社に分断される。

 

そんでもって「飛び地」と化す城端線氷見線

大阪・京都からの直行列車は無くなる。

これに関しては後から富山県知事が「残してくれ」と

JRに要請したそうだが断られたそうな。

 

そもそも富山に長いこと住んでいたが、

東京方面の「はくたか」が混んでいた記憶があまりない。

飛行機もあるからだろうが、

鉄道に関しての流動は圧倒的に「大阪・京都」に向かっていた筈だ。

 

ところがこれが「切れる」

 

当たり前だが大阪・京都から「富山」行きの列車も無くなる。

昔は函館行、青森行、新潟行なんて列車もあって、

大阪駅の11番線なんて行くと時刻表を眺めているだけで

旅情を感じたものだがそこから「富山」も消える。

 

普段から利用する駅で見る「地名」は意外と頭に残るものではないか。

大阪駅立山黒部アルペンルートのポスターを見て、

1時間毎に富山行の列車があればちょっと行こうとならないか。

 

これが大阪・京都両駅から「富山」が消える。

私にはこの現実がどうしようもなく寂しい。

 

大阪〜富山の新幹線乗継による平均所要時間の短縮は「5分」らしい。

乗り継ぎを無視したダイヤのおかげで

金沢〜富山の時間短縮が相殺されてしまうのだ。

せめてJR九州新八代でやったような対面乗り継ぎくらい

するかと思ったがJR西日本にはハナからそんな考えすらなかったようだ(笑)

 

これまで全特急列車が停車していた高岡も、

「かがやき」は新高岡を通過する。

 

さらに開業が3月というのも微妙だ。

富山県最大の観光地であるアルペンルート

黒部峡谷トロッコ列車も営業していない。

もはやJRによる富山いじめにしか見えない。

 

仮に五箇山へ向かったとすればその流れは飛騨に向かわないか。

高山も以前に比べて年中観光客で賑わっている。

冬の奥飛騨も魅力的だ。

案外、富山は冬場に行く場所が少ない。

富山に愛着があるが哀しい現実ではある。

 

さて、そんな北陸新幹線であるが

福井には最大のチャンスであると思う。

それは終点の「先」にあることだ。

 

そもそも金沢は今の時点でも充分混んでいる(笑)

休日に駅前から香林坊に行くバスなんて長蛇の列だ。

現状に新幹線の観光客が加わるのかと思うとぞっとする。

さらに適度に街の規模が大きいため、

バス路線も複雑怪奇である。

 

私は金沢という街も好きだが

休日には絶対に近寄りたくない。

宿泊客の受け入れも充分とは言えないだろうし、

2時間半で結ばれるとヘタすれば日帰り圏内になってしまう。

 

このあたりを取り込めないか考えてみる。

 

東京ー金沢の営業距離は450.4キロ、運賃は片道7340円。

往復割引も効かない距離なので単純に往復で14680円。

プラス新幹線特急料金。

 

では金沢から足を伸ばして米原へ、

そして東海道新幹線で東京までの切符を買ったとする。

要するに「東京→金沢→米原→東京」

 

すると1072.9キロで運賃は12960円と算出される。

JRの運賃は遠距離逓減制になっているので

距離は伸びるのに安くなる。

さらに新旧の新幹線の乗り比べもでき、魅力的ではないか(笑)

 

そして「乗継割引」なるものがある。

九州ではなくなったが、

新幹線から在来線の特急に「当日」に乗り継ぐと

在来線の特急料金が「半額」になるという制度だ。

 

すると、北陸新幹線で一路金沢へ、

ゆっくり一日観光してから在来線特急で

夜は福井の芦原温泉で宿泊。

東尋坊なども見学して

再び特急に乗って米原経由で帰宅。

ということが出来る。

 

ちなみに金沢ー芦原温泉間の指定席特急料金は1700円、

北陸新幹線の乗継割引で850円。

芦原温泉米原間の指定席特急料金は2350円、

今度は東海道新幹線の乗継割引で1180円。

(いずれも通常期)

 

冬の東尋坊を見て勝山大仏にでも行けば

福井の魅力に取り憑かれるに違いない(笑)

恐竜博物館は雪の心配なく楽しめます。

永平寺があるのも福井県です。

2014年日本庭園ランキングで5位に入った養浩館庭園は福井市です。

やきとりの名門「秋吉」に入ればみんな「社長」と呼んでくれます(笑)

 

そんな訳で関東圏の皆様、

新幹線開通の折には

ぜひ福井にお越しください。

心よりお待ち申し上げております。