北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

極私的アルペンルート攻略法

記事が古いです。予めご了承ください(笑)

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私が立山黒部アルペンルートを初めて訪れたのは

中学生の頃であったからもう30年近く前になる(絶句)

 

ゴールデンウィーク大阪駅から夜行急行「きたぐに」に乗った。

富山駅に着いたのは早朝だ。

そして始発の地鉄電車は4両編成であったが、

スキー客で身動きできないほど混んでいた。

 

さらに立山駅でケーブルカーに乗るのに3時間待ちだった。。。

(昔の話です)

  

さて、昔ほどの混雑はなくなったとはいえ、

連休中など、混んでいる時は混んでいる。

 

山に行こうと立山駅に車で行ったら

駐車場ははずれのほうで、

きっぷを買えば2時間後のケーブルカー、

なーんてことは多々ある。

 

室堂で高原バスに乗るための列が、

建物の外にまでつながっていたのを見た時は

悪夢としか思えなかった。

 

 

 

北陸新幹線の開通で多少は観光客も増えると思われるので、

あくまで乗り物を楽しむという視点から

私なりの攻略法を書いておきたい。

 

立山黒部アルペンルートは3000メートル級の山々を

幾つもの乗り物を使って超える日本屈指の山岳観光ルートだ。

冬期間は深い雪に閉ざされ、営業は例年4月半ばから11月末までだ。

 

全線開通時は4月とはいえ雪が多く残るので、

スキーヤーと「雪の大谷」を目指す観光客で半端無く混雑する。

 

山が目的ではなく「乗り物」が目的でアルペンルートに行く方も多いと思う。

富山駅から考えると地鉄立山ケーブル、高原バス、トロリーバス立山ロープウェイ

黒部ケーブルカー黒部ダムの上を歩いて関電トロリーバス、そして路線バスに乗って、

信濃大町に至る。私が初めて訪れた際も「乗り物」目的だった。

 

さて、アルペンルートには時刻表が存在するが、役にたつのは閑散期のみだ。

予想外のところで思わぬ待ち時間が生じたりする。

富山側からなら立山駅、大観峰駅、

大町側からなら黒部平駅美女平駅だ。

これは立山ケーブルカーとロープウェイの輸送能力の低さが起因している。

あまりガチガチに予定を組んでいると、どうにもこうにもならなくなるので要注意だ。

 

さて、これをクリアする方法としてもっともいいのは室堂で一泊することだ。

昼上山で朝下山。

 

これならほぼ時刻表どおりに動ける。

時刻表通りに動ければ、さほどストレスも感じない。

予定通り進まないと、私のような小心者はイラッとする。

私のようにイラッとしてほしくないからこんな文を書いている。

 

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室堂には高級ホテルから山小屋まで多種多様な宿が存在する。

標高2450メートルで迎える朝は(天気さえ良ければ)サイコーである。

ついでに夕刻に雲海が広がったりすれば、

生きていてよかったとも思える。

 

無論天気が悪い時もある。

こんな時は酒でも飲んで寝るに限る。

高所だと酒のまわるも早い気がする。

 

ただ、ネット予約できるような宿でも徒歩1時間なんてところもある。

薄着・スニーカーでキャリーバッグを強引に引きながら

猛吹雪の雪道を歩くカップルを見た時は

思わず来た道を戻って付き添った。

 

気軽に行ける3000メートル地帯ではそんな光景も多々ある。

 

それでもせっかく(恐ろしく)

高い運賃を支払うのだからぜひ一泊してほしい。

 

無論、日程の都合で1日で通りぬけたい、

という方も多いであろう。

 

私がオススメしたいのは富山駅から室堂まで直通運行している地鉄バスである。

運行は夏と秋の週末に限られるが一度使うとやみつきになる。

 

立山ケーブルに乗れないではないか!

と思われるかもしれないが、

立山ケーブルは半分くらいトンネルの中だ。

そして普通の乗り継ぎでは通らない桂台〜美女平の絶景を堪能できる。

 

さらに、標高がほぼ「ゼロ」の富山市から

標高2450メートルの室堂まで2時間半ほどで到達するのだ。

なかなかこんなバスはないであろう。

個人的には毎日運転して欲しいと願っている。

アルペンルートのきっぷでは乗れないので注意・予約制)

 

さて、電車で行く場合を見てみよう。

販売時間は限られているが、

電鉄富山駅でもアルペンルートのきっぷが買える。

後述するケーブルカーの乗車時刻も指定されるので便利だ。

 

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乗るのは「立山」行き。

ちなみに景色は進行方向左側の方が良い。

 

次の「稲荷町」までは複線となっている。

稲荷町には車庫がある。

富山地鉄にはかつて京阪や西武で活躍した車両が現役だ。

見ているだけで楽しくなる。

この車庫に関しては本線から見て右手にある。

 

「寺田」までは本線を走り、

ここからは「立山線」に入る。

天気が良ければ立山連峰が美しい。

この山並みが見えるのが進行方向左手となる。

 

岩峅寺を過ぎると急に山深くなり、

約1時間で立山駅に到達する。

昔は大阪や名古屋から直行列車もあった。

この先がいわゆるアルペンルートとなる。

 

ここには無料の大駐車場があるので、

大多数の方が車や観光バスでやってくる。

繁忙期は乗車券を買うのにしばらく並ぶこともある。

そんな訳で電鉄富山で乗車券を買っておくことをオススメする。

(またはウェブきっぷもある)

 

続いて立山ケーブルカー

定員は120人で所要時間は7分。

普段は20分間隔で運行されるが繁忙期は10分間隔となる。

そして「上り」便のみ乗車時刻が指定される。

混んでいるときは2時間くらい待たされることもある。

 

そんな時は割りきって近くにある「カルデラ博物館」がオススメだ。

詳しくはサイトで確認して欲しいが、

アルペンルートが混雑しているときは8時30分から開いている。

 

あまりにも待ち時間が長くなると、

立山駅〜室堂間の直通臨時バスが運行されることもある。

これにあたれば幸運で、私など小躍りしたくなる。

ただいつ運行されるかは分からない。

期待していると運行されない。

 

さて、このケーブルカーの面白いのは貨車を連結していることだ。

スキーや大きなザックは貨車に積む。

景色がいいのは上に向かって右側だ。

ただ、アナウンスで流れる「材木石」は左側にある。

 

美女平に着くと次は高原バスである。

ここには乗り場が2つある。

 

室堂まで行く旅客と途中下車用である。

 

高原バスは弥陀ヶ原や天狗平で途中下車が出来る。

途中で下りる場合はこの途中下車用の列に並ぶ。

だいたい駅員さんが叫んでいる。

(これは室堂も同様)

 

そしてこの途中下車用の列で待っていると、

室堂行きの臨時バスがバンバン出ているのに、

定期便しか乗せてくれない。

取り残されたような気分になるが、

イライラしてはいけない。

 

高原バス・美女平〜室堂の所要時間は約50分。

アルペンルートで唯一の着席制の乗り物である。

時刻表上は40分間隔だが、

実際はケーブルカーの到着にあわせ、

適宜室堂行きの臨時便が運行されている。

ただ、途中下車が出来るのは先述通り定期便のみだ。 

 

よくバスに乗ると右の景色がいいか左の景色がいいか、

なんて話を耳にするが

私個人の感想では左側の一番前である。

大杉や称名滝、大日岳などは基本的に左の方が見やすい。

右側は薬師岳が美しいが、

弥陀ヶ原から上は山肌しか見えない。

(曲がりくねっているので多少は見えるが)

 

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剣岳が見えてくると室堂は近い。

バスを降りると夏場でも寒い。

駅員さんを見ていると夏でも上着を着ている。

 

室堂から先はトロリーバス

バスのカタチをしているが法令上は「鉄道」だ。

基本的には30分間隔だが、

繁忙期は15分間隔で運行される。

 

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客数にあわせ1〜4両編成で運行される。

編成といっても各車両に運転士が乗っている。

 

駅員が発車ベルを押して1両ずつ出発していく。

これは全線トンネルなので景色の楽しみはない。

トンネルそのものが狭いので、スリル満点な乗り物だ。

途中に信号所があり、バスの行き違いがある。

その信号機はまさに鉄道そのものである。

この様子が見やすいのは先頭車両の前よりといえる。

 

続いて大観峰駅からはロープウェイである。

混雑時にはここがネックとなる。

混んでくると室堂駅でトロリーバスに乗車する際、

「整理券」が配布される。

この整理券をもらったら多少の覚悟が必要だ。

 

そもそもこの駅は標高2316メートルの断崖絶壁の上に建っている。

晴れていれば眺めが抜群なところだ。

もし整理券が出ていれば番号を呼ばれるまで待つしかない。

駅には展望台があるが、駅舎外に出ることはできない。

カバンの中に小説でも入れておくことをオススメする。

 

さて、ロープウェイに乗る。

繁忙期は山手線以上に混んでいる。

そして乗車の際に、ほぼ前よりから埋まっていく。

ゴンドラが大きく傾いたりもする。

 

そんな訳で、でもないが私は後ろ側をオススメする。

前に乗っても大観峰駅から見えた光景が近づくだけだ。

後ろに乗ると「よくこんなところに駅を作った」と思うはずだ。

標高が下がれば立山も見えてくる。

みんな前を見てる間にひとり絶景を満喫できる。

 

黒部平駅の周辺は園地になっている。

ここから黒部ダムへは日本で唯一の全線地下式のケーブルカーに乗る。

所要時間は5分。

やはりみんな前に乗ろうとするので後ろに乗ろう(笑)

はっきり言って前に乗ると斜度が急すぎて怖い。

 

トンネルを抜けると黒部ダムだ。

ここはダム上を歩くしか方法はない。

雨具は必須だ。

レストランや展望台はすべて対岸にある。

 

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最後は関電トロリーバスに乗って扇沢に到達する。

これは30分間隔だが、最大8両編成で運転するので

びっくりするほど一気に乗る。

 

こちらもほぼ全線に渡りトンネルであるが、

扇沢駅直前で外に出る。景色が広がるのは左手だが、

すぐにホームに到達する。

 

ここから大町へは路線バスの利用となる。

年々本数が減っているような気がするので注意したい。

 

ちなみに扇沢駅で乗車券を購入するとトロリーバスの乗車時間が指定される。

 

アルペンルート電鉄富山扇沢まで1枚の乗車券で発行されるので、

特に往復の際は注意が必要だ。

室堂駅では「きっぷを無くした」と喚いている人を多々見かける。

2年前には「景色が見えなかったから金返せ!」なんて言ってる人もいた(笑)

 

さて扇沢から富山へ向かってみよう。

景色は左右に関しては当然前述の「逆」がいいと思われる。

繁忙期は黒部湖駅でケーブルカーに乗車する際に

ロープウェイの整理券が配られる。

ただ、黒部平駅は園地もあり駅舎外に出ることができるので、

大観峰で待つよりはるかに楽だ。

 

大観峰からはトロリーバスで室堂に達する。

 

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さて、今度は高原バスの乗車がネックとなる。

これはどういうことかと言えば、

美女平ではケーブルカーでお客さんが分散して上がってくる。

そんな訳で10分ごとに3台ずつ(くらい)バスを出せばよい。

 

ところがこの室堂は何処からともなくお客さんが現れる。

おまけに全員着席制なのに予約制ではないもので、

定員以上のお客さんが来た時点でバスの台数が増える。

 

バスの台数は決っているであろうから

そのうちバスが足りなくなる(笑)

見ている分には楽しい光景であるが、

自分のところで「定員」ですなんて言われたりする。

そんな時に限って次のバスが来ない。

 

仮にスムーズに乗れたとしてもまだ気を抜けない。

その時は美女平で待ち時間が生じたりする。

(この時は室堂駅で高原バスに乗る際に整理券が配られる)

 

地鉄電車は1時間に1本程度の運行だ。

ケーブルカーから出発していく地鉄電車が見えた、

なんてことは多々ある。

上りではこれから楽しみが待っているのでそれほど苦痛ではないが、

下りでは苦痛以外の何物でもない。

 

さて、長々と書いた。

 

あくまで個人的な意見だが、

観光が目的ならゴールデンウィークは避けた方がいい。

スキーヤーと「雪の大谷」を目指す観光客でわやわやである。

近年は東南アジアのお客さんも増えているのでなおさらだ。

せっかく行ってもアルペンルートが嫌いになる可能性が高い。

二度と行きたくない、なんて言われると私は寂しい。

 

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まして前述の富山〜室堂直行バスもない。

 

雪の大谷は確かに魅力だが、

ゴールデンウィーク中の高原バスの車窓は、

弥陀ヶ原〜室堂などほぼ雪の壁しか見えない。

景色という点でも実は物足りない。

 

それにゴールデンウィークから一、二週たっても

雪の大谷はそこそこ「雪の大谷」だ。

 

それでも向かわれるなら

とにかく何か暇つぶしできるもの、

そして暖かい格好が必要だ。

ゴールデンウィークならダウンジャケットも大げさではない。

足元も雪対策が必須となる。

 

冗談でも何でもなく、非常食を用意しておくのも良い。

 

ディズニーランドなどと同じで、

最初から「待つ」と思って準備しておけば

それほど苦にならないものだと思う。

 

待ち時間が少なければ「ラッキー」と思えばいい。

 

この記事を読んでいただいて、

混んでることを前提に

余裕のあるスケジュールを組んでいただけると幸いだ。

 

おまけ

4月末からはツアーバスを使うという手もあります(笑)

 

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それにしても、

やはり北陸新幹線が開通した時にアルペンルート

黒部トロッコがやっていないのは富山県にとって辛いな、、、

考えても考えてもJRによる富山いじめとしか思えない(笑)