北陸徘徊人

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あいの風とは何ぞや 〜新湊大橋・あいの風プロムナードを渡る〜

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 富山を訪れてどうしても行きたかった場所のひとつに

「あいの風プロムナード」がある。

 

山新港には平成24年に「新湊大橋」という

日本海側最大の美しい斜張橋が開通したのだが、

平成25年に自転車歩行者道の供用が開始された。

その名称が「あいの風プロムナード」とのこと。

 

鉄道会社名といいこの施設名といい、

富山は「あいの風」なんて言葉が好きだなあ、と思う。

 

富山の言葉かと思ったが、

石川県の和倉温泉には

「あえの風」なんていう旅館もある。

果たしてどんな意味があるのか調べてみた。

 

 「あいの風」とは、春から夏にかけて吹く北東のさわやかな風で、古く万葉集の時代から豊作、豊漁等「幸せを運ぶ風」として県民に親しまれています。  

この「あいの風」のように県内を東西に横断し、県民に豊かさ、幸せを運び届けることができる鉄道、また、利用者との「出会い」を大切にし、県民に「愛」される鉄道を目指したいという姿勢を表すものです。

(あいの風とやま鉄道株式会社HP・社名の由来より)

 

あいの風、という言葉が北陸地方にある。いささかロマンチックに響くけれど、実際には、初夏から盛夏にかけて吹く東風、を意味しているらしい。ところによっては、あえの風と呼んだり、あゆの風といったりする。日本海に面した地域では広く使われているそうだ。

奈良時代越中、つまり今の富山県国司として赴任した大伴家持が、この言葉を取りこんだ歌を万葉集に残している。「あゆの風 いたく吹くらし」。ひらがなやカタカナがなかった時代なので、まず漢字で「東風」と表し、万葉がなで注釈をつけた。この歌でもうかがえるように、海を荒らす風だ。優雅な風ではない。

▼同じように東風と書いても「こち」と読む場合には、ずいぶんと意味あいが違ってくる。平安時代菅原道真がよんだ有名な歌が、良い例だろう。「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花」。春の到来を告げる風、を意味している。歳時記では「あいの風」は夏の季語。これに対し「こち」の方は、春の季語となっている。

▼このところ日本列島のお天気が変だ。お盆を過ぎたのに前線が居座り、梅雨に戻ったような印象を受ける。地球温暖化のせい、と断言できるわけではないが、そうでない、とも言い切れない。「あいの風」や「こち」といった味わい深い言葉がまとう季節感も、いずれ失われるのではないか。杞憂(きゆう)であってほしい、と思う。

日本経済新聞社説・2014年8月19日付)

 

日経社説の「海を荒らす風だ。優雅な風ではない」の一文に思わず吹き出す。

  

さて、新湊大橋を公共交通機関で訪れるにはどうすればいいか。

 7.10.56.png ヤフー地図より

新湊大橋はかつての新湊市、現在の射水市にある。

もっとも簡単なのは高岡から万葉線に乗り、

終点の越ノ潟へ行く方法。

 

越ノ潟から渡し船で対岸の堀岡に渡り、

「あいの風プロムナード」で戻ってくる、

それが当初考えたルートだった。

 

「北陸おでかけパス」を所持していると、

万葉線の一日乗車券が割引になるのも魅力的だ。

(800円→500円)

 

ただ、万葉線が往復になってしまうのが

個人的には気に入らなかった(笑)

 

続けて考えたのが富山地鉄のバスで

新港東口へ向かう方法。

 

そしてもうひとつ。

この日は土曜日だったもので、

射水市コミュニティバス

ライトレールの岩瀬浜駅まで乗り入れてくる。

 

このバスに乗って新湊大橋を目指すことにした。

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岩瀬浜の駅前に新湊からのバスがやって来た。

下りてきたのは2人。

乗ったのは私1人。

 

このバスのおかげでライトレールと万葉線という

富山の鉄道2路線を回遊出来るにも関わらず、

PR不足なのかあまりにも寂しい限りだ。

 

なお、このバスそのものは

北陸新幹線開業に合わせて運行を開始した訳でもなく、

新湊大橋の開通に合わせて運行を開始した訳でもない。

もう何年も前から週末限定で運行されてきた。

 

雑誌「とれいん」のブログで以下のような記事がある。

2010年3月に書かれた

この記事を読んでも「乗客は1人だった」とある。

 

 今も運行されているのは

「奇跡」であるのかもしれない。

  

車内には料金箱はおろか降車ボタンすらない。

運転手が聞いてくる訳でもない。

ついでに言えば表に行き先表示すらない(笑)

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黙ってると橋を渡って海王丸パークまで行かれても困る。

私は運転手に「新港東口まで行きたい」と言った。

「はいはい」と運転手は言った。

 

バスは富山ライトレール沿いの県道を「南下」する。

千原崎交差点で右折して国道415号線を西に向かう。

この交差点、左折をするとすぐにライトレールの踏切がある。

 

ライトレールが開業すると、

運行本数が3倍にもなったのでクルマの大渋滞が発生したところだ。

今は信号機などとの連動でだいぶ解消された「らしい」。

 

さらにライトレール直後、

路面区間ではクルマとの接触事故が多発していた。

路面電車に慣れているはずの富山で何で?と思ったが、

その理由は「電車が静か過ぎて気づかない」というものだった(笑)

 

素晴らしい乗り物が出来ても

つくづく「クルマ」には歓迎されないなー、

なんて思った記憶がある。

 

国道415号線に入ったところで、

フィーダーバスに追いついた。

フィーダーバスは富山ライトレールが運行しているもので

蓮町から四方方面、岩瀬浜から水橋方面へアクセスできる。 

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 四方の先で今度は地鉄バスの新港東口行きに追いついた。

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さて、このバス、いたって静かである。

「次は◯◯です」なんていう車内放送がないのだ。

乗客が私ひとりで行き先も告げているから

単に放送を流していないだけなのか。

 

射水市コミュニティバスの時刻表を確認すると、

岩瀬浜から海王丸パーク方面の欄にこんな注意書きがある。

 

「このバスは射水市内のバス停では下車のみ可能です」

 

逆方面にはこうある。

「このバスは乗車されますと、ライトレール岩瀬浜駅まで下車することはできませんのでご注意ください」

乗ったら最後だぜ、なんて言われているような恐ろしい響きだ。

 

あくまで射水市岩瀬浜駅を結ぶことだけが目的で、

市内だけの利用は想定していないのだ。

何だかもったいないなと感じてしまう私は

単に貧乏症なのであろう。

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岩瀬浜からの所要時間約25分で新港東口に到着。

 

ここでも特に案内があったわけでもなく、

単にバスが停車して扉が開いただけだ。

 

私はこの場所を知っているからいいが、

知らない人間なら不安になるだろう。

 

運転手に500円支払ってバスを下りる。

バスは早々に走り去っていった。

 

何ともやる気も存在意義も感じないバスだな、

なんてしみじみ思う。 

www.city.imizu.toyama.jp

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橋の開通、さらに「あいの風プロムナード」の供用開始で

廃止されたと思い込んでいた

渡し船が現役だったのが予想外だった。

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さて、あいの風プロムナードである。

利用時間は6時から20時で時間外は閉鎖されるとのこと。

定員39人の巨大エレベーターで高さ40メートルまで上がる。

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車道直下に設けられた歩道の長さは480メートル。

自転車も「押して」通行可能。通行は無料。

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もっとスリリングなものを期待していたが、

両側はガラスで覆われ、さらにフェンスまである。

そんな訳で視界も悪い。

 

あくまで「安全第一」の歩道なのだ。

当然といえば当然なのだが、

どうにもこうにも物足りない。 

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ガラス拭きをしていた作業員の方。

メンテナンスも大変そうだ。

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対岸に渡り、エレベーターを待つ。

するとエレベーターの中から見覚えのある顔が出てきた。

「あれ?」と思う。

先ほど乗ってきたバスの運転手だ。

海王丸パークからやって来たのか?

 

エレベーターで下ると、

目の前の駐車場に先ほど乗ってきたバスが止まっている。

私はてっきり海王丸パークが終点と思い込んでいたが、

新湊大橋西桟橋口なんていうバス停があるのだ。

 

それならここまで乗ってあいの風プロムナードを渡り、

渡し船で戻ってくることも出来たということではないか。

 

「あいの風プロムナード」からの眺望がイマイチであったため、

私は車道から海を眺めたいと思った。

しかしこのバスに乗ると

強制的に岩瀬浜の駅まで連れて行かれてしまう。

 

どうにもこうにも都合が悪いバスである。

 

私はおとなしく万葉線で高岡に向かうことにした。

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運賃・時刻などすべて平成27年4月現在のものです。

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