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北陸徘徊人

福井・石川・富山を中心にゆるーい旅を満喫中

神頼みをする男 〜露天風呂日本海、鯖浦線、賀茂神社〜

その朝、お恥ずかしい話をすれば

私は明らかに「二日酔い」の状態であった。

 

こんな時は「迎え酒に限る」と冷蔵庫を覗いたが、

缶ビールはおろかチュウハイの一本も入っておらぬ。

 

洗面所で顔を洗い、

改めて鏡を見れば髪はボサボサ、

無精髭、さらに顔色も悪い

冴えない中年男の顔がそこにいた。

 

外を見れば何処までも澄んだ青空が広がっていた。

11月とは思えぬほど暖かい。

こんな日に家で迎え酒などをすれば、

「廃人」という言葉がぴったりあてはまるような気もした。

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私は一計を案じ、友人に連絡をとった。

「風呂へ連れて行ってくれ」

私が言うと友人は

「今からパチンコ屋に出勤だ」

などと言う。

 

「昼飯もおごるし」

と、付け加えたら

「よっしゃ、行くか」

と、なった。

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せっかく風呂に行くなら温泉に、

となって

着いた先は越前町の「日本海」だ。

 

近くには「漁火」という超人気温泉があり、

週末など恐ろしく賑わっているが、

「日本海」は何故か空いていて穴場的存在だ。

 

内湯もガラス張りとなっており、

目の前には日本海が広がっている。

無論露天風呂の開放感は最高である。

この日も先客は10人に満たず、快適だ。

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画像は▷http://www.echizen-kk.jp/nihonkai.htmlより引用

 

露天風呂から穏やかな日本海を眺めていると

ついつい昔の「漁火」を思い出す。

 

今の「漁火」は道の駅も併設した

アクティブハウス越前という施設にあるのだが

昔の「漁火」は現在地からは少し離れた場所で、

駐車場も狭い、小さな建物だった。

 

そんなものでわざわざ行っても駐車場が一杯で、

結局「他に行くか」なんてことが度々あった。

 

運良く入浴できれば、

小さな内湯の先に露天風呂があった。

記憶が確かならまさに「波打ち際」の

野趣あふれるものだった。

 

今の漁火はすっかりキレイになったが、

風呂が2階になってしまったので

「波打ち際」といった感じがなくなってしまったのが

ちょいと残念なところである。

 

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画像は▷http://www.echizen-kk.jp/isaribi.htmlより引用

 

これに対して「日本海」の風呂は1階にあるもので

視点的には昔の「漁火」に近いものがある

 

ただ、海までほんの数メートルほど離れているのが

何とも惜しい。

「波打ち際」だと色々まずいこともあるのだろうか?

 

それでも海を眺めながらの湯はやはりいい。

すっかり酒も抜けてビールを欲したが、

流石に運転させといて隣でビールもまずいであろうと

大人しくミネラルウォーターをぐびり。

 

11月も終わりに近いというのに、

気温は20度近い。

そんなもので車の窓を開ければ

「カニ」の香りが車内に流れ込んできた。

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車の中で「カニ」の香りってのも

何とも不思議な感じがする。

本来「カニ」など寒い時期に食べる印象がある。

無論そんな時期に窓など開けない。

 

「昼飯はカニでも御馳走してくれるのか」

友人は言った。

「残念ながら財布に諭吉様がいらっしゃらない」

私は言った。

 

昼食は旧織田町にある「じんべえ」さんにお邪魔した。

ワンパターンと言えばワンパターンなのだが、

私が福井で最も気に入っている店のひとつだ。

最大の魅力は735円のバイキング。

 

(↓写真は昨年の平日に撮影・休日は行列です)

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刺し身やステーキなんかは当然ないが、

おばちゃんたちが手作りした「お惣菜」の数々が

たんまり並ぶ。

煮物、あえもの、炒めもの、みんなホッとする味だ。

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駅前通り、の文字に惹かれて

少しだけ通りを歩く。

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↓織田バスターミナル

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織田のバスターミナルがある場所に

かつて福井鉄道鯖浦(せいほう)線の織田駅があった。

 

昭和57年に刊行された「ふくい鉄道史」に次のような記述がある。

鯖江町から四箇浦村(現越前町)までを結ぼうという鯖浦電気鉄道会社が福島文右衛門社長を中心に大正十二年六月に設立され、大正十五年十月一日には。まず東鯖江ー佐々生間九・九キロを開通させた。昭和三年十一月八日にはさらに九・四キロ線路は延びて織田村(織田町)まで達するとともに、翌四年四月一日には東鯖江から北陸本線鯖江駅乗り入れも実現した。丘陵地から雄大な築堤のカーブで鯖江駅へ達した。しかし当初の目的だった越前海岸への進出は陽の目を見なかったが、社名はそのまま残った。

四箇浦という地名を地図で探したが見つからず、

山を超えてきた国道365号線が海に行き着く梅浦という集落に

「四箇浦郵便局」が存在した。

 

はて、

ここまでどういった経路で線路を敷く計画だったンだろう、

と思った。

 

というのも越前海岸にはほぼ平野が見られず、

急峻な山々が海まで迫ってきている。

そのため、内陸部から海岸に出る道路は一気に高度をさげるため、

いずれもぐねぐねと曲がる複雑な形状を描いている。

 

それが鉄道であるなら巨大なループ橋やら

スイッチバックの連続しか考えられず、

実現していればかなり楽しい光景が見れたであろうと

残念な気持ちにもなる。

 

その後鯖浦電鉄は福井鉄道と合併し、鯖浦線となる。

内陸部と海岸線を結ぶのに、

鯖浦線で織田まで、その先はバスというのは

わりと定着した形であったようだ。

 

織田までの運転を続けていた鯖浦線は、北陸本線の電化完成に伴い、電圧の差などから鯖江駅への乗り入れが不可能となり水落ー鯖江間二・四キロを廃線にした。さらに昭和四十七年十月十一日をもって西田中ー織田間十一・八キロも廃線。翌年九月二十九日には残る水落ー西田中間五・三キロのレールもまくられてしまい、半世紀たらずでその生涯を終えてしまった。(ふくい鉄道史より)

 

わずか半世紀というのが何とも物悲しい。

 

福井公共交通の歴史なる本を開いてみれば、

大勢の旅客で賑わう昭和38年の西田中駅の写真が掲載されていた。

昭和40年頃までは乗客も増加していたようであるが、

その後は減少傾向に。

昭和43年に西田中〜織田間のバス化が提案されたとある。

 

廃止されたのが月の終わりとかでなく、

妙に中途半端な日付であるのも気になる。

よほどバス転換を急ぐ事情でもあったのか。

鯖浦線が何だか気の毒に思えてくる。

 

どんなにカネをかけ、

便利な鉄道が敷かれたとしても、

地元の人間が守らなければなくなってしまう。

 

余計なことは書かぬが、

今作ってる鉄道だって一緒だと思う。

不便だと感じた瞬間から、

誰も乗らなくなる。

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剣神社を参拝。 

今現在が暖かすぎて何となくピンとこないが、

いつしか紅葉は終わってたンだなと思った。

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今年も残す所あと僅か。

ちょっとここんところ躓いたり、

悩んだりしてたこともあったけど、

合掌しているうちにスッキリしてきたような気もする。

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帰り道、看板に惹かれて「賀茂神社」に寄ることにした。

以前からこの看板の存在は知っていたし、

何となく気になる存在ではあったが、

自分がハンドルを握っていると何故か足が向かない。

 

何故か分からぬが、

この時は「寄っていきなさい」

そんな声が何処からともなく聞こえてきた、

いや、あくまでそんな気がした。

 

「なあ、ちょっと寄ってくれ」

と友人に頼んでみれば

「そんな神頼みばっかしてどうする」

といいつつウィンカーを上げてくれた。

 

その鳥居を見た瞬間、

思わずふたりで「おお」とうなってしまった。

高さ9メートル、幅10.5メートル、柱の周囲は2.3メートルもあるという。

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わりと普段から行き来していた道路から、

ほんのすこし入ったところにこんな立派な鳥居があったとは。

参道は寸分の歪みもなく、

拝殿へとまっすぐに伸びている。

 

その参道両脇には干支の守護社が建ち並んでいた。

 

祭神は別雷神、大國主神、玉依姫命神武天皇等多数、とのこと。

 

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この神社がユニーク(と言っていいのか知らぬが)なのは、

お守お札が300種もあることか。

社務所を覗けば一覧表をいただけたが、

あまりに多く種類がありすぎて結局何も買わずであった。

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www.kamojinja.jp

 

参拝をおえて帰路につく。

「ところでいっつも何をお願いしてんの」

友人は言った。

「無事に生きてることに感謝してるだけだ」

私は言ったが実は嘘だ。

 

本当は

「毎日おいしいお酒がのめますように」

とお祈りしている(笑)

 

これは間違いなく効果のあるお願いだ。

おいしいお酒が飲めるってことは元気な証だし。

現に毎日おいしく飲んでるし。

 

そんなもので家に着く手前で焼酎を買った。

「今朝は二日酔いだったよな」

友人は呆れたような顔をしていた。

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