勝山の街なかで食事を終えた僕は、
大きなミスをしていたことに気づいた。
来る時は街なかをウロウロしていたもので、
駅は橋を渡った先、
せいぜい10分もかからぬだろうと考えていたのだが、
何のこっちゃない、
その橋が予想外に遠い。
勝山駅から福井方面に向かう電車は
日中に関しては20分発と49分発と毎時2本。
僕が勘定をすませて「のむら屋」さんを出たのが12時05分。
楽勝で20分発に乗れると思っていたのだが、
何せ橋が遠い。
ま、別に20分発の電車に無理して乗る必要はなかった。
えち鉄カフェでも寄ってたまにはコーヒーでも飲んで
次の電車に乗ればいい。
福井に帰ったところで予定なんて極楽湯で風呂入って
ビール飲むだけである。
だが、早足で歩いていると、
何ともビミョーな時間に駅前に達してしまった。
踏切がカンカンなっている。
勝山駅では
福井方面からの電車が到着するのを待って、
福井行きの電車が出発する。
この時は福井方面からの電車が到着したところ。
無理して乗る必要はない、
そう分かっていたのに、
結局ダッシュして20分発の電車に乗った。
あとは越前開発の駅で降りれば、
風呂とビールが待っている、はずだった。
そうもいかなくなったのは、
発坂駅をすぎたあたりか。
突如として、でもないのだが、
尿意が襲ってきた訳である。
うーむ、開発までもつだろうか、
なんて考えた瞬間に、
どんどん尿意が増していく。
結局、耐えられなくなって越前竹原駅で降りた。
こおは上り下りの電車が行き違いをするようで、
用を足している間に福井行、勝山行き、
双方の電車が出発していった。
駅前に出てみたが、
恐ろしく何もない。
コンビニはおろか、
ビールの自販機もない。
寒いしぶらぶら歩いていたら、
「弁財天白龍王大権現」なる看板を見つけた。
何となくご利益がありそうな気がして向かってみる。
バイパスの高架をくぐった先に
「弁財天白龍王大権現」はあった。
ふくいドットコムによると、
商売繁盛の神様として有名です。養老元年泰澄大師の開基された天台宗の末寺辰の坊、福千坊の寺院や白山神社等があって栄えました。天正2年一向一揆の兵火 により平泉寺と共に焼失しましたが、大阪在住の材木商朝井末松氏に夢のお告げがあり発願再興しました。県内はもとより県外からもたくさんの参拝客が訪れま す。運が良いと岩の割れ目から御神体の白蛇を見ることができます。
とのこと。
信じるものは救われる。
合掌。
再び電車に乗る。
慌てて帰る必要もないしと思い、
松岡駅で降りてみた。
女性の駅員さんの愛想がいい。
松岡駅に限らずだけど、
えちぜん鉄道の駅員さんは総じて愛想がいい。
都市部では自動改札、
田舎は無人駅が常識となりつつある昨今、
駅員さんやアテンダントさんがいるえち鉄の光景は、
鉄道本来の正しい姿だと思う。
別に何の前知識があったわけでもないし、
適当にぶらつく。
いい雰囲気の神社があって、
酒蔵があって、
銭湯があって、
この銭湯があいてたら入浴したのだけど、
残念ながら開湯前であった。
うむ、今日は銭湯に行くべかな。
観音町駅から再び電車に乗って、
さて何処の銭湯に行くかと考えていたら、
田原町にあったはずだと想い出す。
そんなもので福井口まで行って三国港駅行きの電車に乗ったのだが、
ここで再び気になることが。
前回書いた福井鉄道の乗り入れ工事である。
文句ばっかり書いてる割に、
多分誰より楽しみにしているのはいつものこと(笑)
せっかくなんで福井鉄道の電車が乗り入れる鷲塚針原駅まで行くことにした。
恐らく、福井県外の方が鉄道ニュースなんかで
福井鉄道が鷲塚針原まで乗り入れる、なんて話を聴けば
そこにはそこそこの街が広がっているイメージがあるかもしれない。
でも、福井の方々だと違和感があると思う。
ほとんどの方が鷲塚針原に行ったことがあるはずなのだ。
だから、そこがどんな場所なのかもご存知であると思われる。
ここには福井の免許センターがあるのだ。
福井でいえば鷲塚針原になる。
(そーいや富山も針原だな)
もっとも、
このセンターが駅から近ければそこそこの利用も見込めるだろうけど、
残念ながら駅からは遠い。
さて、鷲塚針原駅であるがホーム増設工事中であった。
福井方面に戻りながら確認してみたら、
次の中角は工事の形跡すらなく、
新田塚は工事に着手したといったところか。
完全に乗り入れ工事が終わっていたのは八ツ島駅。
電車をおりて様子を見てみた。
本来のホームに延長する形で低床車用のホームが設けられている。
次の日華化学前駅も同様の造りとなっていた。
何ともモダンな造りでFUKURAMが乗り入れてくる光景が
リアルに思い描くことができて楽しくなった。
だが福大前西福井駅は全く工事の気配がない。
はて、あと2ヶ月でどんな変貌をとげるのだろう。
ここから一駅だけ電車に乗って、
田原町で降りたのは僕と女子高生の2人だけだった。
駅員さんが「福鉄乗り換えますか?」と聞いてきたので、
「いいえ」と言えば出発を待っていた福鉄電車に向かって
大きく「OK」のポーズをとった。
ほどなくして福鉄電車が出発していく。
やっぱり、ちゃんと駅員さんがいるのはいい(笑)
さて、田原町駅から徒歩数分の銭湯、「桃の湯」さんへ。
http://1010fukui.jp/se-momonoyu.html
脱衣場には常連さんのものであろう、
いわゆる「おふろセット」がずらりと置いてあった。
何か会社の寮みたいだな、と思った。
浴室は決して広くはないが、
天井は高く、かつ明るい。
壁画は富士山ではなく女性が描かれている。
仁愛大学の学生さんが書いたものであるらしい。
そして、銭湯の湯はどこも恐ろしく熱いが(笑)
「桃の湯」さんはぬるすぎず熱すぎず、
僕にとっては「適温」であった。
歩きまくって疲れた身体に染み入る湯である。
あったまって銭湯を出れば、
駅がすぐそこなのも嬉しい。
さ、あとはビールさえ飲めればそれでいい。
僕は福井行きの電車に乗り込んだ。