北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

あいの風とやま鉄道・高岡駅 〜ファミリーレストラン堀井の唐揚げ定食〜

先週の水曜日だったか、

相方が「土曜日は出かけてくるし」なんて言うもんで、

なら自分もどっか行くかと思って「北陸おでかけパス」を買うことに。

 

この北陸おでかけパス、

残念ながら発売が利用日の3日前に限られることや、

購入時点で日付指定もしなきゃいけないもんで、

僕みたいに天気や気分で出かける人間には

まったくもって不向きなきっぷである。

 

そんなものでなかなか利用する機会に恵まれないのだが、

せっかくなので一応買っておいた。

 

気がかりだったのは天気。

週間予報を見ていると週末の予報はずっと悪いままだった。

別に雨や雪が降るなら電車にだけ乗っていればいいのだが、

最近のJRは雪や風で本当によく止まる。

 

安全上仕方ないのかもしれないが、

何だかなー、という思いはある。

 

 

 

そんなこんなで迎えた土曜日の朝。

福井は曇り空であったが幸いにも雨は降っていない。

さて、何処へ行くべかと駅で路線図を眺めつつぼんやり考え、

金沢方面、のホームへ上がった。

 

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7時45分、金沢行きの特急ダイナスター5号が出発。

後を追うようにして7時48分、

金沢行きの普通電車は出発した。

 

金沢であいの風とやま鉄道の泊行き普通電車に乗り継いで、

高岡駅に着いたのは定刻の10時04分だった。

富山まで行かなかったのは帰る気力を失いそうだったからだ(笑)

 

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改札を出たところで、

偶然にも懐かしい顔をお見かけした。

山小屋時代の常連さん、

僕に酒の味を教えてくれた人物とも言える。

何となく目があって、お互いに「おお!」となった。

 

この時もまさに「山」から帰ってきたばかりとのこと。

70過ぎてる筈なのに元気そうで何よりだ。

「また山で飲まんまいか」としばし立ち話をして別れた。

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駅前から末広町方面に向かう。

お婆ちゃんが開店前の店の扉を強引に開けようとしている。

そして僕の顔を見て、困ったように

「なあ、兄ちゃん、この店何時に開くが」と言う。

 

特に営業時間は書いておらず、

「お昼には開くんじゃないですか」

と言ってみたのだが、

「今何時なが」と問われ、

「10時過ぎです」と答えたら

「そっかあ、ほら、ここにコーヒー200円って書いてある。飲みたかった」

と言い残して裏路地に消えていった。

 

駅から一直線に伸びる通りは、

ちょうどこの時走ってきた万葉線の車両が

加越能時代からの古い電車だったこともあるけれど、

20年前、高岡に住んでいたころとほとんど変わらぬ光景に思えた。

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よく「昔は賑わっていた」なんて話をどこの街でも耳にするが、

高岡のこの通りに関しては20年前も賑わっていた記憶がない。

ちょうど駅南にサティができた頃だったから、

それ以前は賑わっていたのかもしれないけれど。

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片原町で商店街の屋根は途切れるが

そのまま直進。

川を渡った先に、

ようやく人で賑わっている一画があった。

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格子造りの家並みで知られる「金屋町」だ。

富山観光ナビには以下のように記されている。

高岡でも最も古い町で、1609年、加賀藩前田利長が開町まもない城下町高岡の繁栄策として、鋳物造りを奨励したことから、高岡鋳物発祥の地である金屋町は大いに栄えました。今も格子造りの家々が軒を並べ、この昔懐かしい雰囲気の風情あるまち並みは、映画やテレビの舞台としても登場しています。およそ 500mにわたって続く石畳の道と格子造りの古い家並みが見事に調和し、一帯は明治・大正時代を彷彿させ、今でも美しいたたずまいを見せています。 2012年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

金屋町(格子造りの家並み)|観光スポット|とやま観光ナビ

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多くの人で賑わっている、

なんて思ったのはつかの間だった。

たまたま1台観光バスが来ていただけなのだ。

そんなもので団体さんが姿を消すと、

あっというまに静寂が訪れた。

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金屋町で進路をかえ、静かな住宅街をてくてく歩く。

空はいつ泣き出してもおかしくない、

ようなどんよりした雲が覆っていて、

時折冷たいものもポツポツ落ちてくるが傘をさす程ではない。

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さて、ぼちぼち腹が減ってきた。

いつもなら適当にそのあたりの店に入るのだが、

今回はあえて内免町にある「堀井」という店を目指している。

富山にいた頃、色んなブロガーさんの食べ歩きを拝見して出歩いていたけれど、

結局行く機会に恵まれなかったお店である。

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住宅街の中にポツリとあったが

特に迷うこともなく到着。

外観からして好きな感じ(笑)

店内はカウンターが6席に小上がりが2つの小さな店。

 

11時を過ぎたところで先客は1人。

メニューを眺めればうどんからオムライスから何でもあるし、

牛ホルモン定食なんていうのにも心惹かれたが、

名物であるらしい「唐揚げ定食」900円を注文。

 

カウンターの中にはご主人と女性が2人。

先客1人の割に随分忙しそうなのは出前の注文をこなしているようで、

ストーブの上に「おかもち」が積んであった。

 

隣の先客にオムライスが運ばれてきた。

昔ながらの正統派。

主人は鶏肉に下味と衣をつけてフライヤーに投入。

その間も休む暇なく隣のコンロでフライパンを振り続け、

焼きそばやら野菜炒めやらが仕上がっていく。

どれもこれも美味そうでよだれが出そうになる。

 

ほどなくして唐揚げ定食が登場。

笑えるくらいに一つ一つが巨大、

かつてんこ盛りである。

さらにご飯も山盛り、そえられたタクアンもまた分厚い。

一瞬たじろいたが実食。

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外はカリッと、そして味は強烈なほどにニンニクが効いている。

ニンニク好きにはたまらない、

パワーに満ち溢れた唐揚げだ。

張り紙によるとニンニク抜きも出来るそうな。

ちなみに唐揚げの下にはポテサラまで鎮座していた。

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食している間にも次々にお客さんは現れるし、

それでも出前の品は次々出来上がっていくし、

主人の動きを眺めているだけで楽しめる店である。

 

目立たぬ場所にあるのにこれだけ流行っているのは

主人がちゃんと手作りしている様子が見えることの

「安心感」ではないかと思った。

 

肉を切って野菜を刻んでフライパンで炒めて、

肉に下味をつけて衣をつけて、

そんな当たり前のことを当たり前にやっている。

 

カウンターの客からは全てが丸見えであるから、

そこには一切のごまかしもきかない。

僕も毎日飯を作っているが、

相方にも見せたくない部分は少なからずあるものだ(笑)

 

流行ってる店なんてあたりまえのことをやってるだけなんだよなー、

と、改めて感じたりもした。

 

また、色んな料理を作っている様子を眺めれば、

次はあれを食べてみよう、なんて考えにもなる。

そりゃ流行る訳だ(笑)

 

tabelog.com

 

しっかしまあ、40すぎのオッサンにはやはり量が多すぎた。

20代、いや、30代前半までならペロリといけたと思う。

若くはないと自覚はしているが、

何だかせつなくなったりもした。

ごちそうさまでした。

さ、雨が降る前に駅へ向かおう。

 

勘定をすませて

外へ出ると冷たい雨がフツーに降っていた。

そして近くにあるバス停から

ちょうどバスが出発していった。

「・・・」