我が家から福井駅までバスに乗ると、
所要時間は10分ちょいで、
運賃は200円である。
都市部と比較しても案外良心的な価格であるように思う。
そして、
以前にもちょいと書いたのだが、
500円で一日乗り放題になるフリーパスが、
土日平日問わずに発売されている。
▷http://bus.keifuku.co.jp/rosen/ticket/
ただ、あまり知られていないのか、
あまりこのフリーパスを利用している方を見たことがない。
バス車内でも買えるのだが、
「あ、そんな券もあったな」
運転士さんにそんな表情をされることがたびたびある。
それは今日も同じだった(笑)
先日、兎越山に行った時に感じたのだけど、
ではこの500円の一日券でどんなところに行けるのか、
今まで乗車したことのない路線に乗ってみることにした。
まずは71系統の運動公園線。
このバスで行ける230円の最遠はベル前。
やはり230円で行くことができ、
さらに急行停車駅でもある。
他の地区に在住の方なら「ベル前」って何やねん、
そんな駅名であったり、バス停であったりするかもしれないが、
ベルとは何かと言えばショッピングセンターだ。
気取った店がないもんで、
僕みたいな一般庶民には居心地のいいショッピングセンターである(笑)
今回はバスに乗ることが目的なので、
すぐに引き返す。
福井駅からベルがある花堂なる地域は
平日だとバスは日中20分間隔で走っているし、
さらに福鉄福武線もあるし、JRもあるし、
ベルのような大型ショッピングセンターもあるし、
赤十字病院も近いなど、福井市の中ではかなり便利な地域だと思う。
以前に書いた「たこやきうえたに」さんや「初音支店」さんもこのエリアですな。
このまま福井駅まで戻っても良かったが、
乗り継ぎに便利なのは以前「福井駅前」であった
「駅前大通り」の停留所であるような気がしたもので下車。
バスの車内はそこそこ賑わっていたが、
1人を残してみんなここで下車したのには驚いた。
以前、福井駅前のバスのりばは、
それこそ駅前から大名町の交差点にかけて
ズラーっとまっすぐ乗り場が伸びていたけれど、
今は京福バスの案内所前に集約されて、
かなりわかりやすくなった。
で、次に来たのが「アピタ・エルパ」行きの
大和田エコラインであったので乗車。
このバスで行ける230円区間は「藤島園前」
このバスがユニークな点は、
遠くへ行った方が運賃が安くなる、
といったことか。
大前提は「アピタ・エルパ」という
福井県最大のショッピングセンターを利用すること、であるが、
福井駅からアピタ・エルパまでの所定運賃は360円なのに対し、
「エルパカード」の提示、
または「アピタ・エルパ利用券」の提示で200円に割り引かれる。
で、この「アピタ・エルパ利用券」はバスの運賃箱の脇にある。
何と100円になるそうな。
要するに福井駅に出るより安い訳で、
駅前に人が行かなくなるのも分かるような気がする。
(あくまで平成28年6月1日現在の話です)
そんな200円で行ける「アピタ・エルパ」の手前にある
藤島園前で下車。
では藤島園とは何かといえば「ケアハウス」だった。
ここに来る道中に「天じゅ」の看板が見えたので、
早めの昼食にすることにして来た道を戻る。
この周辺は観光という視点においては
特に見るべきものを思いつかないけれど、
「食」に関してはかなり充実した地域であり、
色んなお店が道路脇に並んでいる。
そんな中でも代表格は「レストランふくしん」さんか。
県外の方だと福井=ソースカツ丼=ヨーロッパ軒の印象があるかもしれないが、
ここ「ふくしん」さんも地元の方々には絶大なる人気を誇る。
この「レストランふくしん」さんの
目と鼻の先といっていい場所にあるのが「天じゅ」さん。
僕は「控えないとなー」と考える年齢であるけど、
やはり揚げ物大好きな人間であることには変わりなく、
鳥の空揚げも大好物なんだけど、
天ぷらも大好物であったりする。
そんなもので昨年は九州の博多まで行って天ぷらを食べた(笑)
で、こちらの「天じゅ」さん、
福井市内においてはかなりリーズナブルに天ぷらを食べさせてくれるお店である。
天丼なんて500円台からあるが、
今回は天じゅ定食820円ごはん少なめ(−50円)を注文。
目の前で職人さんが揚げている様子がみえるのも嬉しい。
これまでに書いてきた自分の記事を読み返しても、
多分僕は「調理の過程がみえる店」が好きなんだと思う。
僕は20代の大半を「調理」の世界で飯を食べてきましたけど、
どうしてもお客さんに見せたくない部分はある訳です。
けど、カウンターやオープンキッチンのお店って、
全部さらしだしてる訳で、
一切のごまかしや妥協も許されない。
「美味しい」って感じる要素って、
「調理の過程が見える」っていうことなんだよなー、
と、感じさせてくれるのが「天じゅ」さん。
いつも「アピタ・エルパ」の帰りに寄ってるばかりで、
今まで記事にあげてませんでしたけど、
福井に来て良かったなーと思えるお店のひとつ。
今日もごちそうさまでした。
再びバスに乗って駅前へ。
続けて乗ったのが62系統一乗谷東郷線。
京福のほとんどの路線は駅を出ると駅前大通りに出るけれど、
この路線はいきなり右折したことに面食らう。
で、JRの高架下をくぐって福井駅東口へ。
予想外の経路をたどるのが何とも楽しい。
御幸の交差点を右折して、足羽川を渡る。
この路線の230円区間は下馬というバス停。
折り返しの時刻表を確認すれば随分時間が空いていたけど、
フレンドリーバスという無料のバスで駅前に行くことができる。
そんなもので周辺を徘徊しつつ、
県立図書館へ向かう。
こちらは福井市立美術館。
6月4日から篠山紀信の写真展開催とのこと。
僕の世代だと懐かしい作品が多そうだ。
続けて震災電車。
1948年の福井地震で被災したものの、
1997年まで現役で走っていたとのこと。
震災電車の前にあるのが「はちの子」なるパン屋さん。
福井の女性方に絶大なる人気を誇る。
若狭の友人の娘さんも、
部活動で福井市に来たら必ず寄るそうな。
田んぼの中を歩いて県立図書館へ。
福井に来てもっとも感激したのがあまりにも美しく、
かつ蔵書も充実しているこの県立図書館と言っていい。
スタッフさんも親切だし、
調べ物をする際にはいつもお世話になっている。
サイトにある「覚え違いタイトル集」も秀逸。
覚え違いタイトル集|図書館 - 福井県立図書館・文書館・文学館
(画像は秋に撮影したもの)
この日も2冊ばかり借りてフレンドリーバスに乗り込んだ。
このフレンドリーバス、
以前は複雑怪奇なルートを走っていたが、
3月末からすっきりしたルートになった。
15分で福井駅東口に到達。
続けて21系統の幾久・新田塚線に。
こちらは循環路線になっていて、運賃は200円均一。
新田塚のバス停で下車。
そんな話をきいたことがあり、
はて、どのあたりかとまわりを見渡せば、
バス停の目の前にそれらしきものがある。
燈明寺畷新田義貞戦没伝説地
「太平記」(巻20)によると、暦応元年(1338)、新田義貞は藤島城の救援に向かおうとして燈明寺畷付近で、足利方の黒丸城の斯波高経軍と遭遇し、乱戦の中戦死したという。明暦二年(1657)この付近の水田から偶然農夫がかぶとを掘り出し、当時の藩軍学者井原番右エ門が、これを新田義貞のものであると鑑定したことから、この地が義貞の戦没地とされるようになった。万治三年(1660)福井藩四代藩主松平光通(みつみち)は、「暦応元年閏七月二日 新田義貞戦死此所」と彫った石碑を建立、石玉垣をめぐらし、社殿様の覆舎を造った。このことから、この地は「新田塚」と呼ばれるようになった。
バス道に沿ってぶらぶら歩く。
某党の方が車を駐め、
「戦争法案反対、原発反対」と演説している。
僕はその前を通り過ぎる。
しばらくするとその車が脇を通りすぎて行き、
再び先方で演説を開始する。
僕はその前を通り過ぎる。
そして、「あれ?」と思った。
ここ、さっきエルパ行きのバスで通ったところだ。
さらに進めばえちぜん鉄道の「まつもと町屋駅」の近くまで出てしまった。
この周辺は以前にも歩いたことがある。
JRの線路をまたいで少し進めば極楽湯もある。
それなりの距離も歩いたし、
よし今日は極楽湯に入ろうと思った。
風呂入って駅までバスに乗り、
ハピリンのがブリチキンかオレボ食堂でビールでも飲もう。
そう考えただけで顔がにやけてくるのが分かった。
福井の極楽湯でありがたいのは
「内湯だけ」の入浴料金が設定されていることで、
これが430円と他の銭湯と同一料金である。
連れと来たら露天にも入ってゆっくりするけど、
ひとりなら内湯だけで十分だ。
そんな極楽湯で、
「お父さんセット」なるポスターを見かけてしまう。
「期間限定! 生ビール、揚げ物盛り合わせ、塩昆布キャベツがついて1030円!」
うーむ、何とも魅力的だ。
風呂入りながら、駅前まで出るか、
極楽湯でいいか、
そのことだけを考えていた。
しかし、お父さんセットの誘惑には勝てなかった。
食事処で「お父さんセット」を注文。
ほどなくして生ビールと塩昆布キャベツが運ばれてきた。
まず驚いたのがこの塩昆布キャベツの量である。
で、続けてやってきた揚げ物の盛り合わせも、
なかなかボリュームがある。
やられたな、僕は思った。
こんな量のおつまみが出てきたら、
生ビール一杯で足りる訳がないのだ。
仕方なく、僕はレモンサワーを追加注文した。