北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

電車に乗って福井の市場に朝飯を食べに行く

どうも最近体調がよろしくない。

その要因は果たして何か、

単に酒の飲み過ぎか、

などと色々考えてはみたけれど、

酒の減り具合を確認してもたいして飲んでいるとは思えない。

 

体調が悪くてもとりあえず腹は減る。

そんなもので電車に乗って朝飯を食べに行くことにした。

 

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朝の福井駅は多くの学生や社会人で賑わっていた。

えちぜん鉄道の窓口で越前新保駅までのきっぷを購入。

勝山行きの2両編成の電車には、

適度に席がうまる程度のお客さんが乗っていた。

 

ほどなく電車は出発。

電車に揺られているだけで、

何だか身もココロも解き放たれていくような、

そんな気がする。

 

 

 

電車は国道8号線をアンダークロスして、

越前新保の駅に着いた。

思ったより多くの学生達が降りる。

近くに農林高校があるそうな。

 

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そんな学生さんが向かう方角とは反対側へ向かう。

目指すは福井市中央卸売市場。

市場など一般人は当然立ち入れないのだけど、

福井の中央卸売市場は1年半ほど前だったか、

一部を「ふくい鮮いちば」として一般開放するようになった。

 

www.fukui-market.jp

8号線を車で走っているといつも看板は見かけていたし、

一度は寄ってみたいと思っていたのだが、

基本的に日曜と水曜日が定休日、

かつ営業時間も8時30分から14時30分とのことで、

なかなか行く機会に恵まれなかった。

 

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越前新保の駅から15分ほど歩けば、

8号線沿いにある福井市中央卸売市場の前には来た。

しかし、8号線側からは入れないようだ。

 

ろくすっぽ下調べもせず、

適当に歩いたもので、

結局広大な市場の外周をほぼ一周することに(涙)

 

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僕は中央市場東なんていう交差点から入ったのだが、

手前の新保の交差点から入ればすぐだったようだ。

警備員さんに尋ねつつ、無事に到着。

 

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足を踏み入れた瞬間に思わず、

「おお」と声が出そうになった。

手前に何軒か古びた食堂が並んでいる。

この様子を見ただけで、来てよかったと思った。

 

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一番手前にあった店の扉は開け放たれており、

中で多くの方々が食事をとっている姿が見えた。

こちらの「たにや」さんだと、

うどんは340円、ラーメンは470円など格安だ。

 

 

 

せっかくなのでぶらりと回る。

ふくい鮮いちばとして開放されているのは

本当にごくごく一部のようで、

残念ながら閉じてる店も多いのだが、

普段は入ることのない「市場」の空気をほんの少しだけ、

感じることができる。

 

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さて、朝飯はどの店にしようか。

 

観光客向けの小綺麗な店もあるけれど、

せっかくなので昔からやっていそうな「あらや」さんにお邪魔する。

店内にはおじさんが1人。

そのおじさんが立ち上がり、

「何にする?」といきなり尋ねてきた。

 

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パッとメニューに目をやれば、

うどんや中華そばなど500円程度で食せそうなメニューが並んでいたが、

そんな中でも気になったのが牛すじ丼(650円)と、

牛すじうどん(600円)である。

 

これがもしかしたら名物なのかな、

そんな気がしたもので「牛すじ丼」を注文した。

するとお茶をだしてくれたおじさんは、

何故か店の外へ。

「・・・?」

 

店内はレトロというか、

昭和というか、

間違いなくデートには不向き、としか言いようがない。

(後でカップルが入ってきたけど・笑)

 

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ほどなくしておじさんと一緒に奥さんらしき方がやってきた。

奥さんは大きな袋を掲げたまま厨房へ。

しばらくしたら作業着姿のおじさんがやって来た。

「母ちゃん、朝飯ちょうだい」

 

メニューには載っていないが、

「朝飯」なんてのもあるのかな?

 

奥さんが厨房に入ってからはたいして待つこともなく、

牛すじ丼が運ばれてきた。

丼一面を覆い尽くす牛すじと、

ネギの緑が美しい。

 

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おしんこと生卵もついてきた。

「卵かけて食べてな」

奥さんが言う。

続けて「味噌汁」

 

その時作業着姿の若者がやってきた。

奥さんは「そばでええか」と若者に言う。

「うん」と若者は応える。

 

とりあえず卵をかけずに「すじ」を頬張る。

甘辛く、しっかり煮こまれたスジは、

何とも柔らかい。

これに生卵を投入すれば、

ほお、何ともまろやかな味わいに。

 

これ、マジで冷酒飲みたくなるな(笑)

 

味噌汁をすすれば豆腐がたっぷり、

かつ「超」熱い。

 

僕は普段弁当持ちだし、

そんなたびたび外食をしてる訳ではないけれど、

ここまで外食で「熱い」味噌汁なんて初めて食したような気がする。

 

眠気がぶっ飛びそう、そこまで考えて、

あ、ここは市場か、そんな単純なことに気づく。

 

僕ら一般人がこのエリアに立ち入ることができるのは、

8時30分からなんだけど、

手前の店のホワイトボードには

営業時間が3時30分からになっていた。

 

自分も長らく朝が早い仕事をやってきたこともあるけど、

アサイチの寝ぼけた頭を覚ますのは、

コーヒーとかじゃなくて、

アツアツの味噌汁だよなーと思う。

 

そして、

こんなお店が福井の駅前にあればなーと思う。

福井の駅前で朝から「飯」を食べることができるのは、

正直言って「なか卯」くらいしか思いつかないのだよな。

たびたび世話になってるけど(笑)

 

作業着のおじさんのもとには

「朝飯」が運ばれてきた。

ちらっと見た感じでは、

厚焼きと御飯と味噌汁。

卵がでかくて美味そうである。

 

朝からボリュームたっぷりの牛すじ丼を堪能。

ごちそうさまでした。

 

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朝飯を終えてからエルパに向かう。

ちなみに、

この周辺が北陸新幹線の建設予定地になっていて、

道路も高架橋の建設を前提とした造りになっている。

 

エルパに到着。

ピンクのバス停にピンクのバスと随分派手である。

そういや高速バスもピンクの車両が走ってる。

福井はピンクが好きなのかな?(笑)

 

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まっすぐ乗っていけば福井駅まで200円で帰れるが、

もう少しテツ分を補給したかったもので田原町で下車した。

運賃は割引券の利用で100円。

但し、エルパから田原町までは100円だけど、

田原町からエルパは200円だそうな。(ややこしい・笑)

 

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せっかくだから福井鉄道の売上にも協力してあげたかったけど、

田原町〜福井はえちぜん鉄道の方が

長く乗れて得した気分になるのよな。

 

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福井行きの1両編成の電車は、

中途半端な時間であるにも関わらず、

ロングシートにびっちりお客さんが座っていた。

いつもながら非常に嬉しくなるような光景だ。

 

そして、この鉄道が存続してくれて本当によかったと思う。

 

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京福電鉄が2度目の衝突事故を起こして全面運休になった際、

代替バスの運行が始まったのだけれど、

特に朝の通勤・通学の時間帯においてはバスは定刻に走れず、

学生たちは遅刻が続出している、

そんな記事を福井新聞の縮刷版で見かけた。

 

三国方面の方はJR芦原温泉駅に出て福井へ向かったようであるが、

その駅に向かうバスにすら乗り切れない、

なんてこともあったらしい。

 

見方を変えれば、

事故で全面運休になったからこそ、

地元の方々は「鉄道」の必要性を痛感できたのかもしれない。

 

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福井の街は大空襲、その後の大震災、さらに大水害を乗り越えてきたもので、

よく「不死鳥」=フェニックスに例えられる。

それを思えばこのえちぜん鉄道なんかもまさに

フェニックスであるよな、と思う。

 

アテンダントさんはひとりひとりに「ありがとうございました」と

あいさつしながら車内をまわり、

電車は福井駅に到着した。

福井市内をぐるり一周した約2時間ちょいのぶらり旅も終了。

 

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電車を降りて気づいたのは

それまでの体調不良というか、

どんよりとした気分が嘘みたくスッキリしていたことである。

 

冷静に考えれば二週間ばかり電車に乗っていなかったのだ。

体調不良の要因は単に「テツ分」が不足していただけだったらしい。