北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

福井鉄道福武線食べ歩き 〜あめこの安倍川餅、寿司天狗のさしみ舟盛り定食、吉川なすバーガー〜

先日、秋吉で飲んでたら(好きなんです・笑)

相棒が「長いこと福井に住んでるが菊人形つうのに行ったことがない」

などと言う。

ま、実際そんなものだろう、とは思う。

僕は20年近く富山で暮らしたが、

チューリップフェアなんて行ったのはつい数年前である。

 

「いつまで福井にいるかも分からんし、ぜひ行ってみたい」

相棒は言った。

 

 

 

「菊人形」と言えばちょうど2年前に行ったことがある。

その時は決して菊人形が目的だった訳ではなく、

平日なのに「菊人形」とのセット券なら福井鉄道が乗り放題になった、

という理由の方が大きい。

 

その日は平日、かつ一人で行ったもので、

会場は閑散としていたし、

ひどく寂しい思いをした記憶がある。

そんなもので「菊人形」そのものに引かれた訳ではないのだが、

菊人形の会場の近くに以前から気になっている店があり、

そこにはお邪魔してみたいと思ってはいた。

 

だが、この時点で相棒は「車で行く」気マンマンであった。

僕はここしばらく「わたわた」しており、

すっかりテツ分不足で体調を崩し気味である。

せっかく行くなら福鉄電車で行きたい。

 

しかしながらこの相棒、

夏に紀伊半島に付き合ってもらったもので、

「もう10年くらいは電車に乗りたくない」

と、常日頃から言われていたりする。

 

「おぬしはたけふ菊人形の入場料金を知っているのか」

僕は問うた。

「500円くらいか?」

相棒は言った。

「1000円だ」

相棒は「へ?」てな顔になった。

 

「僕としては電車で行きたいのだな」

「電車?武生まで幾らすんだよ」

福井鉄道の電車で片道400円」

「往復800円に1000円か、結構いい値段だな」

「ところが福井鉄道には休日フリーきっぷ、つうのがあってだな、休日だと550円で乗り放題になる」

「ほお」

「さらに、菊人形の時期には割引きっぷがあってだな、入場料に電車の乗り放題がついて何と1100円になるのだ」

「それはお得ではないか!」

 

こんなやりとりがあって、結局電車で向かうことになった(笑)

 

ただ、この入場券付きのきっぷであるが、

チラシを確認すると、

わざわざ「ウェルカムセンターでは販売しておりません」との一文が添えられている。

要するに福井駅では買えないということだ。

 

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福井市内だと田原町駅赤十字前駅、浅水駅では購入できるのに、

福井駅で購入できないとは何たることか、

そんな暗澹たる気持ちにもなったりしたが、

チラシをよくみると販売箇所に「越前武生駅」とある。

要するに電車を降りてから購入すればいい、ということだ。

 

2年前はこんなことに気づかず赤十字前駅まで歩いたのよな(汗)

 

久しぶりに抜けるような青空を見たような、

そんな秋晴れの朝だった。

さらに恐ろしく寒い。

着々と冬の足音が聞こえてきそうな、そんな気がする。

 

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福井駅に着いたのは8時半頃だったか。

「このまま市役所前の駅まで行くぞ」と言ったら、

「何でだよ」と相棒は不満げな顔をした。

「この時間、駅前に電車が入って来ないんだよ」

「せっかくきれいになったのにもったいないな」

同感(笑)

 

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市役所前でやってきた車両を見て、

「新しいきれいな奴かと思っていたのに」

と、相方が言う。

「ま、そう言うな」

と、僕は言う。

 

市役所前から約50分ほどかけて越前武生駅に到着。

「武生ってこんなに遠かったっけ?」

相棒は言う。

「それを言ってはいけない

僕は言う。

 

駅員からセット券を購入。

ちなみにこの日は10月10日、

菊人形が開幕してから5日目であるが、

きっぷに記されたナンバーを見ると00016と00017であった。

 

常備券なんて各駅に割り振って、

ナンバー順に発券するものであろうから、

前武生駅においてはほとんど売れていないと思われた。

 

チラシに「無人駅からご乗車の場合は越前武生駅で販売します」

そんな一文があるだけで売れ行きも違ってくるように思うのは

僕だけなんだろうか。

 

菊人形の会場に向かう前に、

ちょっと腹ごしらえである。

 

僕は酒飲みではあるけれど、

甘いものにも目がない。

ただ、好きだったのはショートケーキやシュークリームといった、

いわゆる洋菓子ばかりで、

これまで自分で「和菓子を買う」という選択肢は皆無だった。

 

ところが福井に来てから、「お餅」の美味しさに目覚めた。

とにかく「やわらかい」

ああ、「お餅」とはこんなに美味いものだったのか、

40年以上生きてきて、ある意味衝撃的な現実だった。

 

無論、富山にも美味しいお餅屋さんなどたくさんあったのだろうが、

当時は目にも入っていなかっただけであろう。

今思えば残念である。

 

で、先日伺った鯖江の「のだや」さんの安倍川餅の印象が非常に良く、

またぜひ伺ってみたいと思っていたら、

武生にも評判のいい安倍川餅がある、そんな話しを聞いた。

前武生駅から徒歩数分、

「四季の餅あめこ」さんは住宅と商店が入り混じったエリアに、

ひっそりと店を構えていた。

 

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カウンターの奥に誰かがいる気配はある。

しかし、何度「こんにちは」と声をかけても誰も出てこない。

10回くらい声かけて、

それでも誰も出てこず、相棒が「こんにちわー」と声をかけたら、

「はいはいはい」と奥さんが出てきた。

僕の滑舌が悪いのだろうか(涙)

 

安倍川餅、8個入り540円也を注文。

店の前のベンチで包みを開けば、

黒蜜ときなこにまとわれた餅がでれんと姿を見せる。

あふれた黒蜜ときなこをさらにまとわせ、

そのまま口に放り込む。

 

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「んめーなー」

他に言葉が思いつかない。

 

奥さんが「ちょっと濃くなっちゃったけど」と緑茶を出してくれた。

至福のひととき、ごちそうさまでした。

 

 

 

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ぶらぶら歩いて菊人形の会場へ。

3連休の最終日、かつ快晴ということもあったのだろうけど、

会場は多くの家族連れで賑わっていた。

 

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多くの子供達の目的は、

菊よりは園内にいろいろある遊具のようで、

観覧車、バイキング、モノレール、いずれも長蛇の列となっている。

 

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菊だけじゃ子供は楽しめないだろうし、

そういった点でも菊人形っていうのは

爺ちゃん婆ちゃんの世代から孫まで3代にわたって楽しめるイベントなんだな、

なんてことも思った。

 

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ちなみに相棒は「接ぎ木ってこーやるんだ」、

「こーやって菊人形って作るんだ」などと

いろいろ興味深そうに見ていた。

 

1人で来てれば考えることもなかった視点、ともいえる。

こういったイベントは1人で来るより、

何人かで来たほうがいいのだな、と改めて思った。

 

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「いやー、満喫したわー」と相棒は満足げである。

菊人形を後にして、昼飯に向かう。

目指すは旧8号線。

 

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以前に「国八食堂」さんにお邪魔した時、

そのすぐ隣に昼間っから随分賑わっている寿司屋さんを見つけていた。

そこは回転寿司ではない、

いわゆる「立ち」の寿司屋のようであった。

 

その時は「流行ってるお寿司屋さん」という印象しかなかったのだが、

普段から愛読させて頂いているブログで偶然見かけ、

うーむ、これはぜひ行ってみたいと考えていたのだった。

そのお店を「寿司 天狗」さんと言う。

 

のれんをくぐれば

カウンターに常連さんとおぼしき方々の姿がちらほらと。

ふだん、回転寿司しかいかない僕なんかは

少しばかり構えてしまう雰囲気であったりする。

 

注文する品は決めていた。

「さしみ舟盛り定食」

しばし待っていると奥さんらしき方がやってきて、

「ご飯は酢飯と普通の白米が選べます」とのこと。

 

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3連セットの小鉢、ご飯、味噌汁、お新香、がまずやってきて、

ほどなくでんとお刺身登場。

 

奥さんの説明によると、

普通にわさびしょうゆで食してもよいのだが、

「つけだれ」にさしみを浸してご飯に乗せて、

添えられた海苔をかければ「海鮮丼」風に、

さらには「茶漬け」としても頂けるとのこと。

 

相棒共々箸がとまらぬし、

ご飯はおかわりもOKとのことで無論おかわり。

 

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ちなみに食後のコーヒーもついてお値段1080円也。

何だか久しぶりに時間に追われることもなく、

のんびりゆったりした食事を楽しませてもらったような気がする。

ごちそうさまでした。

 

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しばらく武生の街をぶらついてから、

福井に戻る電車に乗った。

電車に乗ってから、

「せっかくだし新しい電車に乗りたかった」

なんて言うもので、

西鯖江駅で下車してフェニックス田原町ラインの電車を待つことに。

 

とはいえただ待っていても仕方ないので、

ちょいと西山公園を散策。

前回訪れた時はツツジが満開だったけど、

西山公園もすっかり秋の気配。

 

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食べてばかりだけど、

道の駅で「吉川なすバーガー」なるメニューを見かけ、

おやつがわりに頼んでみた。

 

すぐに提供されるであろうと思っていたのだが、

これが予想以上に時間がかかり

フェニックス田原町ラインの電車の出発時刻を過ぎていた。

すまぬ相棒、時間の配分を間違えた(笑)

 

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提供されるのに時間はかかったが、

この「吉川なすバーガー」

なかなかオツな一品であった。

じゅわっとしたナスに味噌味のそぼろ、

これにトマトの酸味が加わるのだが、

これら個性的な具をまとめるバンズが全然負けていない。

 

このバンズも鯖江の老舗パン屋さんの手によるものとのこと。

今度伺ってみようかな。

 

西鯖江駅に戻る。

次の福井方面は田原町行きの線内急行で、

相棒が「乗ってみたい」FukuramでもKi-boでもないのは確実だった。

「あと30分待てば乗れるかも」僕は言ったが、

「別にいいや」と相棒は言った。

 

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普段の僕は、日中の電車でウトウトすることはほとんどないのだけど、

今回は使い慣れた福鉄電車、

カタコト心地よい揺れに身をまかせていると、

気づけば足羽山公園口の駅を出たところだった。

 

帰路は急行だったもので、

やっぱり市役所前で下車。

「予想以上に武生は充実してた」

相方は言った。

「せっかくだし、きれいな電車にも乗ってみたかったけど」

とも言った。

 

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ま、これはこれでいい兆候なのかもしれない。

「今度三国からずーっと電車乗り継いで武生まで行って、勝山行って三国行くってのもやってみたいのだな」

調子にのってそんな提案をしたら相棒は露骨に怪訝な顔をした。