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北陸徘徊人

福井・石川・富山を中心にゆるーい旅を満喫中

長泉寺山(西山公園)を超えて洋食を食べに行く 〜鯖江・レストランマーシン〜

福井鉄道 昼飯 鯖江市

気づけば年の瀬も近づいてきて、

町のあちこちでクリスマスの装いを多く目にするようになった。

僕は年が明けるとまた年を重ねてしまうもので、

例年、この時期になるとだんだんテンションが下がってくる。

 

今年は長靴も新調しないといけないし、

スノーダンプも買わないと、

車のタイヤも早めに交換しとかなきゃ、

何かと出費がかさむ時期でもあり、

そういった点でも頭が痛くなる時期であったりする。

 

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その朝、

我が家の窓から見える空は青かったし、

天気予報の「洗濯予報」でも

「今日はよく乾くでしょう」

であったもんで、

久々にテンションが上がって家を出た。

 

しかしながら福井駅に着いた頃には

空は今にも泣き出そうな状態になっていた。

言うまでもなく僕は傘を持っていない。

 

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福井鉄道の市役所前駅まで歩く。

 

ホームでカメラ片手に時刻表を眺めていると、

地下道から上がってきた年配の女性が

「西山公園行くの?」

なんて聞いてきた。

 

まさにドンピシャだったもんで、

そんなに僕には「西山公園行くぞ」オーラでも出ているかと

不安になったりしたが、

平静を装い「ええ」と答える。

 

「ちょうど紅葉がいいみたいね。私も昼から行こうと思ってたんだけどね、この天気だし、どうしようかと思って」

年配の女性は言った。

「天気予報、晴れって言ってたのにねえ」

「そうですよね」僕は言った。

 

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ほどなくして越前武生行きの急行電車が入ってきた。

当然鉄道型車両を狙って、

平日のみ運行の急行電車を選んだのだが、

やはり路面電車型の車両だった。

 

電車に乗ると、

アンケートが配布された。

えちぜん鉄道福井鉄道利用実態調査」とある。

すぐに回答したい気分であったが、

残念ながら筆記用具を持っていない。

 

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この手のアンケートは以前、

富山でセントラムが開業した頃、

市内電車に乗るとよくやってたように思う。

 

ただ、富山の場合は「ビンゴカード」のように

穴を開けて回答するようになっていた。

てなもんでその場で回答できたし、

下車時に係の方に手渡すことができた。

 

だが今回は筆記用具もないので、回答のしようがない。

家でも回答できるように封筒はついていたけれど。

コストの削減にも回収率アップにもつながると思うので、

是非福井県も採用を(笑)

 

僕に声を掛けてきた年配の女性はベル前で下車し、

数えるほどの客を乗せた急行電車は田園地帯を淡々と走る。

神明駅ですれ違った田原町行き急行は

乗りたくて乗りたくて仕方なかった鉄道型車両の610形だった。

 

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つい気持ちが焦ってしまうのは、

12月にFukuramの第4編成が導入される、

そんなニュースを目にしたからだ。

中日新聞の記事によると、

この車両の導入に伴い、僕が愛してやまない鉄道型、

610形は廃車になる見込み、とある。

 

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中日新聞(CHUNICHI Web)

 

最近、福井鉄道はサイトで「Fukuram」の運行予定を掲載するようになったけど、

是非610形もお願いしたいものだ。

この車両に乗りたくて武生や鯖江に出かける用事を作っているのに、

なかなか乗れないまま廃車になるなんてあまりにも悲しすぎる。

 

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水落駅で電車を降りた。

今回の目的は西山公園で紅葉を堪能してから、昼飯を食う、

そういった考えであったのだが、

急行電車だと西山公園駅は通過してしまい、

かといって西鯖江駅から往復するのも何だかなー、

そんな気持ちになっていた。

 

ところがとあるブログ記事で、

西山公園のある長泉寺山はどうやら縦走ができることを知った。

その登山口の最寄りが水落駅だった。

 

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駅から数分歩くと、福井県平和祈念館にたどり着く。

その背後にある忠霊塔へ。

合掌してからはて登山口はどこだとしばし悩み、

右手奥に登山道らしきものを発見する。

 

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なだらかな登山道を進んでいくと、

石像がずらりと並んでいた。

道はいくつも分岐していたが、

ただただ上を目指して歩く。

 

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ほどなくして舗装路に出たら、

展望台は目の前だった。

西鯖江駅や西山公園駅から来るよりはるかにラクな気がする(笑)

 

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展望台で鯖江の町を見渡してから、

赤く色づいた散策路を道の駅を目指して下った。

この時点で10時40分すぎだったか。

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ここで僕はしばし悩んだ。

今回お邪魔したい店は日野川を渡った先、

西鯖江駅からだと2キロくらい先にある。

 

営業は11時からであるらしい。

このまま歩けば11時過ぎに到達できるであろう。

しかし先程すれ違った610形電車は、

途中で運用離脱しない限り、

11時53分発の田原町行き急行となる可能性は大だった。

 

このまま街なかで食事をするか、

それとも以前から行きたかったお店にお邪魔するか、、、

 

それでもなおお店に向かってしまったのは、

「何となく」以外の言葉が思いつかない。

好きな電車が廃車になるのも悲しいが、

個人経営のお店だっていつも営業しているとは限らない。

 

今回伺おうとしているお店も、

下調べによるとわりと年配のご夫婦だけで営業している、

そんな記述をみかけていた。

 

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日野川を渡り、

田園地帯の中を一直線に延びる道を、

ただひたすら歩く。

 

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コンビニのある交差点で、

右斜め前方に延びる道に入った。

見えるのは田んぼと、工場のみ。

果たしてこんなところに食堂があるのだろうか。

 

ほどなくして「マーシン」という看板が見えた。

回転灯は回っていたが、

店の前に立つと、営業している様子は皆無である。

ただ、一応「営業中」の札がかかっていた。

 

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こちらのお店、

福井のブログを拝見しているとたびたび出てくるお店だ。

ただ、日曜定休ということと、

西鯖江の駅からも遠く離れていることもあり、

なかなか伺う機会がなかった。

 

入るのに躊躇したが、扉を開ける。

愛想のいい奥さんが出てきて「どうぞ」と席へ案内された。

メニューを開くと、「今週のランチ 800円」とある。

「ランチは何ですか」と問えば、

「サイコロステーキです」と奥さん。

 

サイコロステーキなんて随分豪勢なランチだな、

そんなふうに思ったら、

「しばらく休んでたんで、特別です」と奥さんは笑った。

 

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奥さんが厨房に注文を伝え、

待っている間にお冷を足してくれた。

「だいぶ長いこと休まれてたんですか?」

 

そう尋ねたら、

ご主人が病気で2ヶ月ほど休んでいたこと、

営業を再会したのは3日前の月曜日であること、

とりあえず今は病み上がりなのでメニューをしぼっているとのこと、

今のところ営業は日中のみであるとのこと、

来年にはメニューも営業時間ももとに戻したい、

そんな話を聞かせてもらった。

 

「じっとしててもボケちゃうから、体動かした方がいいみたいだし」

奥さんは笑った。

 

それにしても、と思う。

先週、僕は石川県の大聖寺を訪れているのだが、

実はこちらのお店に伺うかどっちにしようかで悩んでいたのだった。

先週来ていれば店は営業していなかったということだ。

ここまで歩いてきて、閉店していたら青ざめるしかなかっただろう。

何だかとんでもなくツイてるような気がしてきた。

 

ほどなくしてランチが運ばれてきた。

見た目から800円のレベルを超えている。

「お箸の方がいいかな」と奥さんが割り箸を持ってきてくれた。

些細な事だが、こういった配慮が嬉しい。

 

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キノコがたっぷり入ったソースをまとわせ、

サイコロステーキを一口。

 

やわらかーい!!!うめー!!!!

 

もう、笑っちゃうようなレベルの本格的な「洋食」なのだ。

生野菜にかかったドレッシング、

水菜はピンとそそり立ち、

添えられたポテサラ、

スープに至るまで、調理、盛り付けに至るまで

一切手を抜いていないのが分かる。

 

思わず頬の筋肉がゆるむのが分かった。

僕は昔から「うまそうに飯を食うなー」とか、

「普段ろくなもん食べてないの?」なんてさんざん言われてきたが、

多分、この時もそうだったと思う。

 

ライスの上にステーキを乗せて、

ああ、しあわせ、、、、

 ここは本当に鯖江の郊外の田んぼの中なんだろうか。

 

ご主人が厨房から出てきた。

「美味しくいただいてます」と言えば

「こんなもんウマイわけなかろうが、こんなヘンな親父が作ってるのに」

とニヤリと笑う。

 

そして割り箸入れを指し「これ、俺が作った」

テレビの下の置物を指し「あれも」

と笑う。

 

好きだなー、このご主人。

奥さんとも色々お話させてもらったけど、

こちらのお店、

1人でふらりと現れた徘徊者にとっても何とも居心地がいい。

 

ゆっくりして行きたかったけど、

11時半をまわった頃から次から次へとお客さんが現れ、

店内は急激に賑やかになった。

作業服姿の男性も多いから常連さんに愛されている店なんだろう。

 

多くの方は「カツカレー」を注文していた。

奥さんは「ランチ、お得ですよ」なんて言ってるが、

「うーん、どうすっかな、けどやっぱカツカレー」てな感じ。

僕が読んでいるブログでもカレーを食べた、

そんな記述をよく見かけた。

今度はカレーにするかな(笑)

 

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勘定をすませて外に出ると青空が広がっていた。

僕は西鯖江駅を目指して歩く。

急げば11時53分発の急行に間に合う気もしたが、

せっかく頂いた素敵な洋食が胃の中で暴れるのも嫌で、

のんびり歩いた。

 

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日野川を渡ると、

はるか先の踏切に610形の電車が動き出して行くのが見えた。

今度は意地でも610形の電車に乗って鯖江に来よう。

そして、またマーシンへ行こう。

 

僕は再び電車に揺られて福井駅へと向かった。

福井市内の併用区間に入った先で、

田原町で折り返した610形の電車とすれ違った。

この光景を見ることができるのもあとわずか。

 

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何だかんだで今年もまもなく、終わる。

 

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