北陸徘徊人

福井・石川・富山を中心にゆるーい旅を満喫中

越前海岸膝栗毛

越前町にある露天風呂「漁火」に行ってビールを飲む、

それが若い頃からの夢だった。

でもなかなか叶わぬ夢だった。

 

理由は簡単で、

全て車で行っており、ほぼ自分が運転していたからだ。

 

で、福井に来たばかりの頃、

僕は相方と友人を乗せて漁火に行った。

 

その日の福井市内は雪で、

越前海岸に出ても大荒れ、

露天風呂に出ることすらできず、

内湯だけでさっとあがり、

休憩室で相方たちが出てくるのを待っていたのだが、

そこで、ロビーの片隅にビールの自販機があるのが見えた。

 

ま、帰りは相方に運転してもらえばいいだけの話しである。

 

僕はその時点で長年の夢をかなえ、

至福の時間を過ごしていたのだが、

風呂から出てきた相方は

「こんな天気の中運転させるんか」と激怒してしまい

人前で醜態をさらすことになった。

 

以後何度も漁火には行っているが

僕は常に運転手に徹している。

 

ああ、漁火に行ってビールを飲みたい、、、、

 

そんな夢を叶える方法といえば

何てことはない、

バスで行くことだ。

 

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福井鉄道のサイトにはいくつか

「おすすめコース」が掲載されているのだが、

この中に以下のようなものがある。

 

西山公園と越前海岸再発見コース

この行程表によると福井鉄道沿線の各駅から西山公園駅へ行き、

西山公園を散策、電車で武生に行き、

前武生10時10分発のバスに乗車。

漁火のあるアクティブランド前には11時17分着。

越前がにミュージアムや道の駅、露天風呂を楽しんで、

15時40分発のバスで戻るというもの。

 

ただ、滞在時間は4時間以上。

初めて訪れるならともかく、

あの場所で4時間以上過ごすのは、

ビールが何本あっても足りなくなる可能性大とも言える。

 

かといって越前武生発10時10分発の次は13時30分で、

アクティブランド前着が14時40分。

時間的にはちょうどいいのだが、

何せまあ大前提としてバス代がかなりかかる。

 

福井鉄道のサイトには

バスの運賃表が何故か掲載されていないのだが(笑)

調べてみると越前武生〜アクティブランド前の運賃は1110円だった。

 

すなわち往復2220円で、

さらに福井から武生までが電車の休日フリーきっぷを使って550円。

 

運賃だけで2770円となり

ちょっと風呂入ってビール飲むには、

贅沢すぎるような気がするし、

行って帰ってくるだけというのも何とも味気ない。

うーむ、何かいい方法はないものか。

 

そこで考えたのは福井から水仙ランド入口まで京福バスで行き、

そこから歩くというコースである。

目算で約9キロといったところか。

 

しかし休日だと始発のバスに乗っても

水仙ランド着が14時25分で、

とても歩いてたどり着ける時間とは思えない。

 

一応ほやほや号という予約制のバスはあるのだが、

実際はタクシーで福井駅前からは乗車できない。

何より狭い空間で2人きりになるという

タクシーなる乗り物も苦手である(笑)

 

うーむ、もはやこれまでか。

 

地図を眺めながら諦めかけたその時、

「八ツ俣」なる地名を

越前岬のちょい北側あたりにみつけた。

 

何だか見覚えがあると思ったら、

先日乗った海岸バスの終点ではないか。

案外遠くまで行っているのだ。

 

これだと京福の鮎川線から乗り継いで11時45分に八ツ俣に到達できる。

ざっと地図を眺めたところ、

八ツ俣から漁火まで11キロちょい、といったところか。

2時間半までかかるまい。

一応グーグルマップで確認したら、11.1キロ、2時間40分と出た。

 

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ちょいと距離はあるものの

何よりこんなルート、天気が良くないと歩けない。

たっぷり歩いて風呂入ってビール。

きっとサイコーの気分に浸れるはずだ。

 

まさにこの日は最適であるような気がして、

僕は意気揚々と福井駅に向かった。

 

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福井駅を10時13分に出る小丹生行きの乗客は

僕を含めて2人といつになく寂しい。

ただ、この日は途中乗車もわりとあって、

堀ノ宮あたりでは10人前後乗っていたか。

ただその後は下車する一方で、

佐野を過ぎると貸し切りになった。

 

乗用車と違ってバスの良い点を挙げるとすれば、

ありきたりだけど視点が高くなるということだ。

越前海岸を乗用車で走っていると、

堤防があるもので案外海が見辛かったりするが、

バスなら心ゆくまで景色を堪能することができる。

 

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今回は鮎川で下車。

時計は時刻表きっかりの11時12分を指していた。

この距離を寸分の狂いもなく運転するなんて、

なかなかの技術であると思う。

 

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海岸バスの出発は11時18分。

ここならバス停の前にトイレもあるし、

乗り継ぎには最適かもしれない。

ほどなくして見覚えのあるバスが現れた。

 

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運転手に100円支払って「終点までお願いします」と言った。

何せこのバス、案内放送も降車ボタンもないもので、

先に伝えておく方が確実かと思われる(笑)

 

大丹生から1人乗ってきた婦人は「波の華」で下車。

その後もバスは淡々と走り続け、

道端で停車した。

後続車でも先にやったのかと思ったら、

ドアが開いて運転手が僕を見る。

あ、ここが終点の八ツ俣な訳ね。

 

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この時点で11時46分。

目指す「露天風呂・漁火」から武生へ向かうバスの出発時刻は15時40分。

このバスは最終便なので、絶対に乗り過ごす訳にはいかない(笑)

 

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10分も歩けば越前町に到達。

看板に書かれた「漁火 10.4キロ」の文字に気合が入る。

先は長い。

ちんたら歩く。

 

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ほどなく福鉄の越前岬のバス停が現れた。

実際の越前岬よりかなり福井市寄りにあるのだ。

時刻表を見れば

7時25分越前武生行きが1本のみ。

それも土休日は運休。

「・・・」

 

さらにしばし歩けば呼鳥門。

今でこそ別にトンネルがあるが、

僕が以前敦賀に住んでいた頃は、

真下を国道が通っていた。

 

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それにしてもここのバス停、

京福は「呼鳥門」

福鉄は「呼門」なんですな。

何でだろ。

 

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さらにしばし歩けば水仙ランド入口のバス停。

福井の駅前からバス1本でこんなところまで来れるのか、

そう思えば何とも感慨深いものはある。

 

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長い長い玉川トンネルを抜けて玉川の集落へ。

そこいら中で「カニ」が出迎えてくれる。

 

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何となく「越前町に来たなあ」そんな気分になる。

福井の食といえば真っ先に越前ガニを思い浮かべる方は多いだろうし、

この日は何処のお店も多くの他県ナンバーの車で賑わっていた。

 

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さらに幾つかトンネルを抜け梅浦という集落に出る。

かつて鯖江と織田を結んでいた鯖浦線は、

もともとこの先の四ケ浦周辺まで敷設する構想があったとのこと。

 

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織田から車で下ってくると

地形の険しさが目に見えて感じられるところであり、

はたしてどんなルートをたどるつもりでいたのか、

あれこれ想像しながら歩く。

 

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途中で幾つか気になる食堂はあったけど、

腹が満たされると歩く気力を失いそうだったもので

ぐっとガマンする。

それでも腹は減るもので、

コンビニでおにぎりを買った。

 

ついでにビールでも飲みたい気分であったが、

おとなしくガマンした。

若かりし頃なら「酒はパワーの源だ!」と、

飲んでもいくらでも歩けたが、

残念ながらもういい年である。

 

しっかしまあ、

せっかく越前町まで来て、

何でコンビニのおにぎりを食べているのだろう、

そう考えると若干のむなしさもあったりする。

 

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おにぎりで小腹を満たし、

再び歩く。

 

かつて「露天風呂・漁火」があったところは、

今は月極駐車場になっている。

こじんまりした風呂であったが、

本当に波打ち際に浴槽があり、

最高の湯浴みができた施設だった。

 

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ああ、ここの漁火にまた入りたかった、と、

今の漁火に行く度に思い出す。

ま、今の漁火も十分いいからたびたび行っている訳だけど(笑)

 

14時08分、現在の漁火がある「道の駅・越前」に到着。

はるばる来たぜ、漁火へ、

そんな気分になってテンションが上がってくる。

 

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この日の道の駅は、

カニ漁のシーズンも終わりに近いこともあってか、

駐車場もいっぱいだし大勢の観光客で賑わっていた。

中途半端な時間にもかかわらず、

1階にある食堂も大賑わいである。

 

入浴券を買って2階の温泉へ。

 

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越前温泉露天風呂漁火 -(一財)越前町公共施設管理公社

 

湯に浸かりながら日本海を眺めていると、

つくづく福井にいて良かったと思えてくる。

富山に住んでた頃も何度か来てるけど、

やっぱ遠かったもんなあ、、、

 

そして中から外に出てきた方が

「おお、すげえ」

そんな感嘆の声をもらすのを聴くのも

また楽しい。

 

僕はつい2週間ほど前にも来てるけど、

やはり「おお、すげえ」って思っちゃうもんな(笑)

 

風呂上がりにはビール。

ただ、この道の駅には1階と3階に食堂があるのだが、

休憩室のある2階にはない。

1階は大混雑だったし、

3階も似たようなものかもしれぬと、

結局2階の広間で缶ビールを飲んだ。

 

せっかく遠路はるばる来て缶ビールか、

なんて気もしなくもないが、

ビールはビールだ。

今日は怒られることもなく飲める(笑)

 

さて、この漁火、バスで来ようと思えば、

ダイヤと運賃の高さがネックになるのだけれど、

春から少なくとも運賃に関しては改善されるようだ。

それは福井鉄道のサイトで見かけたこのチラシ。

 

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ようやく出たか、福井鉄道さん!!

てな感じのきっぷである。

実は今朝方この案内に気づいて早速使おうと思ったのだが、

3月25日発売開始ということで断念した次第。

 

電車とバスを組み合わせれば一気に行動範囲が広がりそうな気もするし、

発売開始前から1人でわくわくしている。

 

ただ、福井鉄道のバスって

ただでさえ少ない本数が

土日は激減するのよなあ、、、(涙)

 旧河野村や池田も行きたいけど現実的じゃないなあ、、、

 

アクティブランド前のバス停に行ったら、

予想外っちゃ失礼だが、

10人前後のお客さんがバスを待っていた。

 

バスで訪れる方もいるのだ、

そんなことを知れたことが今回の何よりの収穫。

 

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せっかく福井に新幹線が通るなら、

その際にはバスのダイヤも見直して、

越前海岸も気軽に訪れることができるようになってほしい、

そう切に思う。

 

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僕は1時間以上バスに揺られて武生へ出て、

電車に乗り継いで福井へ帰った。

 

*運賃、時刻などは徘徊時のものです。

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