群馬県側の天気はイマイチであったけど、
こちらは穏やかな晴れ模様。
14時14分に越後湯沢着。
比較しても仕方ないけれど、
仮に僕が12時16分に高崎駅を出発する北陸新幹線「はくたか561号」に乗っていれば、
金沢駅の手前あたりにいると思われる(笑)
越後湯沢では半数程度の客が入れ替わったか。
ここまでの区間は数えるほどしか乗ったことがなかったが、
見覚えのある景色が広がる。
14時35分、六日町駅に到着。
北越急行開業20周年なんて看板を見ると、
「ああ、自分も年とったわな」とついつい考えてしまう(笑)
ほくほく線のホームにはざっと20人弱くらいのお客さんの姿があった。
在来線の特急「はくたか」の廃止で苦境が伝えられていただけに、
これは何とも嬉しい光景と言えた。
しばらく待っていると列車の入線を告げるアナウンスが流れ、
長岡方面から電車のヘッドライトの光が近付いてくるのが見えた。
ああ、あの列車が折り返すのだな、
そんなふうに考えていたら、この列車は勢い良く六日町駅の1番線を通過していった。
どうやら直江津と越後湯沢を結ぶ超快速「スノーラビット」であったらしい。
運行本数は少ないけれど、北陸新幹線に負けじと戦いを挑んでいる姿は素晴らしい。
そしてこれから乗車する電車は湯沢側にある車庫の方から
ゆっくりと姿を現した。
てっきり単行かと思っていたが、2両編成と豪華版だ。
2扉車なのに転換クロスシートがずらりと並ぶ様子は、
かつての「マリンライナーみたい」というのが第一印象で、
豊橋以来、「久々に上等な車両」とも言えた。
14時50分に出発。
電車は上越線の線路と別れると築堤へとかけあがり、
鋭い加速を見せるがほどなく減速して魚沼丘陵駅に停車。
出発してほどなく全長10,471.5メートルの赤倉トンネルに突入した。
車内にモーター音が響き渡る。
随分飛ばしてるなあ、そんな印象があったけど、
後方の運転席の速度計を確認してみると110キロを差していた。
「はくたか」の160キロって、これよりまだ50キロも速かったのか、
いまさらながらそんなことを思う。
15時04分、十日町に到着。
かつて「はくたか」が通過していた線路はすっかり錆びついていた。
半数以上の客が下車したようで、車内は急に寂しくなる。
六日町行きの電車と行違い、15時09分に出発。
少しずつ雲行きが怪しくなってきた。
電車はその後も胸のすくような走りを見せ、
15時55分に直江津駅に到着した。
今回は素通りの利用だったけれど、
次回は是非「北陸おでかけパス」とほくほく線のフリーきっぷを組み合わせ、
ゆっくりと各駅を巡ってみたいし、十日町でへぎそばも食べてみたい。
次に乗車するのは16時13分発、えちごトキめき鉄道の泊行き。
僕は直江津駅までの乗車券しか所持していなかったので、
一旦改札を抜けて窓口に行った。
そして窓口で「福井まで行きたいのですが、乗車券は何処まで買えますか」と本日2回めの質問をした。
窓口氏は「こちらでは富山までの販売になります」と言うもので、
「その先は金沢で清算ということでよろしいですか」と尋ねれば、
「そうなります」との答え。
そんなもので僕はあまり深く考えないまま、
直江津から富山までの乗車券、2080円を購入した。
さらに窓口氏はこう付け加えた。
「金沢から福井までの乗車券ならこちらでお出しできますが」
何だかなあ、という気分になる。
「富山までの乗車券は買えるが、金沢までは買えない、でも金沢から先は買える」
ということだ(涙)
遠慮して金沢で買うことにする。
泊行きの列車は1両編成のディーゼルカーで、
直江津駅の長いホームにポツリと停車していた。
1両とはいえ、車内は転換クロスシートで快適。
僕が乗った時点では混んでいると印象はなかったものの、
隣に長岡からの普通電車が到着すると、
学校帰りの学生たちが一気に乗り込んできて、
車内は急激に賑やかになった。
で、この列車、てっきりワンマンかと思っていたが、
ちゃんと車掌が乗っており、
直江津駅を出発するなり一礼して検札が始まった。
ただ、扉の開閉や運賃収受は運転士任せで、
あくまで検札と乗車券の販売だけを行っているようだった。
列車は糸魚川駅までは賑やかだったものの、
その先はめっきり静かになり市振駅へ。
この先は「あいの風とやま鉄道」の路線となるが、
「えちごトキめき鉄道」の列車はそのまま富山県の泊まで乗り入れる。
北越急行、えちごトキめき鉄道と転換クロスシートの快適な車両が続き、
こりゃ福井までも楽だなあ、なんて思って泊駅直前で前方を眺めたら、
雨に濡れたガラスの向こうに413系という古めかしい車両が見えた。
「・・・」
泊駅では2分の接続で17時30分発の高岡行きに乗り継ぐ。
すぐに車掌が現れたので、僕は富山までの乗車券を見せ、
「金沢まで行きたいのですが」と言った。
すると車掌は「行き先変更はできません」と言って、
富山〜金沢の乗車券を発券、僕は1220円を支払ったのだけど、
「?」てな感じになった。
僕が支払ったのは2080円+1220円だから3300円。
直江津〜金沢間の運賃は、
市振〜倶利伽羅間のあいの風とやま鉄道が2060円、
合計すると3390円になるもので、
結果論から言えば富山で分割した乗車券の方が90円とはいえ安いということになった。
さらに持ち歩いている「JTB小さな時刻表」には魚津駅からの運賃も記載されているのだが、
魚津で分割すれば合計で3250円でさらに安くなる。
ま、このように分割すれば運賃が安くなるというのは、
先の倉賀野〜直江津間でも言えることで、
多くの鉄道ファンはこうして乗車券を分割したりすることにより、
少しでも安く移動できる方法を考え、実践している。
ただ、今回はたまたま安くなった、だけの話で、
基本的には乗車券は分割すれば高くなるもので、
今回みたいな買い方をして高くついていれば、
それなりに腹もたったと思われる(笑)
今となっては直江津〜金沢を通して乗る客などいないのかもしれないけれど、
かつては1本の路線であった訳だし、
横並びの3社通しの乗車券くらいは出してほしいなあ、とは思う。
ましてこの3社をまたいで走る、金沢〜糸魚川間なんていう列車も、
1往復だけとはいえ運行されているのだ(笑)
列車の行き先の乗車券が買えない鉄道なんてほかにあるのかな?
電車は生地、黒部と会社帰りのサラリーマンを乗せ、
徐々に混んできた。
意外と、なんて言っちゃ失礼だけど、僕と同じボックスに座った方々は、
みんなスマホを見ている訳ではなく、読書をしておられた。
隣のボックスを見ても4人中3人は読書をしている。
考えてみれば、僕が富山から福井に移って一番驚いたのは
「書店の少なさ」で、言い方を変えれば富山は非常に書店が充実していた。
図書館に行っても必ず1人や2人、同僚を見かけていたから、
案外読書家の多い土地柄なのかもしれない。
魚津からは若い世代も乗り込んできて、
車内は急に騒々しくなってきた。
聞こえてくるのは聞き慣れたはずの富山弁であるが、
今となっては懐かしさすら感じる。
富山に到着したのは18時15分。
高岡行きこの列車は9分停車して24分発となるのだが、
隣の乗り場にはその次の金沢行きを待つ乗客の姿がちらほら見えた。
そんなもので富山で乗り継ぐことに。
富山駅は僕が住んでいた頃とはすっかり様変わりしたが、
未だに「帰ってきたなあ」という思いがこみ上げる、
不思議な駅であったりする。
18時42分発の金沢行きは北陸ではすっかりおなじみの521系電車で、
金沢着はすっかり日も暮れた19時39分。
いったん改札を出て福井までの乗車券1320円を購入して20時発の福井行きに乗り込んだ。
今回、高崎線の倉賀野から福井まで普通列車を乗り継いできて思ったのは、
六日町から先が泊〜富山間を除いて転換クロスシートの車両だったこともあり、
思いの外快適だったし、たいして苦でもなかったなあ、ということか。
乗車券については不満もあれど、
JRから切り離されたえちごトキめき鉄道も、あいの風とやま鉄道も、IRいしかわ鉄道も地元密着の鉄道となって懸命に走っているわけだし、
これからも急ぎでない限りは率先して使っていきたいなあ、とは思う。
22時04分、電車は福井駅に到着。
手元には無効印を押してもらった4枚の乗車券。
そんな話になった。
「うーん」としばらく悩んだ相棒は
まさかとは思うが、有り得そうな気もしなくもなく、
何だか恐ろしくなった(笑)