北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

冬のえちぜん鉄道ふらふら 〜一本義と田原町行きki-bo〜

天気予報を見てると週末の天気はイマイチだったもので、

明日はおとなしく家で過ごそう、

撮りためておいた「陸王」でもまとめ見しよう、

ちょっとは大掃除でもするか、

そんなことを考えつい深酒してしまった金曜の夜。

 

ところが目覚めた土曜の朝は青空が広がっていた。

うーむ、全然天気予報と違うではないか、、、

家で過ごすにはあまりにももったいない。

そんなもので久々に「えち鉄」にでも乗るべと出かけることにした。

  

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えちぜん鉄道の新駅舎を眺めていると、

内装に木が使われていることが分かる。

今はただただ工事の完成が待ち遠しい。

 

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窓口で休日フリーきっぷを買い求め、

路線図を眺めつつ、何処へ行くかと考えるのは至福の時間。

温泉とビールなんていうのが一番手っ取り早いのだけど(笑)

とりあえず利用したことのない駅を巡ることにした。

 

ホームに上がり、勝山行きの電車を待つ。

すると「次の勝山行きは留置線から参ります。ご注意ください」

そんな放送が流れた。

「留置線から」とはなかなかマニアックな案内のような気がしなくもない(笑)

 

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ほどなくしてホームの先の留置線に停車していた2両編成の電車が

ゆっくりと入線してきた。

 

えちぜん鉄道に乗ったら、

先日から是非やってみたいことがあった。

それがこちら。

 

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福井以外で放送されているのか定かではないが、

勝山の酒蔵である「一本義」のCMで、こんなシーンが出てくるのだ。

 

このCMに出演されているのが南正時さんという鉄道写真家で、

何で南さんが出てるのかと思ったら武生のご出身なんですな。

 

僕は小学校の頃から鉄道関係の本ばかり読んでいたけど、

一番ボロボロになるまで読んだのは南さんの

「鉄道写真の撮り方」っていう本だった。

 

僕は当時から「乗り鉄」だったもので、

「撮る」方にはほとんど興味がなかったけど、

(というより今と違ってフィルムしかなかったし現像代も高かったので手が出なかっただけ)

南さんの本や写真を眺めているだけで色んなところに行った気になれた。

 

そんなもので今回は気分だけでも南正時さんであったりする。

あくまで撮影用でこの時は飲んでませんが(笑)

 

 終点の勝山駅の2つ手前、発坂駅で下車。

えちぜん鉄道無人駅だと一番前の扉しか開かないもので、

今まで全然気づかずにいたけれど、

ホームは2両編成分もないようだ。

 

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発坂駅に降り立ったのは僕以外に年配の男性が1人のみ。

地元の方かと思ったら、別に駅を出るわけでもなく、

向かいの福井方面のホームに移動してベンチに座った。

単に乗り過ごしただけだろうか。

 

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九頭竜川からスキージャム方面を眺めた。

今年はシーズン当初から雪にも恵まれ、まずまずの出足だそうだ。

久々にスノーボードでもやってみたいなあ、とは思うが、

毎年思っているだけで全然実行に移せずにいる(汗)

たぶん、まだまだ滑れるはず、と思いつつ、

すぐに病院直行になりそうな気もする。

  

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発坂駅から福井行きの電車に乗り込み、

越前野中で下車。

さきほど僕と一緒に発坂駅で下車し、

再び同じ電車に乗った男性はまだ車内にいた。

 

どうやら乗り過ごしたという訳でもなさそうだ。

 

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越前野中駅は田園風景の中にポツリとたたずむ1面1線の小さな駅だった。

地図を眺めるとたいした距離でもなさげな気がしたもので、

次の轟駅まで歩く。

 

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徐々に、というよりは急激に雲行きが怪しくなってきた。

時折吹き抜ける風が恐ろしく冷たく、

ダウンに首を埋める。

ほどなくして轟駅に到着。

「どめき」と読む。

 

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身体はすっかり冷え切り、

鼻水がつい垂れそうになる。

この後、轟駅から光明寺駅まで電車に乗り、

下志比駅まで歩こうと考えていたが、早々に諦めることにした。

早く身体が温まるものを食したい。

 

何処で昼飯にするかとしばし悩んだが、

新規のお店を開拓する気力もなく、

越前新保駅近くの「はら」さんにお邪魔することにした。

「はら」さんは日曜定休のはずだから今日は営業している、はず。

 

素直に越前新保駅まで向かえばいいのだが、

一つ手前の追分口駅で下車。

ここはホームの狭さがかねてから気になっており、

一度下車してみたい駅の一つだった、のだけど

下車した瞬間にざんざんと冷たい雨が降り始めた。

 

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傘をさして「はら」さんを目指す。

歩いているうちに雨はやんだ。

何だかよく分からない天気であったりする。

はっきり言えるのは徘徊には最も向いていない日、ということか。

 

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「はら」さんに到着。

ストーブの隣のカウンター席に座り、

「スジカレーラーメン」小ライス付きを注文。

こちらにお邪魔するとほとんどの方が「カツ丼」と麺のセットを食しており、

今回もまた然りであったのだけど、

僕はどうしても「はら」さんに来ると何故かカレーが食べたくなる(笑)

 

ほどなくして「スジカレーラーメン」が配された。

麺を箸で持ち上げるととろみの強いスープがまとわりつく。

スジ肉もよく煮込まれ柔らかい。

じわじわと身体が温もっていくのが分かる。

 

いやはや、盤石の味、ごちそうさまでした。

 

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店を出ると青空が広がっていた。

「利用したことのない駅めぐり」を再開しようかとも思ったが、

またの機会にすることにして福井行きの電車を待つ。

そして電車に乗った瞬間にまた雨が降り出した。

 

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このまま家に帰ったところで酒を飲んで寝るだけなもので、

ついでと言っては何だけど散髪に行くことにした。

一応年末であるしスッキリしておきたい。

 

そんなもので日華化学前駅近くの床屋に行き、

かなり短くしてもらってスッキリしたのはいいけれど、

今度は頭が寒い(涙)

 

おまけに帰りはぎりぎり福井行きの電車に乗れず。

「・・・」

 

バスで帰ろうか、素直に30分待つか、田原町まで歩くか、しばし悩む。

そのうち三国港行きの電車が現れたが、

今回は風呂の用意もしていないし、

おとなしく帰ろうと思い、しばしベンチで待った。

 

すると、電車の到着を告げる放送がなった。

そっか、フェニックス田原町ラインがあるではないか!

あれ、待てよ、今日土曜日だよな、

午後から運休ではないのか???

 

八ツ島駅の方を眺めていると、

「ki-bo」が近づいて来るのが見えた。

ちゃんと「急行・越前武生」と表示されている。

よし、これに乗って市役所前まで行って乗越運賃を払おう。

 

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えちぜん鉄道内で「ki-bo」に乗ったのは随分久しぶりで、

それなりにテンションは上がったが、

他に誰一人お客さんの姿はない。

 

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福大前西福井に到着。

「急行、越前武生行きです。福井駅には参りません」と、

いつもの車内放送が流れている。

本来ならばここで鷲塚針原行きと行き違うのだが、

現れないままに出発する。

 

そして、田原町駅到着寸前に、

運転士によるアナウンスが流れた。

「本日、福井鉄道内工事により、この列車は田原町止まりとなります。この先ご利用のお客様は代行バスをご利用ください」

 

田原町駅に到着したが行き先は「越前武生」のまま。

しばらくすると、「鷲塚針原」となった。

「ki-bo」に「田原町」の表示はないのかな。

以前にpop tripさんが見た光景とはまさにこのことだったのか、

なんてことを思う。

 

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僕は長らく福井鉄道の工事運休中はフェニックス田原町ライン全体が運休になる、

勝手にそう考えていたけれど、実際にはそうではなく、

えちぜん鉄道側は少しダイヤをいじって運行しているのだ。

それも田原町〜鷲塚針原という区間で、

さらに連絡する代行バスもない状況下で。

 

恐らくこの区間だけを往復したところで、

利用客などほとんどいないであろう。

何だかえちぜん鉄道の「フェニックス田原町ライン」に対する

ジレンマみたいなものを感じずにはいられない。

 

ニュースなどでは「好調、好評」みたいなことを耳にするけれど、

普段から意識して見ている限り、

「福鉄にはメリットあれど、えち鉄には辛い乗り入れだよなあ」

という思いは未だに変わらない。

 

行政側も「線路をつなげて乗り入れやって便利」で終わるんじゃなく、

今一度見直す時期に来ているような気がする。

 

誰一人客を乗せることなく出発していった「ki-bo」を見てると、

何だか寂しくなってきた。

 

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結局、えちぜん鉄道の電車を待って福井駅に戻った。

ハピリン前の広場ではスケートリンクの準備が着々と進められていた。

今年は12月15日から2月25日まで営業、とのこと。

昨年よりも随分長く営業するようだ。

 

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今年こそはと思いつつ、

派手にひっくり返って救急車でも呼ぶことになれば、

せっかくの華やかなイベントに水を差してしまうような気がしなくもない。

 

日常生活においても

「これくらい楽勝だったはずなのに、おかしいなあ」

なんて考えることは多々ある。

先日も引っ越しの手伝いに行っただけで1週間以上筋肉痛が続いた。

 

ま、冬場はおとなしく電車に乗ってるくらいがちょうどいい(笑)

 

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いつしか雨もやんだもので、

僕はぶらぶら歩いて家に帰ったものの

身体は再び冷え切ってしまい、

仕方なくカバンに忍ばせていた「一本義」を熱燗にして、

ちびちび飲んだ。