北陸徘徊人

福井・石川・富山を中心にゆるーい旅を満喫中

JR高山線・楡原駅〜笹津駅徘徊

せっかく高山線も全線開通したことだし、

ちょっくら飛騨の入り口まで行って帰ってくるか、

なんてことを考えてはいたけれど、

時刻表を眺めればあまりにも列車の本数が少なすぎて、

何だか危険な感じがしなくもない。

 

高山線には乗りたい、飯も食べたい、

しかし富山と岐阜の県境の駅周辺にはそもそも飲食店が少ない。

 

時刻表を眺めつつ、地図を開きつつ、

食べログに駅名を入力しつつ、

あれこれ思案し、よっしゃ、このルートで行くべと富山駅へ向かった。

 

 

 

10時32分発の猪谷行きに乗車。

2両編成であったが、車内は気の毒なほど空いていた。

 

他のローカル線だと、

日中は高齢者の姿を見かけることが多々あるが、

高山線に関してはほぼ皆無だ。

 

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というのも富山市は市内在住の65歳以上の方を対象に

「お出かけ定期券」なる制度を実施しており、

日中の富山市内各地から市中心部までの利用が、

地鉄電車もバスも1乗車100円になるのだ。

 

猪谷から富山駅まで、JRは670円、

バスの所定の運賃は1160円だけど、

お出かけ定期券なら100円になる。

(100円になるバス停は限定されている)

途中駅である笹津、八尾、速星、西富山などは

いずれも富山駅行きのバスが走っているし本数も多い。

 

こんな状況下で高齢者の方が高山線を利用するはずがないし、

高山線が気の毒になってくる。

 

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ただでさえ空いていた車内は駅に着くごとに寂しくなる一方で、

笹津を出ると10人もいなくなった。

11時12分、楡原で下車。

 

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このあたりの国道41号線は「猪谷楡原道路」という高規格道路に移行しているので、

駅前の道路を行き交う車はわずかだ。

道路を挟んだ斜め向かいあたりにあるのがかつての細入村の役場で、

細入村の中心って、猪谷ではなく楡原だったんだなあ、

なんてことをぼんやり思う。

 

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さて、まずは昼飯だと思い、目指すお店を探してみたが、

「CLOSE」の看板がかかっていた。

11時半から営業とあるが、店内は真っ暗で、

とても営業開始直前とは思えない。

 

いったん通りに出て周囲を見渡してみたが、

飲食店らしき看板は見当たらない。

うーむ、はて、どうするか、と思ってもう一度お店に行ったら、

既に車が1台停まっていて看板も「OPEN」になっていた。

店名は木に隠れているが「山香」とある。

 

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店内に入ると、夫婦2組だろうか、年配の男女4人がカウンターに並んで座っている。

奥の厨房から出てきた奥さんに

ラーメンセットを注文すると

「兄ちゃん、どこから来たん」と言う。

富山市内です」と答えたら、

「わざわざラーメン食べにきてくれたんか」と笑う。

「そうです」と僕は言った。

 

先客のもとにラーメンが配され、

続いて僕のもとにも配された。

 

いわゆる「富山ブラック」と称していいような真っ黒なスープ。

ちょっと構えて麺をすすれば、

あれ、全然ブラックの味じゃない、

いや、めっさ美味い!!!

 

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セットについてくるのはいかにも富山らしい昆布のおにぎりで、

これまたスープとの相性もいい。

奥さんが先客に目をやって、

「この人ら、私とほとんど年変わらんがだけど、みんな悠々自適な生活。私はまだまだ働かないと」と笑う。

 

そして、悠々自適な生活をしている、と言われた方々が、

実にうまそうに、シアワセそうにラーメンを食べているのだ。

端っこの男性が「あー、スープまで飲みたい!けど飲めない!」と残念そうな表情を浮かべている。

 

奥さんは食べ終えるのを見計らって皆にセットのコーヒーを配していく。

後から来られた方も常連さんのようだったけど、

かといって初めて来た僕が浮いてるような気分を味わうこともない。

ごちそうさまでした。きっと近日中にまた来ます(笑)

 

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楡原の集落から神通川をわたって対岸へ。

このあたりの国道41号線は左岸を通っているのだけど、

右岸にも道があるのを知ったのはつい先日のこと。

この道を通って笹津駅を目指す。

笹津駅からは13時57分発の列車で市内に帰るつもりでいる。

 

対岸の41号線は多くの車が行き交っているが、

こちらの細道には1台の車も現れない。

 

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紅葉はとっくに終わっており、

あと2週間早ければ綺麗だったかなあ、

なんてことを思いつつ、ぼちぼち歩く。

 

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30分ほど歩いたところで「???」となった。

右手に、石像らしきものが並んでいる。

うーむ、何だ、ここは、、、、

「ふれあい石像の里」とある。

 

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呆然と見ていると車が1台やってきて、

中年の男性が姿を見せた。

「ここもすごいなあ」と男性が言う。

ここ「も」?

 

「いや、楽今日館(対岸にある温泉)の風呂から、何か見えるんでずっと気になってたんですよ。それは羅漢さんだったんですけど、こっちは普通の人ですよね」

 

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そう、石像というと羅漢さんであったりお地蔵さんであったりを想像するが、

この地にある像の大半が「人」なのだ。

それも有名人ではない、普通の人。

よく見ると、像の下に名前らしきものが見える。

そしてみんなして行儀よく神通川を眺めている。

 

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この男性、下調べはしてきたらしく、

「この石像を作られた方の知り合いの像」であるとのこと。

いやはや、長年富山に住んでいるし、

対岸の楽今日館にもたびたび行っているにもかかわらず、

こんな場所があるなんて全く知らなかった。

(このコースを歩くにあたり参考にしたブログがあって、石像についてはチラッとは触れていたけど、こんなスケールとは思わなかった)

 

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しばらく男性と石像を見物した後、

男性は上流へと向かって行き、

僕は下流へと向かう。

 

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ほんの少し歩くと「おおざわの石仏の森」が現れた。

こちらにも唖然とするほどの像が並んでいる。

 

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不謹慎な表現かもしれないけど、

こちらの石像を眺めていると、

何だかつい笑ってしまうというか、

ほんわかした気分になってくる。

 

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ちょっとここしばらく実生活で

「何だかなあ」と思うことが多々あって、

若干気分が落ち込んでいたのだけど、

このとんでもない数の石像を見せつけられると、

あれこれ考えてしまうのがアホらしくなってきた。

 

うちの相方も最近職場でずいぶんストレスを抱えてるみたいだし、

今度連れてきてやるかな(笑)

 

 

 

予想外のものがあったもので、

思いのほか時間を要してしまったというか、

笹津駅に着いたのは列車の出発時刻ギリギリとなってしまった。

 

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ここで、僕はトイレに行きたくなってしまったのよな。

よりによって大である。

自慢ではないが一日3回行くくらいお通じはいい。

はて、どうするか、ちょっと我慢して列車に乗ってからにするか。

 

しかし、列車のトイレが使用中だったらどうする?

いい年したオッサンが列車の中で醜態を晒すことになるのか。

うーむ、まだギリギリ間に合うかと思ってトイレに駆け込んだら

よりによって和式であったりする。

 

僕は笹津駅のトイレの個室にかがんだ状態で、

ディーゼルカーのエンジン音が近づいてきて、

遠ざかっていく音を聞いた。

 

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