北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

JR城端線・林駅〜高岡駅徘徊 カツカレーラーメンとイチコロ線

北陸新幹線が好調維持!

なんていうニュースを耳にするたび、

金沢の中心部なんかにいくとそれは十分すぎるほど納得できたりする。

少なくとも、僕が知ってる金沢という街からは

程遠い光景が広がっている(笑)

 

富山も、長らく仮駅だったということもあれど、

少なくとも駅周辺は何だか賑やかになったし、

街全体が垢抜けてきた、ような気がしなくもない。

 

ただ、飛行機は大打撃を受けているのも事実だし、

3セクが恐ろしく不便なのも事実だし、

倒産する宿が相次いだのも事実だし、

アルペンルートの入り込みは相変わらず100万人に達しないし、

黒部峡谷鉄道の入り込みは3年連続減少しているし、

県全体に北陸新幹線効果が行き渡っているとは

素人目には到底思えない。

 

 

 

中でも最も恩恵がないと感じるのは高岡だ。

新幹線が開通してから華やかな話題なんてひとつも聞こえてこない。

かがやきの停車問題だけでなく、

市議会議員の不正や、市そのものの財政危機など、

気が滅入るような話ばかりだ。

 

何度か書いていることだけど、

僕にとって高岡は初めて一人暮らしをした思い入れのある街だ。

先週も高岡に行った話を書いたけど、

勝手に高岡応援シリーズと称して、

今回も高岡に行くことにした。

 

f:id:fukuitabi:20181210164859j:plain

 

あいの風とやま鉄道の電車が高岡駅に着いて、

城端線のホームに停車中のディーゼルカーに目をやれば、

「ずいぶん空いているなあ」と思ったのだけど、

実際にホームに降りてみると、

次の城端行はその隣に止まっていた車両で、

授業が半日だったのか、高校生で溢れかえっていた。

 

f:id:fukuitabi:20181210164921j:plain

 

そんな中に大きなキャリーバッグを引いた観光客に、

スーツ姿のビジネスマンが居心地悪そうに乗り合わせており(笑)

さらに新高岡では「前からお降りください」という放送が流れるわりには、

だれも前に到達できず、

開いたドアから適当に降りてゆき、

運転士はまったく乗車券をチェックしていなかった。

 

こういったことは、普段から乗りなれている高校生ならまだしも、

観光客やビジネスで訪れた人には「不安」を感じる点であり、

こうした乗客の不安に気づかないのが

JRの殿様商売の最たるものなんだろうと思う。

 

f:id:fukuitabi:20181210164949j:plain

 

林駅で下車。

僕は前扉から下車したけど、

車内の運賃箱の蓋が開かれることもなく、

運転士が僕の乗車券を確認することもなく、

僕の手元には富山からの乗車券が残った。

 

f:id:fukuitabi:20181210165013j:plain

 

林駅から田園地帯の中を156号線を目指して歩く。

一応ダウンは着ているけど、風が恐ろしく冷たくて、

ネックウォーマーもしてくりゃ良かったなんて思う。

意図せず鼻水もたれる。

 

f:id:fukuitabi:20181210165044j:plain

 

156号線に出て、少し砺波方面に歩けば、

目指すお見せ「キリンラーメン」さんが現れた。

これまで車で素通りして「気になる」程度だったけど、

あらためて眺めてみれば自分好みの店構えであることにホッとする。

 

このお店を見つけたのは今年の夏のことだ。

 

昔から富山県内をウロウロしている割に、

さっぱり通ることのない道が

高岡市から岐阜市を結ぶ国道156号線の、

さらに高岡市から砺波市に至る部分であったりする。

 

しかし今年の夏から秋にかけて、

たまたま高岡から砺波にかけてウロウロする機会があり、

自分が好きそうな渋いお店が点在していることを知った。

今回伺ったのもそのうちの1件となる。

 

さらにこのお店を選んだもうひとつの理由が

「カツカレーラーメン」が名物であることを知ったことによる。

 

僕は福井のえちぜん鉄道・越前新保駅近くにある「はら」さんで、

「カツカレーラーメン」を食してからすっかり虜になってしまい、

つい先日も福井に行った時に

「あー、カツカレーラーメン食べたいなあ」と思っていたけど、

「はら」さんの定休日と重なっていたので断念したのだった。

 

そんな矢先に今回のキリンラーメンさんでも

「カツカレーラーメン」があることを知った。

 

店内は昭和の中華料理屋さんそのもので、

客は見事に男性ばかりだった。

カウンターに座って奥さんに「カツカレーラーメン」を注文。

 

カウンターの中の厨房では、

奥さんと旦那さんの息のあった連携を拝見できる。

奥さんも調理をされるようで、

注文を受けたチャーハンを手際よく仕上げていく。

一方でカツらしきものを油に投入する様子も見える。

 

ほどなくして「カツカレーラーメン」が配された。

とんかつに目玉焼きという組み合わせが何とも斬新で、

この下に中華麺が隠れているとは到底思えない。

 

f:id:fukuitabi:20181210165417j:plain

 

一口スープを頂いて麺をすすり、

熱々の揚げたてとんかつを頬張れば、

ああ、こりゃカツカレーラーメンだ、なんてあたりまえのことを思う。

 

「はら」さんはベースが「和」なんだけど、

キリンラーメン」さんはベースが「中華」だな、

なんてことも考えたりしたけど

がっつりスパイシーなスープが麺にからみ、

箸が止まらない。

 

スープまで一滴残らず完食したところで、

「ランチタイムのサービス」と言ってコーヒーまで提供された。

高岡まで来た甲斐がありました。

ごちそうさまでした。

 

f:id:fukuitabi:20181210165537j:plain

 

最近すっかり運動不足気味であるもので、

高岡駅まで156号線沿いを歩いて帰ることにした。

このあたりの地名、西藤平蔵と書いて

「にしとうへいぞう」と読むそうだ。

なかなかの難読地名であるような気がする。

 

f:id:fukuitabi:20181210170133j:plain

 

余談であるが

僕の周辺の富山の方は、と限定して書けば

主要道路の名前を独特な言い方で表現する。

ハチゴウ」と言えば国道8号線のことで、

「キュウハチ」と言えば県道44号線、

「ヨンイチ」と言えば国道41号線

「サンゴク」と言えば富山から砺波を経て金沢を結ぶ国道359号線を指す。

 

そして国道156号線

僕の周囲の方は「イチコロ線」と呼ぶ方が多い。

当たり前のように耳にしてきたし、

自分でもそう言っているのだけど

実際に文字にしてみると何だか恐ろしげな響きがある。

 

ま、あくまで僕の知ってる方が言ってるだけの話です(笑)

 

 

 

前方に北陸新幹線の高架橋が見えてきて、

佐野という交差点に差し掛かる。

すると「おとぎの森公園」という看板が見えた。

よく耳にする公園ではあるが、こんなところにあったのか、

なんてことを思う。

そして何となく入ってみたら、ドラえもんがいた。

 

f:id:fukuitabi:20181210170234j:plain

 

高岡は藤子・F・不二雄さんの故郷だけど、

イマイチその知名度を生かしきれていないような気がする。

以前に相方と高岡市美術館にある

藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」を訪ねたことがあるのだけど、

相方が言ったのは

藤子・F・不二雄に関する施設と言えば川崎になっちゃうよね。もったいない」

ってことだった。

 

いろいろ大人の事情があるのは察するけど、

やはりもったいないなあ、と思う。

 

f:id:fukuitabi:20181210170300j:plain

 

156号線を再び北上していると雨が降り始めた。

ちょうど先に「ブックオフ」があったので駆け込んで、

あれこれ物色して何冊かの文庫本を買い求めて外に出たら雨はやんでいた。

 

f:id:fukuitabi:20181210170331j:plain

 

さらに156号線を北上すると、

あいの風とやま鉄道の高架線をくぐる。

線路が高架になっているというよりは、

街全体が下がっていると表現した方が正しいのかもしれない。

このあたりから高岡駅にかけての道路はゆるやかな上り坂となっている。

 

f:id:fukuitabi:20181210170417j:plain

 

車で走っているとなかなか気づかないことだけど、

高岡の市街地は意外と起伏があるもので、

平野が多い富山の町の中でもかなり個性的な町だと言えるし、

歩けば視点の高さが変わってくるから、

町の表情を感じることもできる。

 

f:id:fukuitabi:20181210170445j:plain

 

けど、こういったことを力説しても、

誰も分かってくれない(涙)

 

f:id:fukuitabi:20181210170508j:plain

 

駅にもほど近い場所に小さな神社があった。

目の前は線路だけど、ただただ静寂に満ちている。

頻繁に特急列車が走っていた頃はやかましかったろうなー、

とも思う。

 

f:id:fukuitabi:20181210170543j:plain

 

すっかり日も落ちて、居酒屋の赤ちょうちんが灯る時間も近づいてきた。

ああ、高岡で一杯やっていきたいなあ、

なんてこともぼんやり思う。

 

しかしながら、この前日に、

僕は相方に「週に一度は休肝日を設ける」と宣言したばかりだった。

「どうせできないクセに」と相方には白い目で見られたけど、

一応自分にも意地がある。

 

余計なこと言わなきゃ良かったなあ、

ああ、飲みたいなあ、なんてことを思いつつ、

僕は富山方面の電車に乗り込んだ。

 

f:id:fukuitabi:20181210170624j:plain

f:id:fukuitabi:20181210170646j:plain