北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

ポートラムと射水市コミュニティバスで高岡・伏木へ行く

僕がはじめてひとり暮らしをした町、

富山県高岡市を勝手に応援するシリーズ第3弾で、

再び高岡を目指すことにした。

(トータル的にはもっと書いてるけど・笑)

 

最初は春に開業した高岡やぶなみ駅から高岡駅を目指して歩く、

そんなルートを思い描いていたのだけど、

目覚めてみると思いのほか天気が良かったもので、

かねてから考えていたルートで高岡を目指すことにした。

 

 

 

富山から高岡を目指すと、

基本的には「あいの風とやま鉄道」か「富山地方鉄道の路線バス」の2択、

週末は岩瀬浜と新湊をバス、新湊と高岡を万葉線といったルートもあるが、

この日は平日だったものでライトレールのフィーダーバスと、

射水市コミュニティバスを乗り継ぐことにする。

 

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富山駅北からライトレールに乗車。

以下の記事によれば市内電車との直通が始まればこの停留所はなくなるとあるが

富山駅停留所が大混乱になるのは充分予想できることで

市内電車の1系統は駅北で折り返すといった活用法もあるような気がするけど、

そんな余計なことを考えるのは僕だけなのかなあ、、、(涙)

 

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蓮町で下車してライトレールフィーダーバスの「四方・草島ルート」に乗り継ぎ、

ちてつ四方で下車。

 

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運賃はICカード利用で富山駅北から280円。

ここから射水市の足洗老人福祉センターを歩いて目指す。

(僕はケチなので歩きましたが地鉄の路線バスもあります・笑)

 

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道端にこんなものがおいてあって小便ちびりそうになった。

 

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四方から30分ほどで足洗老人福祉センターに到着。

乗り継ぎに余裕があったので隣の足洗潟公園へ。

 

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足洗潟という不思議な地名の由来は承元元年(1207年)に

親鸞上人が配流の際に立ち寄り足を洗い、

このとき繁茂していた「芦の原」、「アシハラ」が訛って

足洗潟になったそうな。

 

園内にはアスレチック遊具が充実していた。

最近運動不足なので富山市内で「ぶらさがることができる遊具」を探しているのだけど、思いのほか見当たらない。

こちらにはあったので久しぶりに「懸垂」にチャレンジしてみたら、

5回ほどでダウンした(涙)

 

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射水市コミュニティバスの西のターミナルといっていい、

足洗老人福祉センターから10時18分発の七美・作道経由庄西線のバスに乗車。

客は僕1人だけだった。

 

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バスは海老江地区まで国道415号線を走り、南下。

その後西へ進路を変え旧下村や国道8号線沿いの集落に丹念に寄っていくが、

ものの見事に誰も乗ってこない。

 

射水市民病院のバス停でようやく待ち人が現れたが、

乗り込んできた御婦人が

「このバス、作道行く?」と問い、

運転手が「これは作道通ってきたバスだわ」と答え、

御婦人は結局乗らずじまい。

 

新湊に入って、本町交差点北という停留所でようやく1人乗ってきたが、

次の新湊コミュニティセンターで下車していった。

 

足洗老人福祉センターからぴったり1時間、

時刻表どおりの11時18分にバスは終点の中伏木駅前に到着した。

1時間も乗ったけどバスの運賃は200円なもので、

何だか申し訳ない。

 

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ここは庄川の西岸になるが射水市となる。

改めて地図を眺めれば射水市高岡市の境は複雑怪奇で、

合併しなかったのはそれなりの理由があるのだろうが、

深入りはしないことにする(笑)

 

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伏木万葉大橋をわたって対岸の高岡市伏木へ。

この橋が開通したのは2009年の8月で、

それまでは「如意の渡し」という渡し船が中伏木と伏木を結んでいたが、

僕は結局乗らずじまいだった。

 

乗船された方のブログを拝見すると15分ごとの運航で、

運賃は片道200円、万葉線とのフリーきっぷもあったそうだ。

 

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伏木の町に入ると急激に腹が減ってきた。

あれこれ検索するのも面倒だったので、

以前にお邪魔した「西海食堂」さんへ伺うことにした。

 

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昭和感たっぷりな店内に入ると先客は

「いかにも地元のおばあちゃん」といった感じの方が2人。

入り口側の席に座った僕を見て、

「兄ちゃん、今ストーブつけてくれたからこっちに来られ」

と奥にいざなってくれた。

 

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食堂のおばちゃんに中華そばとおにぎりを注文。

隣に座るおばあちゃんのもとにそばが配された。

おばあちゃん2人が「美味しいなあ」といいながらそばをすする。

 

僕のもとにも中華そばとおにぎりが配された。

澄んだスープの中華そばはしみじみ旨く、

特大サイズのおにぎりを頬張ればそれだけでシアワセな気分になれる。

 

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この時、隣のおばあちゃんが

「美味しかった、ごちそうさま」というのが聞こえた。

続いて

「最近、私、財布の中のお金、使った分を書くようにしとるが」

とおばあちゃんの1人が言って、

財布の中からメモを取り出して何かを書き込んでいる。

 

ふーん、なるほどと思い、

僕は中華そばに集中していたのだけど、

ここでおばあちゃんが「1、2、3、4」と数える声がした。

僕はここでも中華そばに集中していた。

チャーシューも厚めで美味い。

ここでおばあちゃんがこういったのだ。

 

「ぴったり17万円、ちゃんとあってる」

 

僕は口に含んだ麺を吹き出しそうになった。

隣にいるのは東京都内にいるような「マダム」然としたおばあちゃんではなく、

手押し車が似合いそうな、小柄な、おばあちゃんである。

そんなおばあちゃんが机の上に1万円札を17枚並べているのだ。

 

おばあちゃん2人は会計をすませ出ていった。

僕も600円(中華そば450円+おにぎり150円)を支払って店をあとにした。

 

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朝の段階では伏木駅から氷見線で高岡に向かうつもりであったけど、

立山連峰の眺めも良かったので海岸へ向かった。

伏木の町を抜け、越中国分駅から海岸沿いに歩く。

 

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頑張れば雨晴駅まで歩いて行けそうな気もしたが、

氷見線の本数があまりにも少なく、

バスもちょうど間があく時間帯だったもので、

越中国分駅へ引き返し、氷見線ディーゼルカーに乗った。

 

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写真は取りそこねたけど、

車内から伏木のリサイクル工場に先日引退した

関電トンネルトロリーバスの車両が並んでいるのが見えた。

 

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ずーっと山奥にある富山と長野の県境のトンネルを走り続け、

ようやく下界に降りてきたと思ったら、

富山の海辺の工場でスクラップにされるのか、

そんなことを考えると、妙に自分に重なるような気がして、

複雑な心境になったりもする。

 

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帰りの電車できっぷを買ったら財布の残金は1600円しかなかった。

西海食堂にいたおばあちゃんの100分の1以下である。

いい年こいて情けないといえば情けないが、

自分らしいといえば自分らしい。

 

僕は残り僅かなお金で宝くじを買い求め、家に帰った。