あわら湯のまち駅へ向かうことに。
東尋坊からやって来たバスからは6人の客が降りた。
車内には温泉帰りと思われる女性客が2人と私のみ。
定刻の9時22分から若干遅れて出発。
バスは高台へと上がり、 三国観光ホテルへ。
客が2人待っていたが、
東尋坊へ行かないとわかり乗らずに降りていく。
運転士さんが丁寧に説明している。
三国から15分ほどであわら湯のまち駅に到着。
そこそこ大勢の観光客がいたが、
東尋坊行きのバスにみんな飲み込まれ、
駅前は急に静かになった。
そして駅前のはずれのバス停に、
小さな可愛いバスがやってきた。
このバスに乗って北潟湖へ向かう。
10時ちょうどに出発。
客は私の他に1人だけ。
大江戸温泉の前にある福祉会館前バス停でもう1人乗車。
温泉街を抜けるとゆるやかな勾配を登り、
緑豊かな丘陵地帯をバスは淡々と進む。
あわら病院で2人下車。
「お客さん何処まで?」 年配の運転手が尋ねてくる。
「終点までお願いします」 私は言った。
あわら湯のまち駅から約20分で終点北潟菖蒲園に到着。
バスは誰も乗らないまますぐに折り返していった。
バス停の前には北潟湖畔荘という立派な温泉宿があり、
日帰り入浴もできるようだ。
食指が動いたがまだ午前中なので我慢する。
吊り橋のたもとで若者がサックスを吹いている。
静かな湖畔に、時折音のずれるサックスの音色が響く。
北潟湖では若者が数人、カヌーを楽しんでいる。
私はぶらぶら歩く。
地元高校のカヌー部だろうか、
筋トレに励む若者たちがいる。 私はぶらぶら歩く。
菖蒲園に行く。 この時期には何もない。
やることがなくなった。 バスが来るまであと20分。
風呂でも入れば良かった、 ぼんやり思う。
11時20分、バスがやって来た。
同じ運転手さんだ。
私だけを乗せてすぐに折り返す。
あわら病院へ。 さきほど降りた2人が乗ってくる。
来る時とまったく同じ面々を乗せて、
バスは芦原の温泉街へと入っていった。