さて、ホテル高州園の前にあった「キリコ会館」は
移設したとの旨の貼り紙があった。
港へ向かうと真新しい建物がある。
受付で聞けば3月29日にオープンしたばかりと言うこと。
以前の建物は2月28日で閉鎖とのことであったから、
1ヶ月早く来ていれば何も見れないところであった。
危ない、危ない(笑)
入場料は1人620円。
館内に足を踏み入れた瞬間に、ただただ圧倒される。
スタッフの方による解説もある。
改めて「キリコ」がいかなるものかと言えば、
巨大な御神灯であり、
祭礼の際、神輿のお供に担ぎ出す習慣が能登にはあるらしい。
さらに「クギ」は一本も使われていないとのこと。
さて、せっかく輪島まで来たのだ。
せめて一泊して朝市くらいは見てみたい。
そう思ってじゃらんをチェックしたが、
どこも満室なのか結果は数件しか表示されない。
さらに結構「お高い」もので
相方に有無をいわさず拒絶される。
相方はいつしか「スタンプラリー」の用紙を手にしていた。
「能登空港に行きたい。17時30分までに」などと言う。
時計を見れば16時10分。
福井から遠路はるばる4時間近くかけて来た輪島の街を、
滞在時間わずか1時間ほどで来た道を引き返す。
何でもかんでも「のと里山」にしてしまうのもどうかと思うが、
部外者が口をはさむことではない。
だが、個人的には「のと」より「能登」の方が
格好いいのに、程度には思う。
この建物は飛行場のターミナルであると同時に、
道の駅でもあり、さらに市町村の行政センターでもある。
スタンプの捺印が17時30分まで、というのも納得だ。
ちょうど17時00分発羽田行きの搭乗手続きが行われていた。
一日二往復の出発に立ち会えるのであるから
ツイているといえばツイている。
離陸は近くの展望台で見送ることにした。
さて、17時である。
私はそろそろビールを欲する時間である。
何としてでも一杯飲みたい。
多少の空きはあれどやはりいずれも高い。
しかし、じゃらんに掲載していない宿も有るはずだ。
私はとあるビジネスホテルのサイトを開いた。
2人で素泊まり1万円以下の部屋が空いていた。
相方はハナから運転するつもりはない様子だ。
私としてはせっかく遠路はるばるやって来たし、
さらにもう飲みたくて仕方ない。
となれば強引に泊まるしかない。
スタンプラリーはもう一ヶ所、
能登の観光地で押せばプレゼントに応募できるとのこと。
「せめて和倉で風呂くらい入ろう」
私は言った。
「いいけど、先にあがってビールは駄目やからね」
相方は言った。