北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

ガネーシャカレーで我が身の衰えに気づく

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あまり行きたくないが3度目の歯医者である。

 

私は予約時間より早めに行って、

待合室にある雑誌でも読んでいようと思っていた。

ところが早々に名前を呼ばれてしまう。

 

この歯医者、

診察室に入ると椅子が10台ほど並んでいて、

そこいら中で歯医者特有の音が響き渡っている。

 

で、椅子に座り、

助手さんが前掛けをしてくれるのだが、

なかなか治療は始まらない。

待合室にいさせてくれたらいいのに、と思う。

 

すべての席の前には窓がある。

窓の向こうはラーメン屋で、

テーブルを拭く店員の姿が見える。

 

こちらから見えるということは、

向こうからも見えるということか。

 

ということは向かいの店でラーメンを食べれば、

窓の向こうには

口をあけた人間が並んでいるということか。

 

何だかラーメンがまずくなりそうな光景だな、

そんなどうでもいいようなことを考えた。

 

やがて「お待たせしました」と医師がやって来た。

年配の男性だ。

この歯医者、3度来て3度とも医師が違う。

 

一回目は私より明らかに若い男性医師であった。

口癖は「すみません」だった。

「すみません、口開けてください」

「すみません、うがいしてください」

「すみません、じゃ、削りますね」

延々と「すみません」と言われるもので

何だかこちらが恐縮してしまった。

 

二回目は私より年上の女性医師であった。

「はーい、あーんして」

とすっかり赤ちゃんプレイ状態だった。

繰り返すが私は四十過ぎのオッサンである。

 

で三回目、三人目である。

「痛かったら手をあげてくださいね」

まるで子供をあやすように男性医師は言った。

 

だが、歯の治療なんて本来痛いものだと思う。

だから多少はガマンする。

でも顔がゆがむ時だってあるだろう。

 

するとこの医師、

「痛い?痛い?」などと聞いてくるのだ。

いったい私はどうすればいいのだろう。

 

さらにすさまじい力で私の口を開きながら

「あー、くそっ、入らん」

「あー、濡れちゃった」

「あー、ダメだ」

などと呪文のように言っている。

 

さらに

「はーい、カチカチして」

なんていうから噛んだら医師の指をかんでしまい、

「イテッ」なんて言う。

 

「はーい、じゃ、ギシギシして」

なんて言われるがギシギシって何ぞや?

 

となりの助手さん?に目を向けると

歯を横に動かしている。

なるほど、それを「ギシギシする」と言うのか。

日本語とはなかなか難しい。

 

次の治療は1ヶ月後であるらしい。

どんな先生が出てくるのか楽しみだ。

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出かけたついでに自転車を走らせていたら急激に腹が減ってきた。

私は普段の平日は「弁当」であるが、

この日は持っていなかった。

 

何を食うかと考えていると、

猛烈にカレーが食べたくなってきた。

 

私の相方は「辛い」食べ物を全く受け付けないもので、

2人で外食する時「カレー」という選択肢は全くない。

 

だが私自身、カレーは大好物である。

以前に住んでいた富山の部屋など、

玄関を出て徒歩5分以内に4軒のカレー屋があり、

いったい何杯のカレーを食したか分からない。

 

よし、今日はカレーを食おう。

 

しかし、福井のカレー屋を私は知らない。

よりによってスマホも忘れてきていた。

どっかで派手な看板を見たことがあるぞ、

と必死になって考えて、確か県庁の近くではなかったかと思う。

 

案の定、県庁の近くにあった。

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自販機で先に食券を買う。

「本日のカレー」なるボタンがあり、

この日はミルフィーユカツとチキンカツの

ダブル載せカレーであるらしい。

 

ぐふふ、

今日は「最近ぷにょぷにょになってきた」と

私の腹の肉をつまむ相方もいない。

心置きなく食べてやる!と迷うことなく注文した。

 

で、

出てきたのがこれだ。

米など一切見えない圧巻のボリュームである。

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あまりの迫力に若干たじろいだ。

 

では実食。

カツは(恐らく)冷凍品ではなく、

揚げたてサクサクで実にウマイ。

単品でソースを掛けても美味そうだ。

 

ルーも「金沢カレー」特有のドロッとしたもので、

適度な辛さがありウマイ。

 

ただ、惜しいのは圧倒的に「ルーが少なすぎる」ことだ。

後半はカツカレーではなくカツライスになってしまった。

 

で、これくらいの量ならペロッとたいらげる、

私はそう思っていた。

たびたび行っていた富山大学前の「カリカット」という店では

「やさたまコロッケ」にカツを追加なんてのを食べていたのだ。

 

そういやあの店なら店主のおじさんが

「ルー足りるか?」なんて言ってくれてちょい足ししてくれたよなー、

なんてことも思い出す。

しかし、今回は、どうしても食べきれなかった。

ボリュームに屈した。

 

私ももう四十を過ぎたのだ。

若くはない。

次回はカツ1枚にしておこう。

 

私はとぼとぼと店を後にした。

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