9時47分、北陸新幹線「はくたか554号」は高崎駅に着いた。
僕が降りるのと入れ替わりに大勢乗ってくる、
と思っていたが大したことはない。
しかしホーム上にはまだ多くの人がいる。
ほどなくして越後湯沢始発の「Maxたにがわ406号」がやってきた。
なるほど、わざわざ金沢始発の列車に乗るより、
こちらの方が空いてて快適そうである。
僕も地元民なら「たにがわ」を選ぶだろう。
改札の前には二十年来の付き合いがある友人が待っていた。
彼に会うために僕は毎年高崎を訪れているのだが、
毎回酒飲んで一泊して終わりである。
そんな訳で周辺を散策したことなど一度もない(笑)
今回は
なんて話になっていた。
「実は俺も一度も行ったことがないンだよね」とも言う。
ま、地元の名所なんてそんなもんだと思う。
彼が手にしていた袋には缶ビールが入っている。
新幹線で飲めなかったことを見透かされていたのか。
まったくもって有り難い友人である。
上信電鉄の乗り場に行くと、
駅員が「乗るなら急いで下さい!」なんて叫んでいる。
えーっと、きっぷはー、何て言ってると、
整理券みたいな紙切れを渡されて
「とにかく乗ってください!」
と言われるままに列車に飛び乗った。
友人は「富岡製糸場の入場券と往復の乗車券がセットになったやつ」を
買うつもりだったらしい。
「この電車、めちゃくちゃ運賃高いンだよ」と笑う。
なるほど、高崎から上州富岡まで20キロほどだが790円もする。
富山地鉄といい勝負かもしれない。
ひとまず再会を祝して缶ビールで乾杯した。
40分弱で上州富岡駅に到着。
(この時点でロング缶を3本ずつ空けてました。すみません、、、)
上州富岡駅でもセット券を購入することはできた。
所定の往復運賃が1560円、
富岡製糸場の入場料金が1000円、
合計2560円が2140円になる。
製糸場までは歩いて10分ほどか。
ぶったまげるほどのヒト、ヒト、ヒトである。
http://www.tomioka-silk.jp/hp/index.html
ひとまわりしての感想は、
正直言って1000円は「高すぎる」ということか。
ちなみに今年の3月までの入場料金は500円だったらしい。
なかなか強気でないか(笑)
世界遺産に認定されて調子にのったのか、
逆に多く来すぎたお客さんを抑制する意味があるのか、
通りすがりの酔っ払いにはよく分からない。
歴史的遺産をこれからを守るために必要なら仕方ないが、
それなら今までは何で500円だったのか、
なんて話が出てもおかしくない。
ま、似たような時期に
我が地元に近い姫路城も
600円から1000円に値上げしたというから、
それがスタンダードになっていくのかもしれない。
世界遺産や国宝認定は貧乏人から旅の魅力を奪っていく、
なんて感じるのは僕だけなんだろうか。
ただ、世界遺産云々は抜きにして、
富岡の街はぶらぶら散策してても楽しかった。
歩けば腹が減る。
暑いし喉は渇く。
「ホルモン揚げ」なる旗に惹かれ、
こちらの洋食屋にお邪魔する。
真っ先に頼んだのは当然ビールで、
肝心の「ホルモン揚げ」が届く前に
2人で瓶ビール1本空けてしまう。
突き出しに出てきたひじきの煮つけがまたウマイ。
ビールを追加したら今度は枝豆が出てきた。
そしてついに「ホルモン揚げ」の登場!!
4本で250円って、安い(笑)
そして、かぶりつく。
む、これがホルモン????
えらい柔らかいぞ、、、、
正直に言うと、
僕も友人もこの「正体」について全く何か分からなかった。
ただ、安いし酒のアテには最高でもう一皿追加した。
この正体を知ったのは、
まさにこの記事を書くために
ネットで調べたからに過ぎない。
だから知ったのはつい数分前のことだ。
そんな訳で
「ホルモン揚げ」とは何ぞや、なんて余計な詮索はせず、
ビールをキューッとやりながらアツアツを頬張るのが
正しい姿であると思われる。
ミックスフライとさらにビールを追加したら、
店のオヤジさんらしき方が現れて、
「これ、切って水にさらしてないンだけどさ、食べてみな」
とオニオンスライスを出してくれた。
なんじゃ、この甘い玉ねぎは!!!
ミックスフライの到着にあわせてもう1本ビールを追加。
うーむ、満腹、シアワセ ♪♪
いい歳したオッサンふたりは、
千鳥足になりながら富岡駅まで戻った。
時計を見るとまだ14時だった。
「電車で寝て、また飲み直そう」
友人は言った。
「いいねー」
僕は言った。
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