「堀井」さんの唐揚げ定食で腹を満たし、
外へ出ると雨はしんしんと降って、
さらにちょうどバスも出て行って、
何だかなーと思いつつ傘をさし、駅を目指した。
高岡の街なかは道路が斜め格子状になっているもので、
まっすぐ南北に動きたい時は案外頭を使う。
そしてそのうちにあれれ、何処へ向かってるンだっけ?
と僕はいつも迷ってしまう。
ま、そのうち通りにでも出るだろうと思い、
適当に街をさまよう。
高岡駅のきっぷ売り場では延々と何かのアナウンスが流れていた。
よくよく聴けば「クレジットカード使用不可」とのこと。
さらにこの貼り紙の文面もすごい。
「クレジットカードご利用の方はJRの駅のみどりの窓口(新高岡駅・富山駅・金沢駅等)でお願いします。」
これが人口17万人の町の中心駅の窓口かと思えば
何とも情けなく、かつ泣けてくるような光景と言える。
140円余計に出して新高岡駅へ行け、とも読める。
ちなみにこれに近い話を先日コメントで頂いた。
こんな貼り紙をして、
放送でまで延々と流しているということは、
それだけクレームが多いのではなかろうか。
あいの風とやま鉄道のサイトを見ると以下の様な記述が。
一部の駅では、窓口での定期乗車券購入に限って、クレジットカードをご利用いただけます。利用できる駅は、石動駅、福岡駅、高岡駅、越中大門駅、小杉駅 (南口を除きます)、呉羽駅、富山駅、東富山駅、水橋駅、滑川駅、魚津駅、黒部駅、入善駅及び泊駅です。ただし、定期乗車券以外の乗車券や乗り越し精算等 にはご利用いただけませんのでご注意ください。
ちなみにIRいしかわ鉄道はこうなっている。
各駅の窓口(倶利伽羅駅を除く)では定期券及びJR線きっぷのご購入においてクレジットカード(Visa、MasterCard、JCB、American Express、Diners Club、DISCOVER)をご利用になれます。
ICOCAにしろクレジットカードにしろ、
相互乗り入れしている割に随分考え方が違うものだ。
僕は日常生活においてよっぽどの時しかカードを使わないけれど、
相方なんかはスーパーやコンビニでもすべてカード払いだ。
だからカードを使えない店なんかは
「行かない」という選択になっている(笑)
そんな視点から見ると何だかもったいないことをやってるな、
そんな気もしなくはない。
さらにICOCAについてもこんな貼り紙が。
あんまりやる気がなさそうですな(涙)
ちょうど城端線の列車もあったもので、
新高岡駅の様子も見てこようと思う。
以前訪れたのは5月だったから多少は変化しているのだろうか。
そんな期待もこめて。
2両編成の城端線のディーゼルカーは何だかんだでそこそこ乗っている。
降車口は運転席の後ろに限られ、
随分と乗降に時間がかかるような気もした。
せめて係員くらいいればいいのに、とは思う。
さて、久々の新高岡駅である。
以前の記事はこちら。
ところが新高岡駅周辺にやはり「変化」を感じない。
「かがやき」通過のダメージが大きいのかな、、、、。
さて、ここからのアクセスを北陸在住者の視点ではなく、
観光客なりビジネスの視点でみてみたいと思う。
はじめての高岡として。
まず第一に気になった点が、
高岡市の観光サイトなんかを見ても、
新高岡駅〜高岡駅の移動手段については触れられていないことだ。
東京や大阪から新高岡駅までの手段は紹介されている。
これに対して高岡駅周辺の観光地のページを見れば、
すべて高岡駅から徒歩◯分といった書き方である。
また、上記のサイトをざっと見た感じ、
もう一点気になったのは、
すでに廃止された富山空港〜高岡のバスがまだ記載されていることか(涙)
やる気をなくすにはまだ早いと思う。
そして、ビジネスなり観光なりで新高岡に降り立ったとしても、
この周辺にあるものはイオンくらいだから、
宿泊するにせよ食事するにせよ
市内中心部への移動手段は当然必要となる。
ま、お金に余裕があればタクシーの利用なんだろうけど、
それほど台数が常駐してる気もしない。
それもやらない。
唯一頑張ってるのが加越能バス。
10分間隔、の高頻度で高岡駅南口との間を結んでいる。
その名称は「シャトル6」とあり、
でかでかと看板も出ている。
さて、実はこの時に観光客の方がいたのである。
ひとまず高岡市内を目指すようで、
ま、乗り場にいるなら安心だと思っていた。
バスが出発していったのを駐車場の周辺から眺めていた。
ところが20分ほどウロウロして、
バスのりばに戻ってきたら、
まだそこに先ほどの観光客の方がいるのである。
この時に氷見市民病院行きのバスが来たのだが、
乗る様子はない。
そんなもので何処に行くンですかと聞いてみたら、
瑞龍寺だという。
「このバス通りますよ」なんて言えば「え?」なんて言う。
どうやら完全に「高岡駅行き」の「シャトル6」という名のバスが来る、
そう思っていたようである。
無論、バスの方にも「高岡駅」と小さく書いてあるのだが、
確かに「石動行き」や「氷見行き」、「富山駅行き」のバスが
案外わかり辛いものなのかもしれない。
これは高岡に限らず全国何処のバス事業者にも言える話だが、
路線バスが観光客にとって使いづらいのは、
根本的に「ヨソモノが使う」ことを前提としていないからであろう。
地元の人間が「わかっている」ことを前提に看板なり表示をつくってしまう。
「瑞龍寺、高岡駅に参ります、シャトル6です」と一言言ってやってくだされ。
無駄にバスを見過ごしていたのは絶対に彼らだけではないだろう。
大阪駅には「このホームからでる列車は全て新大阪に停まります」そんな
表示があったように思うけど、
それと同じようなものが新高岡のバスのりばにあっても良いような気がした。
それ以前に何が悲しいかって言えば、
例えばヤフーの乗り換え案内で高岡〜東京なんて入力すると、
「あいの風とやま鉄道」で富山に出るルートがフツーに出てくることである。
おまけに新幹線の距離が短くなる分、安いし(笑)
もし僕が今も高岡市民で東京方面に出るのなら、
間違いなく富山駅経由にするだろう。
土産物屋も食事も富山駅の方が充実しているし、
少なくとも乗り換え時間を楽しむことができる。
ところが新高岡にはそれがない。
せっかくなのでシャトル6に乗った。
高岡駅南口までの所要時間は8分。
これに対し新幹線は9分ほどで新高岡と富山を結ぶ。
せっかくなので北口(高岡駅前)まで乗ってみた。
高岡駅をぐるりとまわり、
新高岡駅からの所要時間は15分。
運賃は共に160円。
以前はこの地に何とも怪しげなバスターミナルがあった。
ほとんど廃墟と化したビルだったけど、
何軒かの飲食店が頑張って営業を続けていた。
その一画に、
年配のご家族でやっている、
「キッチンひらた」っていう洋食屋があった。
手作り感満載のエビフライとか、
安くてボリュームがあって、
しみじみウマかった。
せいぜい半年に1回程度の利用だったけど、
山から降りてきた時の、
ささやかな楽しみだった。
もう今や跡形も無い。
そういやはじめて富山おでんを食べた、
やはり老夫婦でやってる居酒屋も見つからなかった。
大根の上にとろろ昆布が載っていて、
「何じゃこれ」と思ったが
ウマイに決まっているのだ。
僕が住んでたボロ家は建て替えられて跡形も無い。
お世話になった大家さんは砺波に移住されて、
まるで父親のように色々面倒みてくれた方も、
亡くなってはや15年ほどになる。
20年もたてばかわらないようで色々変わるのだ。
ああ、高岡に帰る場所って、
もうなくなっちゃったンだな、
そんなふうに思った。
どうしようもない酔っぱらいだって、
たまにはセンチな気分にも、なる。