鶏の唐揚げなる食べ物が大好物である。
バイキングレストランなんかでどーんと盛っていると、
ついつい嬉しくなって取り過ぎてしまうし、
2月に高岡まで出かけたのも
「唐揚げ」を食べるためだったといっていい(汗)
家でもたまに作る。
ただ、鶏肉というのは恐ろしく火が入りづらい食材なので、
「ちゃんと揚がったかなー」
なんて思いつつ一口ほおばれば、
うむ、今日もなかなかうまくできたと自画自賛してしまい、
冷蔵庫からビールを出してプシュリとやれば、
「やっぱり揚げたてに限るよなー」
と、つまみ食いが止まらなくなってしまい、
晩飯を作っているのやら食べているのやら分からなくなってしまうのが
悩みのタネでもある。
そんなもので最近は家で作るのも控えるようにしている。
この日の朝も、目覚めた瞬間から何となく気分は唐揚げだった。
先日もブタヤロウ食堂さんでガッツリ頂いたばかりだったので、
今日は新規開拓してみるかと思い、
ネットで検索。
↓ブタヤロウ食堂さんに初めて伺った際の記事
すると、勝山に気になるお店を発見した。
よっしゃ、勝山に唐揚げ食いに行くべ。
ぶらぶら歩いて福井駅を目指した。
勝山行きの1両編成の電車は
福井出発時点で適度に席が埋まる程度だったが
福井口を出るとほぼ埋まった。
「このあたり、車窓絶景100選に選ばれた〜」と
案内すると一斉に左手の窓を見ていたから、
ほとんどが観光客だったのかな。
55分弱の所要時間で勝山駅に到着。
さて、今回目指すお店は歩いて行くには若干距離がある。
そんなもので以前から気になっていた
「レンタサイクル」を使ってみることにした。
えちぜん鉄道ではいくつかの駅で自転車を借りることが出来るのだが、
その料金が普通自転車の場合、驚きの「50円」なのだ。
(電動アシストは500円)
今の御時世、50円で貸してもらえるものなんて、
他にまったく思いつかない(笑)
改札口で受け付け。
「普通の自転車でいいですか?電動にされますか?」
と、女性の駅員さん。
唐揚げ食べて帰ってくるだけの予定だったので、
「普通のでお願いします」と答え、50円支払う。
すると鍵が出てきて、
「自転車は建物でて右側の、ずーっと奥にあります」
との説明を受ける。
駅舎の隣にある駐輪場の一番奥に、
指定された自転車はあった。
50円とは思えぬ立派な自転車だ。
そして、
僕は普段から自転車を使っているが、
それは小径の折りたたみ自転車であり、
いわゆる「ママチャリ」なんていうのに
随分久しぶりに乗ったような気がする。
下手すりゃ高校時代以来かもしれぬ。
九頭竜川を渡ってしばらくまっすぐ進み、
元町の交差点で右折。
しばらく進むと、目的のお店「ゆかり」さんはあった。
店内はまさに「広い喫茶店」で、
まだ昼には早い時間であったがそこそこ賑わっていた。
愛想のいい奥さんに唐揚げ定食を注文。
すると隣に僕と同世代であろう、
スーツ姿の常連さんらしき方が現れて、
奥さんといろいろ話をしつつ唐揚げ定食を注文。
そこで「あれ?」と思った。
カウンターの中は流しとコーヒーを入れる器具が並ぶ程度で、
そこで調理をする様子はない。
どこかに厨房があるのだろうか。
ところが
奥さんが「唐揚げ定食2つ」なんて言葉は一切発していない。
そのからくりは次のお客さんが現れた時に分かった。
男女2人組が入ってきて、
席につく前に「唐揚げ定食」を注文。
すると奥さんはそれをメモに書き、
背後の小さな扉をあけて中へ入れた。
しばらくするとブザーがなって、
奥さんが小さな扉を開くと、
そこに定食の類が並んでいるのだった。
奥が厨房になっているのだ。
しばし待って僕と隣の男性のもとに「唐揚げ定食」が届いた。
うーむ、確かにデカイ唐揚げが1,2,3,4,5個。
「ブタヤロウ食堂」さんや「堀井」さんの唐揚げと一度並べてみたい。
ご飯も大きな器にぎっちり盛られている。
いざ実食。
衣は薄いのにカリカリに揚がっており、
噛めば鶏の肉汁があふれだす。
味付けは「あっさり系」で、
最近「ガッツリ系」ばかり食してきたから
若干もの足りないかなーなんて思ったのは最初だけで、
ぺろりと1個、2個と食べてしまう。
キャベツに添えられたマヨネーズに唐揚げをひたせば
また違った味わいが楽しめる。
別にポン酢が添えられているのも嬉しい。
それにしてもすさまじいご飯の量だ。
最初に量をきいておけばよかった、
これは女性など食べきれないのでは、
と思って、後から来た男女2人組のトレーを見れば、
何とご飯の器の大きさそのものが違う。
僕の隣の男性をちらりとみれば、
小さめの器にもられたご飯を食べていた。
こういった細やかな気遣いって、
なかなか出来ないことだよなーと思う。
この後も続々お客さんが入ってきたが、
みなさん地元の常連さんばかりのようだった。
顔見ただけで「唐揚げでいい?」なんて言われてる方もいる。
最初は食べきれるか不安であったけど、
お味噌汁もいい味付けだったし、
お新香もたっぷりあって、
何だかんだでぺろりと完食。
ごちそうさまでした。
腹も満たされて店を出た。
夏を思わせる陽気で上着をかばんにしまう。
このまま勝山駅に戻るのはもったいないような気がしてきた。
久しぶりに勝山大仏でも見てくるか、
いや、待てよ、平泉寺白山神社にリベンジだ。
平泉寺白山神社は美しい「苔」が有名とのことで、
福井に来てからぜひ行きたいと思ってて、
昨年の3月に念願かなって勝山駅からバスで行った。
すると境内は雪に覆われていて
苔どころではなかったのだ。
で、気楽な気分で平泉寺白山神社へとママチャリで向かったのだが、
このあと僕はただただ後悔をすることになる。
続きはまた次回、、、