北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

鯖江市役所でウン十年ぶりに給食を食す

福井もいつしか梅雨に入っていた。

 

梅雨が好き、なんていう方もいるかもしれないが、

僕は嫌いというよりは苦手である。

それは「傘」を手放せないから。

 

昔から何かを手に持つということが苦手だった。

 

僕がひんぱんに山に登ってた頃は

「ストック」を持つのがブームになりつつあった時代で、

「めちゃくちゃ楽だよー」

なんて言われたもんで買ってはみたものの、

普段持ち歩かないものを手にしたところで、

気づけば失くしてた。

 

中学生の頃だったか、

正月早々妹と2人で大阪周辺の親戚をめぐり、

「お年玉」を頂きまくるなんて旅をしたのだが、

親戚のおんちゃんがお年玉と一緒に「ハンドバッグ」をくれた。

 

その「ハンドバッグ」に頂いたお年玉をたんまり入れ、

「いやー、今年も豊作だった」

なんて喜んでいたら、

大正駅のきっぷ売り場に忘れた。

 

 

 

そんでもって傘である。

僕の場合、

ちょっと雨がやんだりするとすぐに何処かに忘れてくる。

間違いなく40年以上生きてきて100本は紛失していると思う。

 

相方は「10,000円くらいの傘をかえば忘れなくなるかもね」

なんて笑うけど、

無論そんな勇気はない。

 

そんなもので僕は雨が降るとつい憂鬱になり、

引きこもりがちになってしまう。

そして出歩かなくなると、

今度はテツ分が不足して、

体調不良に陥る。

 

この日の福井の天気予報は午後から雨。

だけど週間予報を見ても自分が動けそうな日は軒並み雨だった。

幸いにも今は降っていない。

僕は一応傘を持って福井駅に向かった。

 

ハピリンの前にあるウェルカムセンターで、

福井鉄道の回数券を買った。

福井鉄道は週末には格安のフリーきっぷがあるのだが、

残念ながら平日には存在しない。

 

しかしながら福井鉄道には乗車区間フリー回数券という、

10枚綴りで3000円という回数券がある。

(有効期間は半年)

福井駅から越前武生駅までの片道運賃は400円だけど、

この回数券を利用すれば300円で行けるということだ。

 

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http://www.fukutetsu.jp/Train/ticket_kaisu.html

 

で、この回数券を買って駅に向かえば、

ろくすっぽ時間を調べていなかったというのもあるが、

よりによってちょうど越前武生行きの電車が出発したところだった。

 

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ここで僕はTOKIO鉄腕DASHでもないけれど、

ひとつの実験に挑戦してみることにした。

 

この電車に、市役所前から乗れるか。

 

福井鉄道の通称ヒゲ線はわずか600メートルという距離なのだが、

福井駅から越前武生に向かう場合、

市役所前でスイッチバックが必要という事情もあり、

福井駅の出発後、市役所前を出るのは8分後なのだ。

 

で、久々にダッシュなんかしたもんで、

市役所前駅に着いた頃には息も切れ切れ、

額から汗が吹き出す始末、、、

何とか間に合っただけ良しとするか。

 

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前武生行きの電車は空いていた。

市役所前を出た時点では10人前後いたけれど、

西山公園駅で下車した時点では

1人しか車内にいなかった。

 

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今回目指すのは鯖江市役所である。

別に移住を考えている訳ではなく、

昼飯を食べに行く。

 

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西山公園駅はこれまでも何度も利用しているが、

西山公園と反対側に向かうのは初めてだ。

 

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途中に「すりばちやいと」で知られる中道院というお寺がある。

「すりばちやいと」とは毎年2月20日と3月20日にこちらのお寺で行われる

「御夢想灸」なる、すり鉢型の護摩炉を頭にかぶって無病息災を祈願する行事で、

毎年福井ではこの時期にニュースで流れる。

 

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そういや、でもないが、

僕が富山で働き出したのは高校3年生の頃で、

まだ田舎のワルガキそのものであったから、

職場の奥さんに「やいとするで!」なんて

よく言われていたことを思い出す。

 

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当時は何のことやらさっぱり分からず、

聞き流してヘラヘラ笑っていたけれど、

後から知れば「お灸をすえる」って意味だったらしい。

 

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あの頃、奥さんが真剣に

関西弁をしゃべる生意気な糞ガキに、

ちゃんと「やいと」しといてくれれば、

今はもう少しまともな人間になれてたのかな、

なんてことも思う。

 

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地下道を抜けて鯖江市役所へ。

こちらでは福井県庁と同じく外来でも食事がとれる、

そう聞いて今回訪れたのだが、

食券の販売機に不思議なメニューが。

 

学校給食、なるメニューがあるのだ。

 

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冷静に考えれば、

僕が「給食」なんてものを食したのは

中学校が最後であるから30年近く前になる。

 

そして、福井では今、残念な意味で「給食」が

ニュースで流れていたりもする時期だった。

www.fukuishimbun.co.jp

何となく、今時の「給食」ってものに興味が生まれ、

僕は「学校給食」のボタンを押した。

 

食券をカウンターに持って行くと、

「どっちになさいます?」

なんて言われる。

 

どうやらこちらでは市内の2つの学校の給食が選べるそうだ。

 

僕の中で給食といえば、

一応「給食当番」がいて、

主食、おかず、添加物?だったかな、

アルミのトレーをもって並んでよそってもらい、

「それ嫌いやから減らしてー!」とか、

「もーちょい入れろよ!」とか言ってたような気がする。

 

牛乳は瓶だったし、

キャップ外しを持って開ける係なんてのもいた。

たまーに「ミルメーク」なんていうコーヒー牛乳の素みたいなのがついてて、

その時はめちゃくちゃテンション上がったし、

普段は主食がコッペパンだったけど、

週に1回か2回だったかご飯の日があって、

それが「わかめご飯」だった時はめちゃくちゃ嬉しかった記憶がある。

添加物で一番人気があったのは「クジラの竜田揚げ」だったような(遠い目)

 

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で、鯖江市の給食である。

どーやら今時の給食とはこんなトレーに入っているらしい。

お値段はご飯なしが340円でご飯付きが460円。

 

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食べ盛りの子供には物足りないかもなーなんて思ったけど、

一品一品は実に美味しかった。

(写真右側の椀は具のない汁じゃなしに素麺のつゆ)

 

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何より、こういった学校給食を市役所の食堂でも食べることができるって、

非常に優れたアイデアだと思う。

親だって自分の子供が学校で何を食べているか、

献立表だけでなく市役所にさえ行けば実際にわかるのだ。

ある意味めちゃくちゃ安心できるものではないか。

 

何となく以前から鯖江は住み心地が良さそうだ、

なんて感じてたけど、

確信にかわりつつあったりする(笑)

 

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福井鉄道の回数券も買ったばかりだし、

またお邪魔します。

ごちそうさまでした。

 

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帰りは水落駅まで歩き、

ki-boに乗って福井に帰った。

 

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市役所駅前で降りたら、

雨が降っていた。

 

そして気づいた。

傘がない。