北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

えちぜん鉄道鉄道永平寺勝山線徘徊記 〜お食事ハウス「はら」のカツカレーラーメン〜

若い頃から涼しいというか、

むしろ夏場でも暖房が必要なところで過ごしてきたもんで、

まったくもって暑さに弱い。

下界で過ごし始めて何年もたつけど、

暑さにだけは慣れない。

 

寒さに対してはそれなりに対処できるが、

暑さにだけはそう対処すればいいのか分からない。

 

街を徘徊することを常日頃から趣味としているが、

これだけ暑いと出歩く気力も沸かぬ。

だからといってじっとしているのも性に合わない。

 

こんな時には電車でうろうろするに限る。

何せ電車は涼しい。

幸いにも今日は週末で、

えちぜん鉄道にも福井鉄道にもフリーきっぷがある。

さらには青春18きっぷも使える。

 

あまり深く考えずに福井駅に向かう。

 

 

 

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福井駅前に着いたとき、

ちょうど越前武生行きの福井鉄道の電車が出発して行った。

そんなものでえちぜん鉄道福井駅へ。

三国港行きの電車が出た後で次は勝山行き。

何となく福井市内よりは涼しげな気分がしたもので、

フリーきっぷだけ買って乗り込んだ。

 

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2両編成の電車はそこそこの乗車率。

恐竜博物館にでも向かうのか、家族連れの姿も多く、

それなりに車内は賑やかだった。

 

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発坂駅を出ると、

車内アナウンスが「次は比島」と告げた。

 

あ、この電車、止まるンだ、

てなことを思う。

比島駅は勝山駅のひとつ手前に位置するのだが、

日中の半数の電車はなぜか通過する。

 

今回は特に何か目的がある訳でもない。

せっかくなので下車してみることにした。

 

アテンダントさんに切符を見せて下車。

すると扉の確認をした運転士さんが、

「次の福井行きは通過しますが大丈夫ですか」

なんて声をかけてくれた。

「歩いて勝山駅行きます」

僕は言った。

 

よっぽどこの駅で降りる客というのは珍しいのかもしれない(笑)

 

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電車が行ってしまうと、

そこには静寂があるのみ。

周辺には民家もあるが、人の気配は感じない。

とりあえず線路沿いの小道を、

勝山駅に向かって歩く。

 

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このあたりまで来ると福井市内とは違って幾分暑さも和らぎ、

九頭竜川をなでた風も何とも心地よい。

木々の緑も気のせいかずいぶん深みを帯びているように感じる。

 

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20分ほどで勝山駅に到着した。

勝山は駅と市街地が若干離れているもので、

今日は市街地を徘徊する気力はわかなかった。

 

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恐竜博物館の手前にある恐竜のモニュメントの首が折れた、

なんてニュースもあったから、

ちょっと心惹かれるものもあったけど、

何せ遠い(笑)

 

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ホームに停車している電車は、

まさに先ほど乗ってきた電車である。

すなわちアテンダントさんも運転士さんも同じ。

アテンダントさんが

「本当に歩いてきたンですね」と笑った。

 

帰路は保田駅で下車してみた。

この駅と次の小舟渡駅の間が、

九頭竜川と線路が寄り添い、

何とも風光明媚な区間である。

 

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電車で通れば数分だけど、

特にこんな目的のない時こそ

少しは歩いてみたい。

 

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釣り人を眺めつつぶらぶら歩き、

やはり20分ほど歩いて小舟渡駅に到着した。

木陰でそれほど暑さは感じないが、

じっとり背中は汗ばんでいた。

 

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小舟渡、いい駅名だ。

その昔は対岸まで小舟をつないだ「舟橋」があったという。

 

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以前は対岸を走る国道から

「小舟渡かまぶろ温泉」という立派な看板が見えており、

いつか行ってみたいと思っていたら

気づけば廃業していた。

 

やはり「いつか行ってみたい」じゃ駄目だんだよな、

行きたいと思った時に行っておかねば、

なんてことを人っ子ひとり現れないホームでぼんやり思う。

 

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適度に歩いたものでそれなりに腹が減ってきた。

さて、昼飯はどうするかと考えて、

以前から気になっていた店を訪ねてみることにした。

 

たびたび行っている訳ではないが、

僕は北陸道を金沢方面に向かう時、

福井市内からは通称「勝山街道」という、

えちぜん鉄道に沿った道を経由して、

福井北インターを利用している。

 

そこでいつも気になっていたのが、

農林高校の近くにある「カレー、ラーメン」と書かれた看板だった。

ただ、その道沿いにはそれらしき店は見当たらず、

通りすぎてはすぐに忘れる存在だったのだが、

何となく心の奥底に引っかかる存在だった。

 

農林高校の近くだから越前新保駅が最寄りとなる。

はて、お店はいったい何処にあるのか。

 

 

 

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越前新保駅で電車を下りて、

勝山街道へ出た。

看板は確かもう少し勝山よりにあったはず、

そう思って勝山方面に向かうと見覚えのある看板が現れた。

 

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その看板には「カレー、ラーメン」

その下に「お食事 はら」と矢印が書かれている。

その矢印の方向に目をやれば、

「お食事ハウス はら」と書かれた看板が見えた。

 

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その手前の橋には左手に「ソースかつ丼 はら」

右手に「カツカレー はら」なる看板が見える。

うーむ、いったいどんな店なんだろう。

 

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「お食事ハウス はら」さんはまさに線路沿いにあった。

わざわざ勝山街道まで出る必要はなかった、

と言えるのだが、ま、営業中だったので何より。

 

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店内は4人がけのテーブルが3つとカウンター。

お昼時を過ぎた時間だったが、

先客は3人。

 

メニューは驚くほど豊富で、

定食の類からそば、うどん、カツ丼にラーメンと、

まさに何でもある。

 

しかしながら店員はお婆ちゃん(失礼かな)1人のようで、

ずいぶん忙しそうだ。

メニューの中に気になる一品を発見。

「カツカレーラーメン ライス付き 800円」

 

お店の名前を冠した「はら定食」にも惹かれたが、

冷たいお茶を出してくれたお婆ちゃんに

「カツカレーラーメン」とやらを注文してみた。

 

しばらくするとお爺ちゃんらしき方も現れた。

ご夫婦で営んでいるようだ。

雑誌や漫画もずいぶんあって、

待ち時間は苦にならない。

 

すぐ隣をえちぜん鉄道の電車が通り過ぎていく。

電車は越前新保駅で交換するので、

またすぐに電車が通り過ぎていく。

 

ほどなく現れた「カツカレーラーメン」は、

なかなかインパクトのあるビジュアルだった(笑)

まったくもって「ラーメン」という感じがしない。

 

写真撮っていいですか、と尋ねたら、

お婆ちゃんがにっこり笑ってくれたもんで

とりあえず一枚。

 

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そして箸をいれれば、

何ともとろみの強いスープの中から麺が現れた。

そんでもって麺にこの濃厚なカレーが実によくまとい、

かつ熱い、かつ予想以上にスパイシー。

 

添えられた白ご飯にこのカレーをまとった麺を載せて食す。

あ、こりゃいいや。

揚げたてのカツにカレーをまとって白ご飯に載せて食す。

あ、これもまた良し。

 

そして、スープのとろみが強いんで、

麺を食べ終える頃にはスープが一滴も残らず、

かつ白ご飯もなくなっていると、

すべてがうまくまとまっている、

そんな感じがした。

 

何とも愛想のいいお婆ちゃんとあいまって、

また来たい店が一件増えた。

ごちそうさまでした。

 

ちなみに北陸だと、

富山の新湊にも「スパロー」っていう、

カレー中華の店があります。

他の地においてはあんまり見かけないような気がしますが、

どうなんだろ。

 

さて、あとは風呂でも入ればそれで良し。

 

越前新保の駅から

勝山よりに戻れば観音町に阿津満湯という銭湯があるのだが、

まだ開湯前である。

福井よりに一駅行けば極楽湯がある。

 

色々悩んだが、

結局フリーきっぷをフル活用することにして、

結局あわら温泉まで行くことに。

福井口駅は着々と高架化工事が進行中。

 

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いつも通りワンパターンになりつつあるが、

あわら湯のまち駅の目の前にある

「芦原荘」さんでひとっ風呂浴びさせてもらう。

日帰り入浴は500円。

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先日頂いたコメントの返信にも書いたのだけど、

基本的に福井の入浴施設って、

案外気軽な値段で入れるところが多いような気がする。

カラスの行水程度の自分には本当にありがたい限りだ。

 

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駅前のコンビニで酎ハイ一本飲んで福井に帰ったら、

地獄のような暑さはやんでいて、

心地良い夕暮れの風が吹いていた。

 

それでも何だかんだで暑かったみたいで、

やっぱり部屋に帰るなりシャワーを浴びることになった。