北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

待てない男は足羽山を抜けえち鉄電車に乗った

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平日朝の8時10分すぎの福井駅前。

ちょうど西口の駅前広場に達したときに、

緑のFUKURAMが出発していったから8時14分すぎということか。

行き先表示を見れば「急行・越前武生」とある。

 

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FUKURAM3兄弟(勝手に僕が命名)の中でも、

この末っ子だけはえちぜん鉄道に乗り入れず、

線内の各駅運用ばかり使われているイメージがあるもので、

何だか「急行」の文字が新鮮である。

 

ま、それ以前にヒゲ線に乗り入れる急行も珍しいのだが。

 

 

 

緑のFUKURAMを追いかけるようにして

駅前商店街を歩いた。

気づけば9月。

朝方涼しいというだけで何となく気分はいい。

 

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この日の僕は、

朝から何となく「カツカレー」な気分だった。

一度食べたいと思えば頭の中を

エンドレスでカツカレーが回り出す。

 

なら何処で食べるかと考えた時、

真っ先に思い出したのは運動公園近くにある

「やまだ食堂」さんである。

以前、富山の相棒と野球観戦がてら伺ったら定休日だった。

 

今日なら開いているはずだった。

だがこんな時間にバスなりで直行しても開いているはずはない。

そんなもので足羽山を超えていこうと考えた。

 

僕はたびたび足羽山に登っているのだが、

ほとんどが毛谷黒龍神社から登って、

藤島神社足羽神社を参拝して、

愛宕坂を下るというパターンが大半である。

 

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ところが福井の方のブログを見ると、

駐車場の関係からか、

球場のある運動公園側から登ったという記述をよく見る。

要するに縦走ができるということだ。

 

そこで考えたのが足羽山を縦走して、

運動公園側へと下り、

やまだ食堂さんでカツカレーを食べ、

バスに乗って帰ってくるといったルートだった。

 

そんなもので、

愛宕坂を登りつつもずっと頭の中はカツカレー一色だった。

 

愛宕坂をほんの少し登れば福井の街が一望できる。

いつ見ても好きな福井の光景であったりする。

 

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愛宕坂については足羽神社のサイトにこんな記述がある。

天承3年(1575)柴田勝家によって一乗谷から愛宕大権現(朝倉城下の守護神として祀られていた)が山に移されてきてから、一般的に愛宕山と呼ばれ、この坂を愛宕坂と呼んだ。 文政11年(1828)立ち矢町の商人・松岡屋吉兵衛が世話人となり、現在のような石階段が完成した。

昔から笏谷石を使った情緒ある坂である。現在、坂の途中には橘曙覧資料館、茶道美術館、料亭、剣道場などがある。 また百段坂につながる横坂は昔ながらの面影をそのままに残している。江戸中期のものと推定される絵図に記されている。白山も一望できる。

曙覧の作品に妻の苦労を詠んだものがあるが、百段坂の下に湧き出ていた斎殿清水から水を運んだもと考えられている。

「汐ならで朝なゆうなに汲む水も辛き世なりと濡らす袖かな」

http://www.asuwajinja.jp/

 

愛宕坂を登った先にあるのが足羽神社

こちらで厄払いをしてもらったのが

去年だったか一昨年だったのかはもう忘れたことにしよう(笑)

おかげさまで毎日元気に酒をたしなむ日々を過ごさせて頂いている。

 

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足羽山は尾根道も木々に覆われているため、

日差しが気になることなく

森林浴気分で歩くことができる。

 

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気づけば動物園に着いていた。

規模は小さいけれど、

鯖江の西山公園同様に無料で楽しむことが出来る。

福井県はこういった無料で楽しめるスポットが多々あって、

もう少し大々的にアピールしてもいいポイントだと思う。

 

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ただ、

この時点でまだ9時過ぎで動物園はまだ開園前だった。

ここで僕ははてと思ってしまった。

 

本当なら、この動物園で時間を過ぎしたりしつつ、

3時間ほどかけて足羽山をゆっくりまわり、

運動公園に下る、そんな計画でいたのだ。

 

ところがこの時点で9時過ぎである。

まだ福井駅前を出てから1時間もたっていない。

 

あまりにカツカレーにひかれて急ぎ足になってしまったか。。。

 

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そんなもので足羽山を下ったところでまだ9時半だった。

はて、どないしよ、てな感じである。

食堂のオープンなんてどう考えても11時とか11時半からであろう。

 

だからといって、この地で1時間半、

あるいは2時間を過ごす知恵は持っていない。

近くに図書館があるのは知っているが、

それすら開いていない時刻である。

 

 

 

何よりいい年こいて情けないが、

そもそも「待つ」という行為が大の苦手である。

途方にくれた僕はぼんやり歩き始めた。

 

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おばちゃんが坂道を必死の形相で上がってくる。

だが断念したのか、自転車を降りて歩き始めた。

「やだね、登りきれなくなっちゃった」

と僕を見て笑う。

 

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気づけば競輪場の脇を過ぎ、

大名町の交差点に達していた。

この時点でまだ10時17分だった。

 

それなりに歩いているもので、

それなりに腹は減っている。

しかしながらとにかく開いている店がない。

完全に飯難民と化していた。

 

ヒゲ線に緑のFUKURAMが入ってきた。

彼が武生を往復している間に

僕は足羽山を縦走して福井駅前に戻ってきたということになる。

 

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僕は確か、

カツカレーを食べるために足羽山に行ったンだよな、

てなことを思う。

けど、10時半に僕はカツカレーを食べるという目標を果たせぬまま、

何故か福井駅前にいるのだった。

 

今からバスに乗って運動公園を目指すのも、

何だか悔しかった。

しかし、カツカレーが食べたい。

専門店のカレーではなく、

食堂で出てくるオカンの味、みたいなカツカレー。

 

思い出したのが

越前新保にある「お食事ハウス はら」さんである。

以前、カツカレーラーメンを頂いたら

これがなかなかオツな一品であった。

 

カツカレーラーメンがあるなら、

カツカレーも当然あるだろう、

そんな思いでえちぜん鉄道の電車に乗った。

 

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えちぜん鉄道は着々と高架化工事が進んでいて、

乗るたびに車窓の変化を感じる。

 

www.youtube.com

所要時間約6分ほど、11時01分に越前新保駅に到着。

 

目指す「お食事ハウス はら」さんは駅から徒歩3分ほど。

開いてますようにと願いつつ店を目指す。

良かった、のれんがかかってる。

 

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開店直後の店内では奥さんが新聞を読んでいた。

「いらっしゃい」と立ち上がる。

僕は壁一面に貼られたメニューを眺めた。

 

カツ丼と麺のセットや、

カレーうどん、各種定食の文字は見えるが、

カツカレーの文字は見当たらない。

 

しかしながら手元のメニューを見ると、

カツカレー850円の文字が見えた。

冷たいお茶を出してくれた奥さんに、

カツカレーを注文した。

 

「お食事ハウス はら」さんには

新聞や雑誌、漫画もかなり充実しているもので、

待ち時間も苦にならない。

週刊誌を開いていると奥さんが出てきた。

 

「カツカレー、お味噌汁が付くんだけど、

暑いしそうめんにもできますがどうされます?」

こういった心遣いって嬉しい。

けどカツカレーとそうめんって食べ過ぎかな(笑)

 

ほどなくしてカツカレーがやってきた。

そうめんとサラダが付いている。

 

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「はら」さんのカレールーはどろっとして、

かつ意外なほどにスパイシーである。

ルーがたっぷりかかっているのも嬉しい。

案外、外でカツカレーを食べると、

ルーが少ない店が多いものでこれはありがたい。

 

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カツは無論揚げたて。

僕は家でもわりと揚げ物をするけど、

天ぷらや唐揚げは苦にならぬのだが、

パン粉をつけるという作業が面倒なので、

カツもフライも家では避けちゃうのだよな(笑)

 

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そうめんも、

いい「そうめん」を使っている。

ふだん、安物しか食べていないから、

それは確実に分かる(汗)

 

満足、満足、ごちそうさまでした。

 

「はら」さんはえちぜん鉄道の線路沿いにある。

僕が勘定していると、

福井方面の電車が窓の外を走っていった。

電車は越前新保駅で交換するので、

数分後には勝山行きの電車が来ることになる。

 

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日中の越前新保駅の時刻表は

上り、下りとも05分、35分発となっており、

非常にわかりやすい。

 

さて、問題はえちぜん鉄道の福井駅行きは11時35分発が

出発してしまった直後だということである。

次は12時05分発。

 

30分近く駅でじーっとしているのも何なので、

とりあえず歩いてみることにした。

 

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国道8号線をくぐり、

越前開発駅に近い開発の交差点までは

予想外に近かった。

 

そんなものでもう少し歩く。

 

福井口駅の踏切にさしかかったところで警報機がなり、

当初乗る予定だった福井駅行きの電車が

目の前を通りすぎて行った。

 

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福井口駅から福井駅の間は、

三国方面からと勝山方面からの電車があるもので、

09分、28分、39分、58分発と

1時間あたり片道4本ある。

 

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目の前を通りすぎて行った電車は12時09分発だ。

次の電車までは20分近くある。

ここから福井駅なら歩いても10分ほどだ。

結局、福井駅まで歩いて帰った。

 

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9月とはいえ日中の日差しは厳しく、

福井駅に着いた僕は全身汗だくになっていた。