福井に来てからずっと
福井は雪国であることを忘れつつあったが、
ここ数日はやはり雪国であったのだな、
そんなことを思い知らされるこの頃。
とにかく朝から晩まで寒いもので、
何か温まるものを食べたいなーと先日から考えていて、
脳裏をちらついたのは、
味噌ラーメンだった。
ああ、アツアツスープの味噌ラーメンが食べたい、、、、
福井で味噌ラーメンといえば何処なんだろ、
そんな思いで調べてみたら、
福井駅からそう遠くはない場所に、
味噌ラーメンが人気の中華料理屋があることを知った。
朝から頭の中は「味噌ラーメン」がぐるぐるまわってた。
ひとまず福井駅へ。
スッキリ快晴、とは言いかねる天気ではあったが、
雲の合間から除き見える青空が妙に嬉しい。
まだ昼飯には早い時間だたので、
運動不足解消も兼ねて久しぶりに足羽神社に足を運ぶことにした。
いつもは愛宕坂から向かうけど、
今回は水道記念館の脇にある階段から上った。
(ま、近道探してて道を誤っただけですが。。。)
そして、
自分でも唖然とするほどに息が切れる。
運動不足もここまで来たか、、、、
足羽神社を参拝。
「今年も美味しいお酒を飲めますように、、、」
続いて藤島神社を参拝。
「今年も美味しいお酒を飲めますように、、、」
もちろん毛谷黒龍神社も参拝。
「今年も美味しいお酒を飲めますように、、、」
ふふふ、これで今年もきっと美味しいお酒が飲めるはず。
さ、味噌ラーメンだ。
富山に住んでた頃も、
時々無性に味噌ラーメンを欲する時があり、
市内にも有名店多々あれど、
僕がお気に入りだったのは立山町にあった
芦峅寺スキー場の、小さな食堂で出してくれる味噌ラーメンだった。
店内には薪ストーブがあって、
その上には大きな鍋がかけてあり、
そこに何が入っているのかと言えば、
チャーシューを煮ていた。
要するに店内に足を踏み入れただけで
かぐわしいチャーシューの香りが店内に充満しており、
それだけで空腹を刺激された。
ラーメンは醤油も味噌もあったはずだけど、
妙に味噌ラーメンのインパクトが強くて、
さらにチャーシューが絶品なんてもんでなく、
最初は無論ボードを滑りにそのスキー場に行ったのだけれど、
その後はボードをしなくとも
芦峅寺のスキー場まで足を運ぶことになった。
無論営業は冬だけ、
さらに週末だけといつでも行ける状況ではなかったが
その食堂に行って味噌ラーメンを食べる、っていうのが、
冬の間のささやかな楽しみだった。
残念ながらスキー場の閉鎖に伴い、
その食堂も閉店してしまったのだけれど。
随分昔の話である。
フェニックス通りを横断して
さらにJRの高架下をくぐる。
目指す中華料理店「甲来」さんは、
住宅やマンションが立ち並ぶ一画、
JRと木田橋通りのちょうど真ん中あたりにあった。
この時11時半の開店直後、
店内にお客さんの姿はなかったが、
厨房の中では主らしき男性と、
若いお兄さんが並んでフライパンをあおっていた。
カウンターの端に座り、
ニコニコと愛想のいい奥さんに、
みそラーメンを注文。
「単品でいいですか」と奥さん。
メニューを見れば焼きめしやマーボー丼のセットもあるようだ。
すっかり中年丸出しの腹の肉をつまみ、
いや、ここは単品でガマンせにゃならん、
そんな些細な葛藤があり、
「マーボー丼のセットでお願いします」と僕は言った。
自分も普段から料理をやってるし、
長らく料理の仕事をしてたこともあるけれど、
料理人が料理をしてる姿を見るのが好きだ。
特に、手際がいい方の動きを見てると、
ついつい見入ってしまう。
甲来さんなんてまさにそうだった。
小気味よく焼き飯やら酢豚、唐揚げが仕上がっていく。
厨房内は本当にキレイにされていて、
こんなごまかしの一切効かない状況でつくっているのだ、
旨いに決まってると心が踊る。
出来上がった料理を奥さんがラップしてたから、
出前でもしてるのかもしれない。
そんな中、みそラーメンが供された。
丼はスープで満たされていて、
麺の姿は見えない。
スープを一口。
あつっ!!!
意外とあっさりしてる、
そんな第一印象だったのだけれど、
二口目にはガツンと味噌の味がきて、
ひき肉やらモヤシやら、たっぷりの具材を絡めつつ、
細めの麺をすすれば、
おー、きたきた、なんじゃこりゃ、な世界。
夢中になって食してると、
マーボー丼が供された。
とろとろ餡にたっぷりの豆腐。
構えて一口食したが、
あつっ!
外は恐ろしく寒かったが、
じわりじわりと額に汗が浮かんでくる。
カウンターにはボックスティッシュが標準装備。
何だか富山の糸庄みたい、
そんなことを思いつつ、
ティッシュで額の汗を拭う。
ああ、箸が止まんない、止まんない、
マーボー丼も美味しい、
けど白ご飯でも良かったかもな、
ああ、白ご飯を丼にぶっこんで、
このスープを飲み干したい!!!
と思いつつ、
何だかんだで最後の一滴までスープを飲み干していた。
全身がほかほかしてるのが分かる。
こんなお店が、
我が家からもそう遠くはない、
こんな場所にあったんだ、と、
何だか妙に喜ばしい気分。
正午が近づくにつれお客さんも続々やってきた。
ごちそうさまでした。
木田橋通りに出ると、
足羽川を渡る木田橋は目の前だった。
行きは1時間ほどかけて遠回りをしていったが、
福井駅もそう遠くはない。
気づけばもう2月も半ば。
あと2ヶ月もすればこの河原にも
足羽山にも桜が咲き乱れるのだろう。
冬が厳しい分、春が来る喜びも大きい。
帰りは東口のアオッサまで15分もかからなかった。
ま、僕の中では十分に駅周辺といえる。
それにしても味噌ラーメンパワー恐るべしで、
身体の芯から温まったのか、
まだ額が汗ばんでいた。
この週末もまた雪みたいだし、
甲来の味噌ラーメンにしよっかな(笑)