北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

えちぜん鉄道三国芦原線・改名駅徘徊

気づけば4月、春になっていた。

 

春といえば自分のような鉄道好きには

ダイヤ改正」のイメージがある。

2年前は北陸新幹線の開業、

昨年はフェニックス田原町ラインの開業など、

身近なところで色々変化があったりしたが、

なら今年はと言えばあまり大きな変化を感じない。

 

そんな中、目立ったニュースと言えば、

えちぜん鉄道の「駅名変更」であろうか。

坂井市内にあるえちぜん鉄道の4駅名が25日、変更された。歴史的なつながりのある名称や近くの施設名を追加し、最寄り駅をわかりやすくするほか、市民にも親しみやすい名称にした。 

太郎丸は「太郎丸エンゼルランド」、西春江は「西春江ハートピア」、西長田は「西長田ゆりの里」、下兵庫は「下兵庫こうふく」となった。「下兵庫こうふく」は、平安時代に兵庫地区が興福寺奈良市)の荘園だったという縁で、地域の子どもたちが収穫した米を興福寺に献上していることと、県が幸福度1位であることにちなんだ。 

この日、下兵庫こうふく駅では、興福寺多川俊映貫首や地区会長らが新駅標の除幕式をした。多川貫首は「こうふくというハッピーな名前なので、県内外たくさんの人に親しまれる駅になってほしい」と話した。 《朝日新聞

 

駅名が変わった「だけ」と言えばそこまでだけど、

ちょっと気になる点があったもので、

徘徊がてら出かけてみることにした。

 

 

 

日当たりの悪い我が家では相変わらずこたつが欠かせぬが、

外へ出れば思いのほか暖かく、

ダウンなんか要らないな、

と家に戻り、パーカーだけ羽織って出直す。

 

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福井駅前に出ると何だか賑やかしい。

この日は「マラソン大会」が開催されるらしく、

福井鉄道のヒゲ線も11時頃まで運休とのこと。

 

イベントのたびにヒゲ線が運休になるのは、

もはや珍しいことでも何でもないけれど、

商店街を走る電車だって

福井の大事な観光資源になってるはずなんだけどなあ、

と、いつものことだが思う。

 

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えちぜん鉄道の窓口でフリーきっぷを買って、

ホームへ上がる。

えちぜん鉄道の高架化工事は着々と進んでおり、

見るたびに「おお、進んだなあ」なんて思うが、

今回もまた然り。

 

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三国港行きの電車に揺られること約20分で

フェニックス田原町ラインの終点になる鷲塚針原駅に到着。

 

ここまでが福井市で、

次の「太郎丸エンゼルランド」駅からが坂井市となり、

駅名を改称した駅が

「西春江ハートピア」

「西長田ゆりの里」

「下兵庫こうふく」と続く。

 

そんでもって「太郎丸エンゼルランド」駅に着く直前、

車内ではこんな案内が流れた。

「ハートピア春江は、太郎丸エンゼルランド駅が最寄りです」

 

何とも違和感のある案内、といえないか(笑)

そう、気になっていたのはこの点だった。

 

太郎丸駅を改称した「太郎丸エンゼルランド」が

エンゼルランドの最寄り駅であることは何ら違和感がないのだけど、

「ハートピア春江」という文化施設

「エンゼルランドふくい」という児童科学館は、

横並びで存在しているのだ。

 

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ところが今回、隣の西春江駅が

「西春江ハートピア」駅を名乗るようになった。

 

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太郎丸エンゼルランド駅は住宅街の中にある片面1線の小さな駅だが、

待合室は改装されてずいぶん立派なものになっていた。

エンゼルランドふくいまでの経路を記した看板を眺めてから

実際に歩いてみることにした。

 

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住宅街を抜け、県道沿いを歩くこと10分少々で

エンゼルランドふくいに到着。

 

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エンゼルランドふくいは県外の方にはあまり知られていないかもしれないが、

児童館と科学館が一体化したかなり大きな施設で、

プラネタリウムもあったりして

家族連れが一日過ごすにはうってつけの場所であったりする。

 

angelland.or.jp

僕も甥っ子たちが小さかった頃連れて行ったことがあるけれど、

大人でも十分楽しめた、そんな印象はある。

(有料ゾーンもあるけど安い・笑)

周囲は遊具も充実した公園となっており、

この日も朝から多くの家族連れで賑わっていた。

 

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続けて隣にあるハートピア春江へ。

福井でテレビを見ていると

「ハートピア春江で◯◯のコンサート」なんてCMをたびたび見聞きするのだが、

客席数656席の大ホールや、

図書館も一体化したかなり大規模な施設で、

日本音響家学会が認定した「優良ホール100選」にも選出されている。

 

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ここからは「西春江ハートピア」駅を目指してみた。

ぶらぶら川沿いの道を歩くこと15分ほどで駅に到着。

 

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この駅にもちゃんと

「エンゼルランドふくい」と「ハートピア春江」へのルートが載った

地図が掲げてあった。

 

別に最寄り駅として案内しても

十分通用する範囲だとは思うのだけれど。

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電車が出てまもない時間だったもので、

このまま歩いて「ゆりの里公園」を目指した。

 

すると、だんだん風が出てきた。

この風が、やたらめったら冷たい。

うう、寒い、、、、、

 

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「ゆりの里公園」は整備工事の真っ只中、そんな感じだった。

6月には「ゆりフェスタ」というイベントも開催される。

 

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 ↓2年前のゆりフェスタ

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ここから「西長田ゆりの里」駅を目指して歩いた。

寒くて足早になってだいたい25分といったところか。

風がないとポカポカでいい陽気、なんだけどなあ、、、

 

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「西長田ゆりの里」駅と「ゆりの里」は、

平日は「テクノポートバス」で結ばれている。

ゆりフェスタ開催中は土日もシャトルバスがあるそうな。

www.echizen-tetudo.co.jp

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再び三国港行きの電車に乗って「大関駅」へ。

ここは従来の駅名のままだけど、

他の4駅と同様に「笑顔で暮らせるまち」のキャッチフレーズがついた。

 

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駅舎内には今や横綱となった稀勢の里関の写真とサイン。

はて、どんなつながりがあるのかと思ったら

こんなことがあったそうだ。

大関」つながりから大相撲初場所大関稀勢の里関を応援する観戦会が21日、福井県坂井市大関地区で開かれた。稀勢の里関の初優勝が決まった瞬間、「やったあ」と歓声が上がり、会場は大きな喜びに包まれた。

昨年6月、優勝経験のない稀勢の里関を応援しようと、地元の大関小の全児童が色紙に寄せ書きをして贈った。稀勢の里関からは写真パネルやメッセージが届いた。

観戦会は昨年7月の名古屋場所以来。この日まで1敗を守り初優勝の可能性が高まったことから、市シティセールス推進課が企画した。

大関コミュニティセンターのホールに設置したテレビの前に約20人の親子らが集まった。「がんばれ稀勢の里関」と書かれた横断幕や番付表、星取表を並べ、逸ノ城関との一番を見守った。寄り切りで白星を挙げると「よかった」と安堵(あんど)の声が聞かれた。《福井新聞

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大関駅からは一駅戻って「下兵庫こうふく駅」へ。

こちらには散策ルートも設定されたとのことで、

ゆっくりまわってみたかったのだけれど、

何せ寒くて鼻水は出てくるわで

もはや散策どころではない(涙)

 

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春日神社だけ参拝して早々に駅に戻った。

これにて改名駅徘徊は終了、、、

 

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今回の駅名変更は坂井市が主導となって行ったもので

坂井市のサイトでは駅名変更の目的をこう記している。

 

対象となる春江・坂井町のえちぜん鉄道沿線は、「ゆりの里公園」や「エンゼルランドふくい」など、市内外に広く親しまれている施設に加え、保育・商業施設が充実する県内屈指の生活環境に恵まれた地域となっています。

また、子どもの育ちの見守りをはじめとする、住民同士のコミュニティも築かれています。 この目には見えない地域の魅力を、いかに市内外へ伝えていくか。それが、地域の方々が誇りにする施設や地域にまつわる歴史を従来の駅名に付して発信する「駅名リニューアル事業」です。

※「観光振興」を主目的とする事業ではありません

https://www.city.fukui-sakai.lg.jp/sakaipr/sakai-city-story/info/ekimei.html

さらに以下のような記述もある。

 ■課題■ 駅から各施設までの距離について

本事業は、“暮らしやすい地域”としてのまちの顔を連続する駅名によりイメージしてもらうことに優先順位を置いているため、駅によっては、名称案の施設までの距離に問題が残ります。

市ではこれに対し、新たに市民や企業の皆さんからいただいた駅名案とあわせ、案内表示板やレンタサイクルの設置、またシャトルバス運行などの対処も検討しています。

 

そう、今回の駅名変更は

あくまで観光目的ではない、とのこと。

 

それでもやはり「西春江ハートピア」駅があるのに

最寄り駅が「太郎丸エンゼルランド」という案内が車内で流れるのは

ちょっと混乱するような気がする。

 

福井から乗った電車だったからあんな放送が流れたのかな、

とも思ったが、

福井に向かう電車に乗っても同様だった(笑)

 

また、今回思ったことは

駅名変更に合わせ、

周辺も散策したりしやすいようになっていたのは

下兵庫こうふく駅」だけだった、ということか。

 

何が違うかといえば途中に「道標」がちゃんとあった。

ささいなことだけど、

こうした案内板ひとつあるだけで、

目的地に到達する労力は激減する。

 

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いくら観光目的でないとはいえ、

太郎丸駅に「エンゼルランド」の文字がつけば、

「せっかくだし、今度エンゼルランドに行く時は電車で行ってみようかな」

と考える方は少なからずいるのではなかろうか。

 

ところが太郎丸エンゼルランド駅を一歩出ると、

エンゼルランドふくいの間に案内看板のひとつも見当たらない。

 

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一本道だから迷うことないといえばそこまでだけど、

それは単に場所を把握している人間の考えにすぎず、

恐らく今後あの駅に降り立つ家族連れの方々は

駅の案内板を見た後に、

「はて、どうやって行けば良いのか」と悩むと思う。

周囲は住宅街で、目標としうる建物もない。

 

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極端な例だけど、

四国八十八ヶ所にはかなり多くのお遍路さんが歩いているが

大概の方は歩きながら地図なんて見ていない。

 

にもかかわらず住宅街の奥にあるようなお寺にたどり着けるのは、

「遍路シール」という道標が電柱やカーブミラーなんかに

かなりの枚数を貼ってあるからだ。

(近年は色々問題も発生しているようですが、、、)

 

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分岐道などでは上記のようなシールに

矢印のシールが加わるもので、

迷うことなくお寺に到達できる。

 

これが優れているのは歩行者の視点の高さに貼られている、

ということで、

上を見たり下を見たりする必要がない。

道が複雑なところはシールの先に次のシールが見えるので、

安心して歩くことができる。

 

遍路道に限らず周辺の山だって、

樹林帯の中には枝にリボンがつけてあったり、

岩場にはペンキのマーキング、

ケルンや道標があるからこそ

容易に目的地に到達できたりする。

(これがいいのか悪いのかは別として・笑)

 

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せっかく今回駅名に「施設名」をつけたのだから

大げさなものでなくていいから、

駅と施設の間には歩行者目線の「道標」が必要なんじゃないのかな、

とは思った。

 

どの駅からの方が近いとか遠いってことより

迷わずスムーズに行ける方が重要な気がする。

 

さらに願わくば「キーボ」や「フクラム」で

エンゼルランドに行けるようになれば

子どもたちは喜ぶだろうな、とも思う(笑)

 

フェニックス田原町ライン

日中の利用者が伸び悩んでる、そんなニュースも聞くし、

平日も遠足なんかで使ってもらえれば

起爆剤になると思うけどなあ、、、、

 

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それにしても、寒い。

 

ダウン羽織ってくればよかったと思うが、

ないものはない。

早く風呂でも入って温まらなければ風邪でもひいてしまいそうだ。

うー、寒い、鼻水震えが止まらない。

まさに絶不調。

 

次に来た電車は三国港行きだった。

 

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僕はあわら湯のまち駅まで行き、

セントピアあわらの風呂に飛び込んだ。

うー、あったまるー、、、、

 

しっかり温もったらだんだん体調も回復してきて、

全然飲むつもりはなかったのに

「生ビール350円」なんてポスターみたらつい注文してしまい、

ぐびりとやってラーメン食べたらすっかり元気になって、

僕は福井へと帰った。

 

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