北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

おっさん2人、電車で鯖江にお好み焼きを食べに行く

先日、同僚と晩飯を食べてきた相方に

「何食ってきたの?」と聞いてみたら

お好み焼き」などと言う。

ついでに「結構いい値段がしたけど」と笑う。

 

富山に住んでた頃は、

同僚の同級生がやってるお好み焼き屋さんが市役所の近くにあって、

結構な頻度でお邪魔していたが、

福井に来てからはすっかりお好み焼きとご無沙汰している。

 

うーむ、お好み焼きも食べたいし、

テツ分も補給したいし、

と、なれば鯖江や武生あたりまで繰り出すか、

いや、田原町にもよさげな雰囲気のお店があったな、

朝イチで武生行ってレトラム乗って田原町お好み焼き、なんてのもいい、

などとあれこれ考えるのは楽しい。

 

そんな矢先、相棒から連絡があり、

「明日何をしているのだ」

などと言う。

「電車に乗ってお好み焼きを食べに行く」

と言えば、

「俺も行くかな」と言う。

 

相棒と福井駅までぶらぶら歩く。

「連休はパチンコ三昧じゃないのか」

と問えば

「もう二度とパチンコをやらないと決めたのだ」

と相棒が言う。

 

ま、この男が「パチンコをやめる」と口にするのは

僕が「酒とタバコをやめる」と口にするのと同レベルの話で、

きっとやめるつもりはないと思われる。

 

 

 

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福井駅前のウェルカムセンターで福鉄のフリーきっぷを購入。

昨年、この相棒と武生の菊人形を見に行った際、

「新しいきれいな車両」に結局乗れずにいたもので、

そのまま市役所前駅まで歩いた。

 

到着したのは9時50分前だったか。

フェニックス田原町ラインの10時8分発越前武生行きまでには、

しばし待ち時間がある。

 

せっかく手元にはフリーきっぷがあるもので、

9時51分発の鷲塚針原行きに乗って田原町まで行き、

折り返してくることにした。

 

鷲塚針原行きのグリーンのフクラムは、

そこそこのお客さんを乗せて市役所駅に到着した。

車内にいたお客さんがごっそり立ち上がり、

なかなか乗車口の扉が開かない。

 

下車時に運転士からフリーきっぷを買うお客さんも多いため、

どうしても下車に手間取るのだ。

そのため出発は4分ほど遅れただろうか。

この時点で僕はフェニックス田原町ラインの「最大の欠陥」のことを

すっかり忘れていた。

 

フェニックス田原町ラインの「最大の欠陥」を思い出したのは、

「仁愛女子高校」を出てすぐのことだ。

運転席の無線から何やら声が聞こえてくる。

そして、田原町駅に入る手前の路面上で停車した。

 

「行き違い列車を待ちます。しばらくお待ち下さい」

運転士のアナウンスが流れた。

「ああ、やっぱり」と何だか絶望的な気分になる。

 

本来、フェニックス田原町ラインの電車同士は、

田原町のひとつ先、福大前西福井駅で行き違いする。

 

田原町駅は2面3線ある立派な駅に生まれ変わったものの、

福井鉄道フェニックス田原町ラインえちぜん鉄道

それぞれの線路が単線で並んでいるだけで、

行き違いができない。

 

鷲塚針原行きの電車が福井鉄道区間で遅れた場合、

前武生行きの電車が福大前西福井で待っていると、

えちぜん鉄道全線のダイヤに影響してしまう。

そんなもので鷲塚針原行きを待たずに福大前西福井を出発する。

 

だが、田原町駅では行違いが出来ないもので、

鷲塚針原行きの電車は田原町駅手前の複線区間で、

前武生行きの電車が出て来るのを待つ以外に方法がないのだった。

 

田原町が目的地の客にはちょっと辛いような気がする(涙)

 

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10時02分すぎ、

僕らが乗る予定だった「キーボ」とすれ違い、

電車は田原町駅に到着した。

 

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相棒が「きれいな車両」に乗りたいとのことだったもので、

1時間後の急行まで待つことにして、

しばらく田原町駅周辺をぶらついた。

 

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僕が日頃から徘徊しているエリアではあるが、

ふだん出歩くことのない相棒にはなかなか新鮮な体験だったようだ。

 

 

 

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田原町駅に戻ると青いフクラムが停車していた。

「これに乗るのか」と相棒が言う。

「乗ってもいいけど、後の急行が途中で抜く」

「なら急行にする」

そんな流れで田原町駅の待合室でしばし待つ。

 

えちぜん鉄道のホームに福井行きの電車が到着し、

おばあさん2人組が待合室に入ってきた。

「あっちの電車よりこっちの電車の方が先に鯖江に着くんよね」

と、おばあさんの1人が言った。

 

車内発券の乗車券を手にしており、

発駅が太郎丸、着駅が西鯖江となっている。

「こっちの方が早いです」僕は答えた。

 

こうやって実際にきっぷを目にすると、

フェニックス田原町ライン坂井市に乗り入れればいいのにな、

とやはり思う。

 

青いフクラムが出発していくと、

えちぜん鉄道の運転士が待合室の扉を開けた。

「次に入ってくるオレンジの電車は鷲塚針原行きです。武生方面行かれる方はその次の緑の電車に乗ってください」

 

福井鉄道には様々な色の電車が走るようになったけど、

確実に誤乗防止にもつながっているような気がする(笑)

 

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再びグリーンのフクラムに乗って、

今度こそ鯖江を目指す。

相棒は「キレイだし快適な電車だなあ」と関心したように言った。

僕は関係者でも何でもないが、

「だろ?」と何だか嬉しくなってくる。

 

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11時36分、電車は西鯖江駅に到着した。

線路沿いの道を歩くこと5分ほどで、

目指す「笑庵」さんに到着。

以前から気にはなっていたのだが、

食後だったり定休日だったりしてなかなか伺う機会がなかった。

 

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大きなL字型のカウンターの中には

存在感のある鉄板が鎮座しており、

巨大なお好み焼きが4枚焼かれていた。

 

メニューはかなり豊富で、

ホルモン焼きや竜田揚げ、焼き鳥などつまみ系も充実していた。

昼間っから気楽に飲めそうな店発見♪♪

てな感じでテンション上がる(汗)

ま、今日はお好み焼きだ。

 

ブタ玉、チーズ玉、シーフード焼きそば、たこ焼きの4品を注文。

親父さんはきちんと計量して、

生地の具材を入れてかきまぜて、

鉄板の上へ。

 

焼いてる様子が見えるってのは何だか嬉しい。

奥さんがたこ焼きを焼いている様子も伺える。

お好み焼きと平行して焼きそばも仕上がっていく。

 

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最初に供されたのはたこ焼き。

大きめのサイズが6個。

一口頬張った相棒が「あつっ」と言いながらも

思わず笑顔になるのが分かる。

僕も頬張る。

余計なことは書かない。

素直に笑顔になれる。

 

シーフード焼きそばは具材もたっぷりで、

何よりボリュームがある。

今回は塩味を注文したのだけれど、

焼いてる段階でマヨネーズと塩で味付けをしていた。

 

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焼きそばにはマヨネーズを「かける」ものだと思ってたので、

何ともこれが斬新な感じ。

今度家でもやってみるかな(笑)

 

そんでもってお好み焼きが登場。

改めて目の前に供されると「でかい」かつ「厚い」ってのが第一印象。

 

セルフのお好み焼き屋さんに行くと、

どうしても生地が横に広がるもので、

「厚く」仕上がらないのよな。

そんでもって無駄に大きくなって返しに失敗したりする(涙)

その点、焼いてもらえるのはやはりありがたい。

 

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すっかり腹も満たされてお勘定をお願いすれば

2人合わせて2000円ポッキリ。

今度は何処かで風呂入って、

ビールでも飲みにこようと思う。

ごちそうさまでした。

 

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おっさん2人は西山公園でつつじを眺め、

温泉でも入るべと

福鉄の電車に乗り込んだ。

目指すは武生の湯楽里。

 

前武生駅の改札を抜けてから、

「ちょっと待って」と引き返す。

福鉄の利用者は湯楽里の割引券をもらえるのだ。

600円が400円になるのだから忘れる訳にはいかない。

 

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しばし武生の街をぶらついて、

送迎バスに乗り込む。

「このバスいくらすんの」と相棒が言う。

「タダだけど」と答えたら、

「へぇ」と感心している。

 

湯楽里でゆっくり風呂に入り、

相棒はお茶を飲みつつ、

僕は缶ビールを飲みつつ帰りのバスを待った。

湯楽里にはいつの間にか漫画コーナーもできていて、

ずいぶんゆっくり過ごせるようになっていた。

 

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湯楽里さん、

後は浴槽棟で生ビール飲めたら最高、いや最強なんだけど(笑)

 

再び越前武生駅に戻ったのは日も傾きかけた16時20分。

「朝から動いてずいぶん充実していた」

相棒は言った。

 

今日一日やったことって

鯖江で昼ごはん食べて、武生で風呂入っただけ、ともいえる。

もし車なら福井市内からなら半日あれば十分だ。

 

これが電車やバスで動くと、

どうしても待ち時間ができたりするもので、

たっぷり一日楽しめることができる。

その待ち時間もウロウロしてると、

また新たな発見があったりする。

 

「今度あわらの方でも行ってみるか?」と問えば、

「そのうちな」と相棒は笑った。

 

田原町行きの急行電車に乗車。

車両は古いタイプで、

相棒は残念そうである。

 

車内は気の毒なほど空いていて、

さらに恐ろしく冷房がきいていた。

寒いなどというレベルの話ではない。

 

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たぶん、適度に客がいればそれほど寒くはないのだろうけど、

何せ水落駅まで貸し切りだった。

 

一番多い区間でも5人いたかいないか、、、

「福鉄は新しい奴しか乗りたくないな」

相棒は言った。

 

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僕らはガクガク震えながら福井まで帰った。