先日、露天風呂「日本海」に行った際、
休憩コーナーにずいぶん古い福井の情報誌が置いてあり、
パラパラめくっていると鯖江のレストラン「マーシン」さんが紹介されていた。
「親父さん、若いなー」なんて思いつつ、
僕はその記事を読んでいたのだけれど、
冷静に考えれば長らくご無沙汰しているのだった。
その理由は駅からはちょっと距離がある上に、
日曜日定休、さらに親父さんが病み上がりとあって
営業時間も11時から14時に限られることによる。
よっしゃ、次の土曜日にでも行ってみるか、
その時点で「マーシン」さんに行くことは決めていた。
ハピリン前のインフォメーションセンターで福鉄のフリーきっぷを購入し、
また昼食には早い時間であるしといったん田原町へ。
しばらくフェニックス田原町ラインの電車が来るのを待っていたが、
たまには「えちぜん鉄道」の売り上げにも協力するかと思い、
そのまま福大前西福井駅まで歩いた。
きっとガラガラであろう、
そんな予測を立てて他2人のお客さんと共に「キーボ」の到着を待つ。
すると入線してきたキーボには思いの外お客さんの姿があった。
いずれも若いお父さんと幼い息子の組み合わせが3組。
さらに福大前西福井駅からはお爺ちゃんと孫らしき2人も乗ってきた。
お爺ちゃんは「ほお、きれいな電車が走っとるもんやのー」と関心したように車内を眺め、
お孫さんに「何処まで行くか、武生行ってそばでも食べるか」なんて言っている。
車内の子供たちの様子を眺めていると、
みんな「キーボ」に乗るのが嬉しくてたまらない、そんな様子。
フクラムより短い2両編成っていうのもいいのかな。
3両だと可愛さも半減するような気もするし(笑)
西鯖江駅で下車。
「マーシン」さんへはここが最寄り駅となるのだが、
食べログの「交通手段」の項目を見ると「西鯖江駅から2055メートル」とある。
初めて行った時は歩いたし、その後はクルマが続いたので、
今回は道の駅西山公園で自転車を借りることにした。
料金は4時間で200円、さらに何と電動自転車!
電動自転車に乗るのは以前、
岐阜の神岡にある「ガッタンゴー」を体験した時以来で、
人生で2度目となる。
あの時はレールの上を走ったから、
一般道を走るのは初ということか。
「必ずまたがった状態で電源を入れて下さい。でないと持って行かれちゃいますから」
係の女性からそんなアドバイスを受けていざ出発。
実際にこいでみると想像以上に楽だし、パワーもある、そんな気がする。
住宅街を抜け、通りに出て「あー、やっぱ楽だわ」としばらく走っていたが、
そこで「あれ、日野川ってこんなに遠かったっけ?」てなことを思う。
それを渡ってしばらく行けば「マーシン」さんはある。
ところがその日野川がなかなか現れない。
すると交差している道の先に橋が見えた。
要するに僕は日野川と平行に走っていたのだった。
こんな調子じゃいつまでも着く訳がない、、、(涙)
そんなこんなでとんでもなく遠回りして「マーシン」さんに到着。
最近はとことん「閉まっている」ことが多いもので
「営業中」のプレートを見ただけでホッとする。
ホワイトボードに書かれたランチは「ポークソテーのコーンソース」。
他にもカツカレーやオムライスなど気になるメニューはあるのだけれど、
いつもながら愛想のいい奥さんにランチを注文した。
しばし待っていると「ポークソテーのコーンソース」が運ばれてきた。
毎度感じることだがこれが鯖江の郊外の何とも庶民的なレストランで供される、
800円のランチとはとても思えない(笑)
この時親父さんが出てきてそのまま外へ行き、
入ってきたら「自転車で来られたん?」と笑う。
そんな言うほど何度も来ているワケではないが、
この店に来ていつも思うのは、
男性客がちゃんと「うまそうに」料理を食べていることだ。
どこのお店に行っても女性客はわりと表情豊かに食事をしているが、
男性客というのは不思議と無表情であったり、
スマホをいじりながら、といった場面を多く見かける。
美味いのか口に合わないのか、さっぱり分からない。
ところがこちらのお店の場合、
ちゃんと男性客が料理に向き合ってる、そんな気がする。
この日の先客もそうだった。
料理が提供された瞬間に、見た感じで「驚き」があり、
一口食べれば「おっ」となる。
マーシンさんの料理には男性客を引きつける、不思議なパワーみたいなものを感じる。
今回もまた至福の時間を過ごさせてもらった。
ごちそうさまでした。
行きは30分弱ほどかけて行ったが、
帰路は15分もかからず道の駅に到着。
自転車を返却すると係の女性が「もうお帰りですか」と笑う。
今回はもう一つ目的がある。
この時間だとまだ工事が始まっていない。
工事に関してはこちらから↓
https://www.fukutetsu.jp/news/7653.html
そんなものでいったん武生まで行ってからしばし時間をつぶし、
オレンジのフクラムで運行される「赤十字前」行きに乗ることにした。
最近の610形は「放置してある」そんな感じになってきたなあ(涙)
14時25分発のオレンジのフクラムに乗車。
案内放送が「本日、福井市内で催し物開催のためこの電車は赤十字前行きとなります」(ちょっと違ってるかもしれないが)と告げる。
へえ、こんな放送パターンあったんだと思っていたら、
今度は運転士が「本日、福井市内軌道工事のため、この電車は赤十字前行きとなり、その先は代行バスとなります。なお、代行バスへのお乗り換えは花堂駅となりますのでご注意ください」とマイクで案内する。
なかなか案内も大変そうだ(笑)
フクラムは15時03分に花堂駅に到着した。
係員も何人か配置されており、
車内の客に「赤十字前まで行かれるかたはこのままご乗車ください、福井方面まで行かれる方はお乗り換えです」と声を掛けている。
それにしても花堂駅前にバスがいる光景が何とも新鮮。
ここで時刻表を眺めていると面白いことに気づいた。
僕が乗ってきた電車は、仮に運休がなければ田原町に15時33分の到着となる。
ところがこの代行バスは15時08分に花堂駅を出発するのだが
ちゃんと福井駅前を経由して田原町駅着は15時28分なのだった。
あくまで時刻表上のこととはいえ代行バスの方が早いのか、
そう考えると若干複雑な気持ちにもなったりする。
ちゃんと「がま口」をぶら下げており、これまた新鮮な光景。
(決して懐かしい光景ではない)
バスは15時08分に花堂駅を出発。
踏切を渡り、フェニックス通りに出て右折。
この先は定期の路線バスと同じ経路をたどる。
さて、バスは駅前大通りへ。
現在のライザップの前が上り、下りとも乗降場所となっており、
いったい何処で方向転換するのだろうかと思っていた。
そのままロータリーに入っていくのだろうか、、
するとバスは県庁入口の交差点で左折し、
郵便局の前を通って県庁の前へ、
そこで鋭角気味に右折し、再び駅前大通りへ。
うーむ、なかなか斬新なルートである。
バスはフェニックス通りに戻る。
途中、仁愛女子高校の上り電車ホームにずいぶんたくさんの学生がいたが、
無事にバスに乗れたのかな(笑)
朝は普通に電車で通学できて帰りはバスとなれば戸惑うだろうな、とは思う。
バスは予定よりは若干遅れたが、
それでも本来の電車よりは若干早い時間に田原町に着いた。
別に無意味に田原町まで来たわけではなく、
福井県立歴史博物館で開催中の「ダイヤグラムと時刻表」を見に行く。
入館料100円(JAF会員は80円)で鑑賞可能。
県立歴史博物館は常設展でも鉄道に関する資料もあるし、
昭和の暮らしを再現したコーナーも楽しく、
映像資料も豊富にあり、
福井の中ではかなり「穴場的」に楽しめるスポットだと思う。
ところがこのバス、出発直前にどんどん学生が乗り込んできて、
車内は大混雑となった。
車掌が「ドアが閉まりませんのでドア付近を開けて下さい」と叫ぶ。
混雑して当然といえば当然なのだった。
夕方のこの時間、電車なら急行2本、普通2本が田原町駅を出る。
ところが急行を運休にしているものでそれに接続するバスもなく、
電車2本分の乗客をバス1台で運ぶことになるのだった。
授業のある土曜日に、これはあまりにも厳しい。
バスは田原町の駅前からフェニックスホールを回り込んで、
フェニックス通りへと出た。
仁愛女子高校で待っていたのは2人ほどだったが、
市役所前には7、8人いたか。
これはどう考えても厳しいぞ、、、、
僕1人が抜けたところで大差ないかもしれないが、
急きょ下車して福井駅へ歩いて向かうことにした。
何とかお客さんを乗せきったバスが僕の横を通り過ぎていく。
同時に、ありゃ福井駅前で大変なことになるぞ、とも思う。
駅前大通りに出たところで、
代行バスの前を走っていた「かれい崎」行きのバスが、
福井駅で折り返してきて走り去っていった。
外からパッとみた感じ、お客さんは5人ほどだったか。
ところが続行していた代行バスはなかなか現れない。
僕が県庁入口の交差点に達した時点ではまだ乗り場にいた。
本来ならもう花堂駅に着いていなけらばならない時刻である。
ライザップの前に達すると、超満員の乗客を乗せたバスはようやく出発していった。