実は先日まで全然知らなかったのだが、
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路線バスのダイヤ改正というと、
全国的に路線の縮小や本数削減など、
どちらかと言えば寂しい内容が多いものであるが、
京福バスは一味違っていた。
何と、とある路線が延長されたのだ。
福井の市街地と海岸部を結んでいた11系統・鮎川線が越廼地区まで延長され、
越前海岸ブルーラインと名前を変えた。
この鮎川線、昨年に一部が「弁慶の洗濯岩」まで延長されていたのだが、
これはあくまで越廼地区に住む学生さんを、
親御さんが送迎するのに便利なようになっていただけで、
日中はほとんどのバスが従来の「小丹生」行きとなっていた。
ところが今回は違う。
「小丹生」行き、「弁慶の洗濯岩」行きすべてが、
越廼地区にある日帰り入浴施設、「波の華」まで行くようになったのだ。
「波の華」はお湯もいいし、お気に入りの温泉の一つだ。
是非乗ってみたい、と考えていた。
朝の福井駅前。
直接「波の華」に行っても良かったのだけど、
さすがに営業時間前であろう。
休日一日フリーきっぷを買ったもので、路線バスは乗り放題な訳で、
ロータリーをうろうろしつつ、どのバスに乗るかと考える。
この時福井鉄道のホームには区間急行・越前武生行きというレアな列車の姿があり、
つい誘惑されそうになったが、
今日はバス旅だぞと自分に言い聞かせ、見送った。
すると、この日は休日であったから、
水仙ランド行きの78系統・茱崎線のバスが13時15分にあることが分かった。
これに乗れば11系統で往復せずにぐるりと一周できるもので、
このバスに乗ることをまず決めた。
そのタイミングで隣の乗り場に55系統・大野線のバスが入ってきた。
長らく大野もご無沙汰している。
そんなもので一旦大野まで行ってから波の華を目指すことにした。
スマホを家に忘れてきたことに気づく。
以前にこのバスに乗った時には財布を忘れていたから、
その時よりはマシかもしれぬが、
どうもこの路線に乗る時にはいつも何か忘れている、
そんな気がしなくもない。
しかしながら、普段から愛用している福鉄やえち鉄なら、
一定の間隔で走っているもので、
別に時刻表を見る必要もなけれど、
バスだとそうもいかない。
うーむ、これは慎重にいかねば、とは思う。
大野六間で下車。
通りを歩けば多くの露店が並んでいる。
お祭りでもあるのかな?
麓の神社に参拝してから大野城を目指す。
近年の体力の衰えは顕著で、すぐに息が切れる(涙)
大野の街を眺めてから、
福井駅行きのバスに乗ることにした。
ゆっくり歩きたかったが、今日の目的は海辺の温泉である。
大野に向かうバスは空いていたが、
福井に向かうバスは適度に席が埋まっていた。
JRのやる気のないダイヤと比べれば、
大野に行くも福井に行くもバスの方が遥かに便利で、
この賑わいの理由も分かる気がする。
かつての京福電鉄が勝山〜大野を残していれば、
大野は高山に負けない観光地になっていたであろうな、
そんなことはいつも思うがもはやどうしようもない。
腹が減ってきたので勝見2丁目でバスを下車。
ここには以前から気になっていた食堂がある。
恐らく11時から営業であろう、
そんな気がして(スマホがないから調べようがない・涙)
神社にお参りしたり、足羽川を眺めてからお店に向かった。
「まる八」さんに着いたのは11時過ぎであったが、
店頭には「準備中」の札がかかっていた。
うーむ、11時半からなのかな、別のお店でも探すか、
なんてことを考えていたら、店員さんがでてきてのれんをかけた。
「まる八」さんは、僕が自宅から福井駅に歩いて行く道中にあるもので、
その存在は知っていたが、
いまだかつて訪れたことのないお店のひとつだった。
恐らく本来は「蕎麦屋」さんなんだろうけど、
メニューを眺めてみればうどんから定食まで何でもある。
しばし悩んで結局「唐揚げ定食」を注文。
セットの麺はいろいろ選べたが、温かいそばでお願いする。
待っている間に再度メニューを眺めていると、
「もつ煮込みうどん」があることを知った。
富山に住んでいた頃は「糸庄のもつ煮込みうどん」が大好物で、
かなりの頻度で食していたが、
福井に来てからはそもそも「もつ煮込みうどん」の文字を見ることすらなかったから、
何だか新鮮な気分になる。
次回は是非注文してみよう。
しばし待って唐揚げ定食(税込み960円)が運ばれてきた。
茶碗にぎっしり盛られた純白のご飯に、
味噌汁もちゃんとついているのがありがたい。
そして唐揚げを食した瞬間に、
「おっ」となる。
スパイシーなカリカリタイプではなく、
「和」を感じさせる一品。
衣の方に醤油が効いているのかな、
白飯もわさわさ進む。
そばも出汁も自分好みで、最後の一滴まで完食してしまう。
満腹、満足、ごちそうさまでした。
「まる八」さんからは直接歩いて福井駅に向かうことにした。
東口までは約10分といったところか。
西口のロータリーに着いたのが11時40分ごろ。
13時15分発のバスまではしばし時間がある。
バスだけ乗っていても物足りないので、
田原町まで行って電車に乗って帰ってこようと考え、
やってきたエンゼルランド行きのバスに飛び乗ったのだが、
このバスはフェニックス通りを右折せず、まっすぐ直進。
「・・・」
ちょうど駅前に達した時に鷲塚針原行きのキーボが現れた。
この列車は福大前西福井駅で越前武生行きの急行とすれ違うから、
この急行にも乗れない。
さらにこの急行は福井行きの普通列車の10分後を走るから、
次の福井行きは20分後ということになる。
福井駅へ戻ることにした。
福鉄の田原町にはこんな案内が(笑)
えち鉄の福井駅に着くと、
新駅舎の防音壁?が一部外され、その姿が露わになってきていた。
ハピリン前の案内所で京福バスの時刻表をもらい、
78系統・茱崎線のバスを待つ。
すると隣の乗り場に13時13分発、10系統・波の華行きが現れた。
続いて水仙ランド行きも乗り場に。
同じ越前海岸を目指すバスが立て続けに出発することになる。
バスの中で案内所でもらった時刻表を眺めると、
78系統と10系統は越前海岸の大味という集落から先が路線がかぶるはずであるが、
78系統の時刻表には茱崎、蒲生の時刻が、
10系統の時刻表には大味、波の華の時刻しか掲載されていない。
とりあえず分かるのは、
78系統のバスが波の華に近い蒲生のバス停を14時11分に出るということで、
10系統が波の華に到達するのは14時27分とあるから、
こちらの方が遥かに早く越廼の集落に到達できる、ということか。
波の華に近いのは蒲生第2か第3であることは前回の経験から分かっていたが、
何となく海辺のバス停に降り立ちたい気分になって、
越廼海水浴場でバスを降りた。
波の華を目指して国道を歩いていると、
ほどなくして「波の華」バス停が現れた。
てっきり海岸地域バスのように施設の前まで入るのかと思っていたが、
どうやら違うようだ。
さらに不思議なことに、このバス停は福井方面ではなく、
越前岬方面の車線に設けられている。
しばらく波の華の玄関先で様子を眺めていたら、
10系統のバスは越前岬側から現れた。
集落内にある蒲生第3までは78系統と同じルートを辿り、
海岸部に出たところで少し戻ってくる、そんなルートをたどるらしい。
疑問が解けたもので安心して風呂に入る。
波の華に前回来たのは車で、
さらに夏休み中で、
それはそれは海水浴客が殺到してまさに「芋洗い」状態であったが、
今回は気の毒なほどに空いていた。
休日にもかかわらず、浴室にいた先客はわずかに2人。
越前町の漁火と比較するとあまりにも寂しい。
風呂からの眺めという点で劣ってしまうのだろうけど、
お湯もいいし、休憩室も明るいし、
気楽に生ビールも飲めるし(笑)、
もう少し流行ってもよさげな気がする。
車で相方とくるといつも運転手なもので、
風呂上がりのビールという選択肢は僕には一切与えられていないが、
今回はバスなので心置きなく風呂上がりの一杯を堪能する。
ああ、幸せだなア、、、、
15時26分発のバスに乗るために10分前に波の華を出た。
バス停にはすでにバスの姿がある。
ずっと見ていた訳ではないから「恐らく」としか言いようがないが、
先程着いたバスが方向転換したように思えた。
こんな転回場も休憩所もないような国道上のバス停で1時間も待機なのかな。
もしそうだとすればなかなか運転手泣かせの路線延長とも言える。
敬意を持って乗車したが他に乗客の姿はない。
15時26分、いったん越前岬の方角へ進みだしたバスはすぐに左折して茱崎の集落へと入っていく。
どのバス停にも待ち人の姿はない。
集落から海岸沿いに出て大味へ。
以前、僕はここで海岸線のバスへの乗り継ぎに失敗して、
小丹生の集落まで歩いたことがある。
その区間をバスはわずか数分で走る。
せっかくの延伸区間は貸し切りであったが
大丹生のバス停にはお客さんの姿があった。
その先はちょこちょこ乗ってきたから一安心。
年配の方だけでなく、若い方もちらほら見かける。
連休だし飲みにでも出るのかな?
10系統のバスに乗っていて、いつも面白いと思うのは運賃で、
波の華から30分ほど乗った免鳥という海岸沿いの集落に着いた時点で、
すでに運賃表は700円になっている。
ところがこの先福井駅までは50分弱かかるのだけど、
運賃はずっと700円のままなのだ。
今回は休日フリーきっぷを使ったけれど、
平日でも福井駅から往復1400円で、
海辺の温泉に入れて(波の華の入浴料は510円、JAF割引で450円)
生ビールもあって(480円、つまみ付きが650円)
とあれば普段からもっと気楽にこれそうな気がする。
路線の短縮なってことにならぬように、
1人でも多くの方に利用してもらいたいなあ、
と、酒好き温泉好きな徘徊者は切実に願っている。
バスは福井駅に到着した。
するとこのタイミングで田原町行きのさくら色のフクラムが現れた。
ああ、乗りたいなあ、なんて思うが、
ここで誘惑に負けると田原町では物足りず、
福井鉄道のフリーきっぷを買って武生まで行ってしまう、
そんなことも十分に考えられた。
こんなことをやっていればいつまでたっても家に帰れない。
後ろ髪をひかれる思いで、
僕は家方面に向かうバスに乗った。