くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、
あれほど春を待ち遠しく思っていたのに
花粉症にやられて精神的に参る日々。
医者は先に受けた検査結果を覗き込み、
「いやあ、これは大変だ」なんてことを言う。
「ここに『かもがや』ってあるでしょ、これ、イネ科なんです。あなた、この数値がマックスになっている。『ヒノキ』もひどい数値が出ている。こりゃ大変だ」
「・・・」
「これは、秋まで辛いかもしれませんねえ、大変だ」
「・・・」
「大変だ」を3回も聞くと、何だか重病を患っているのではないか、そんな気になってくる。
「とりあえずお薬出しときますんで、効かなかったらまたすぐに来てください。お薬かえますんで、いやあ、これは大変だ」
大変だ、4回目。
イネ科にもアレルギーがあるとすれば、
僕はこの米どころの北陸の地で今後どうやって生きていけばいいのだろう(涙)
出歩くのもおっくうになりつつあったが、
とりあえず薬は効いているようで、だいぶ楽になった。
家でじっとしていても朝から酒を飲んでしまい、
別の場所の調子が悪くなってしまいそうであったもので、
とりあえず出かけることにした。
福井駅に行き、さて、今日は何処に行くべかと考える。
福鉄にするか、えち鉄にするか、バスにするか、JRにするか、、、
長らくえち鉄のフリーきっぷも買っていないな、
まだ利用したことのない駅も残っているし、
今日はえち鉄にしよう。
新駅舎が開業した三国駅の様子も見てみたい。
ホームで6月末に開業する新駅舎を眺めていると、
「えー、やばい、1両って何?やばくない????」
なんてことを言いだした。
「やばいよ、やばいよ、1両だよ、ありえない」
旅行者という感じでもなかったもので、
この春から福井に住むことになったのかもしれない。
大丈夫ですよ、お嬢さん方、すぐ慣れますよ(笑)
それにしても1両編成の電車が「やばい」とは、
いったいどんな意味があるのだろう。
「カワイイ」という意味なのか、
「驚き」なのか、いまいちオジサンには分からない世界であったりする。
多すぎず、少なすぎず、適度な数の乗客を乗せた電車は淡々と坂井平野を北上し、
三国駅に到着した。
あまりにも美しく変貌した三国駅の姿に、ただ言葉を失う。
福井新聞の記事によると、三国駅の新駅舎は3月27日に供用が開始されたばかり、とのこと。
以前の駅は古びたビルの1階でとにかく薄暗かったが、
(それはまたレトロで味わい深いものがあった)
ガラスが多用された新駅舎には暖かな光がこんこんと降り注いでいる。
構内には三国周辺の観光地を映像で紹介するコーナーも設けられていた。
それなら東尋坊周辺にバスで行くお客さんのために
京福バスの「東尋坊フリーきっぷ」などを三国駅でも販売すれば、
まさに東尋坊の玄関口になれるのになあ、なんてことも思う。
来週にはカフェもオープンするとのこと。
その時は是非ゆっくりとコーヒーでも飲んでみたい。
(本当はビールがあれば嬉しいけれど・笑)
三国駅の新駅舎も見ることができたもので、
えちぜん鉄道でまだ利用していない駅を目指す。
残す所、勝山永平寺線の越前島橋と東藤島だけ、のはず。。。
三国駅まで乗ってきた電車に再び乗ったもので、
運転士もアテンダントさんも同じ方である。
えち鉄に乗るとたびたびあることだけど、
「怪しい中年男」とみられていないか不安になる。
三国神社で、年配の女性と、男の子2人が乗ってきた。
男の子は小学校1年生か2年生くらいだろうか。
アテンダントさんとの会話から、
1人は孫で1人はその友達であるらしい。
男の子たちはそれぞれ自分の財布を出して、
アテンダントさんからフリーきっぷを購入。
よくできた子供たちだなあ、なんて思っていたら、
その後はテンションがあがってきたのか、
電車の中ではしゃぎまくっている。
アテンダントさんは「静かにしようね」と仕切りに声をかけるが、
そうそう簡単に静かにならない。
おばあちゃんも最初は「シーッ」なんてやっていたが、
そのうち疲れたのか注意するのも諦めた様子。
すると、前方を眺めていた男の子が、
「婆ちゃん、緑のフクラム止まってる!あれ乗りたい!」なんてことを言い出した。
お婆ちゃんは戸惑った様子でアテンダントさんに
「乗ることできるんですか」と尋ねている。
アテンダントさんは「田原町までならさきほどのきっぷで大丈夫です」と説明。
フクラムに乗りたいのは僕も同じだった(笑)
賑やかな子供たちと一緒に鷲塚針原駅で下車。
いつもなら、電車が去ると静寂に包まれる鷲塚針原駅に、
子供たちの元気な声が響いている。
なんてことを考えていたが、
快適なものでついついそのまま乗り続けてしまい、
グリーンのフクラムは赤十字前駅へ。
ま、いっか、もうちょっと乗ってみよう、
そんな気になってきて、フクラムは鯖江市に入った。
これ以上進むと越前島橋駅と東藤島駅に行く気力を失いそうだったもので、
神明駅で下車して福鉄のフリーきっぷを購入。
駅舎からみると裏手にある「ふたばや」さんで昼食をとることにした。
「ふたばや」さんに来ると、
ワンパターンだなあとは思うが、つい「オムライス」を注文してしまう。
この日は腹が減っていたので「セット」にした。
基本の「セット」はサラダとスープがつくのだけど、
こちらは「そば」か「うどん」に変えることもできる。
そんなもので「オムライス」と「おろしそば」という不思議な組み合わせに(笑)
「ふたばや」さんのオムライスは昨今流行りの「ふわとろ」とは無縁の、
至って正統派な王道を行くオムライス。
ケチャップライスを黄色が鮮やかな卵が包んでいる。
40過ぎて特に思う。
シンプルかつ、基本に忠実なのが一番うまい。
ごちそうさまでした。
時間があったもので、水落駅まで歩いて鷲塚針原行きの急行に乗ることにした。
水仙が描かれた水落駅の看板を見ると、
先日姿を消した610形の姿が思い起こされて何だか泣けてくる。
越前武生で折り返してきたグリーンのフクラムに乗車。
すると賑やかな子供の声が響いている。
何てことはない。先程の子供たちである。
恐らく武生まで行って折り返してきたのだろう。
お婆ちゃんはすっかり疲れ切った様子。
孫のお供も大変だ。
田原町駅において、
えちぜん鉄道から福井鉄道への乗り換えは時間的にも良好であるが
新田塚駅までグリーンのフクラムに乗り、
えちぜん鉄道の車両で引き返す。
福井口で勝山行きの電車に乗り継いで、越前島橋駅へ。
駅名標すら設置されていない、狭い島式ホームに降り立つ。
勝山方面を眺めれば、北陸自動車道の築堤が伸びている。
えち鉄の福井市内最東端の駅、ともいえる。
待合室に入り、お言葉を確認。
「使われない機能はみるみる低下する」とあった。
いろいろ思い当たるところがあり
妙に脳裏から離れない(涙)
住宅街を向けて東藤島駅を目指す。
思いのほかあっけなく東藤島駅に到着。
これでえちぜん鉄道は全駅制覇、の、はず(適当なんです・笑)
こちらの駅のお言葉は
「電話一本の思いやりで家族は安心する」とあった。
本荘駅と同じだったかな。
このまま福井行きの電車で帰るつもりであったが、
待合室に「奇景ふくい」なる写真が飾られており、
そこに「永平寺町 芝神社 謎のストーンサークル」なんてのがあったもので、
行ってみることにした。
勝山行きの電車に乗って松岡駅で下車。
場所は黒龍酒造さんのちょいと先、けんぞう蕎麦さんのすぐ近く。
鳥居をくぐり、日差しを遮る木々の中のびる階段を上がると、立派な神門が現れた。
境内は思いの外明るい。
参拝を済ませ、はて、ストーンサークルとやらはどれだ、と周囲を見渡す。
拝殿に向かって左手の木立の中に、ストーンサークルはあった。
案内板のようなものを見かけなかったもので、
どういった意味があるのか不明であったりするが、
自分が神聖な場所にいる、そんな気分にはなる。
何となく満ち足りた気分になって福井駅に帰る。
今日はフリーきっぷを2枚使ったもので、
ハピリンで100円券もしっかり2枚いただく。
いつも思うけど、この100円券ってあまり知られていないのかな。
ハピリンのコンビニでも「何これ?」みたいな顔をされること多々あるし(笑)
ゲンキ―に寄って焼酎を買って帰宅。
後からレシートを確認すれば、あと50ポイントほどで500円の買い物券が出ることに気づく。
この日のゲンキーは10倍ポイントだった。
焼酎をもう1本買えば、買い物券がもらえる計算になる。
仕方なく、僕はもう一度ゲンキーに行って焼酎を買った。