「とやま1日乗り放題きっぷ」の存在を知ったのは、
いただいたこのブログに頂いたコメントがきっかけだった。
土日祝日限定であるが、
あいの風とやま鉄道(高岡~富山間)
万葉線(全線)
富山ライトレール(全線)
射水市コミュニティバス(海王丸パーク・ライトレール接続線)
が乗り放題になって、お値段なんと1000円であるという。
富山からだと、あいの風とやま鉄道で単に高岡を往復するだけでも
720円かかるわけで、
最近すっかりお気に入りの存在となっている万葉線を1区間往復するだけでも、
モトがとれてしまう。
さらに万葉線のフリー切符が800円であることを考えると、
とんでもなくお得なきっぷであるような気がしてくる。
しかしながら、
「とやま1日乗り放題きっぷ」はいまいち宣伝が行き届いているとは思えない。
単に気づかなかっただけかもしれないが、
富山駅でもポスターやチラシの類を見たことがない。
せっかく県が主導となって、こんな素晴らしいきっぷを発売しているのだから、
もっと積極的にアピールすればいいのに、とは思う。
(福井県や石川県でもやってほしいな・・・)
この週末、僕は万葉線を堪能しがてら
高岡で昼飯を食べてくる、そんな予定でいた。
すると相方が「ドラえもんトラムに乗ってみたい」なんてことを言う。
そんなもので「とやま1日乗り放題きっぷ」をフル活用して、
ぐるりと一回りしてみることにした。
あいの風とやま鉄道の窓口で「とやま1日乗り放題きっぷ」を購入すると
案内を兼ねた冊子がついてきた。
時刻表も掲載されており、使い勝手はいい。
驚くほどのお客さんが降りてきた。
便利になれば乗る、
それを体現しているのがライトレールであるような気がする。
「きれいな電車やなあ」と相方は言い、
「ゆうても10年以上たつけどな」と僕は答え、
「昔は富山港線というJRの路線で〜」云々と説明しようと思ったが、
何の興味もなさそうにスマホをいじっているので、
黙っていることにした。
岩瀬浜で射水市コミュニティバスに乗り継ぐ。
僕はこのバスに過去何度が乗ったことがあるのだが、
常に貸し切りだった。
それは今回もまた同じだった。
岩瀬浜を出発した時点で客は僕らだけ。
この新湊ゆきのバスは射水市内での乗車を認めていないので、
これで貸し切り確定である。
せっかく素晴らしいきっぷもあるのに、何だかもったいない。
そして、以前は単なるマイクロバスで、
車内放送すら流れなかったが、
今は普通の路線バスの車両になっていたし、
ちゃんと車内放送も流れていた。
バスは海沿いの国道を淡々と走る。
季節的にもちょうどいいのだろう、自転車に乗っている人も多い。
僕もかつてはロードバイクに乗っていて、
最後に来たのもこの周辺ではなかったか。
住んでいた五福から四方に出て、新港東口から渡し船に乗って越ノ潟へ、
旧8号線を経由して富山へ戻る一周ルート。
その翌朝、いつもなら市電に乗って出勤するのに寝過ごして、
駅地下の駐輪場にちゃんと施錠して置いていたのだが、
仕事を終えて富山駅に戻ったらきれいさっぱり消えていたのだった。
途方にくれて地下駐輪場を5周くらいまわったあの時の絶望感は、
未だに忘れることができずにいる。
アクセントをつける意味も込めて新港東口で下車。
渡し船に乗り継ぐ。
越ノ潟からは万葉線の電車に乗り継ぐ。
この日は乗車調査が行われており、アンケートを渡される。
ビンゴカードのように穴を開けるタイプのもので、
筆記用具も不必要で答えやすい。
次の駅、海王丸で下車。
たぶん、ひとりだったら行かなかっただろうけど、
相方もいるのでちょっと観光もしてみる。
海王丸パークの駐車場に、「夢つなぐ きときと射水 ベイエリア」とある。
「きときと」とは富山弁で「新鮮」という意味で、
全国的に知られている言葉であるような気がするが、
僕は20年ほど富山にいたにもかかわらず、
純粋な富山の方の口から「きときと」なんて言葉を聞いたことがない(笑)
せっかくなので海王丸の船内にも入ってみた。
乗船料金は400円であるが、「とやま1日乗り放題きっぷ」を提示すると350円に。
ちなみにこの翌日には帆を広げた姿を見れたそうな、、、、
海王丸駅に戻ると、ちょうど越ノ潟行きの電車が現れた。
待っていても同じ車両になるので、
無駄に越ノ潟まで行く。
すると当然、乗車調査のアンケートを渡された。
越ノ潟で下車して、折返しの電車に乗ると、
再びアンケートを渡される。
「たびたびすみません」とお兄さん。
無駄に乗ったり降りたりしているこっちが何だか恥ずかしい。
乗車したのはいわゆる「コカ・コーラ電車」で、
このラッピングの車両は1994年から走っているとのこと。
車両にはクーラーすらなく、
少しずつ開いた窓から心地よい風が吹き込んでくる。
そして、非常に賑やかな走行音のおかげで、
せっかくの志の輔さんの放送がほとんど聞こえない(笑)
志貴野中学校前で下車。
電停のすぐ近くにあるのはインド料理「デリー」のあわら店。
僕が高岡住んでいた頃にはすでに「老舗」の貫禄があったけど、
いったい何年前から営業を続けているのだろうかと思う。
富山市内にもお店があって、タンドリーチキンが旨くてねえ、、、
今回富山に引っ越してきて、真っ先に行ったのがデリーだった(笑)
しかしながら相方がそもそも「カレー嫌い」なもので(涙)
今回は別のお店を目指す。
氷見線の踏切の手前で、醤油のいい香りが漂ってくる。
こちらは「誠や」さんというラーメン屋で、
僕が昔いた会社でも根強いファンが多く、
何度か連れられて来た記憶がある。
今回目指すお店は踏切を挟んだ先。
「尾山屋 支店」とある。
こんなところに食堂があるなんて、今まで全く知らなかった。
こちらのお店を知ったのは、
富山にいたころから愛読しているブログ「英語教室「以学館」 ~教室便り~」の記事で、
「我が人生に於いて一番旨かった食いもんは高岡の「尾山屋支店」殿のカツ丼であります」などと記されていたことによる。
それがきっかけで「尾山屋支店」さんを調べてみると、
カツ丼もよさげなのだが、
エビカツが非常に美味そうであったりするのだ。
僕はカツ丼も好きであるが、エビカツという食べ物も大好物であったりする。
しかしながら、そもそも提供しているお店をあまり知らない。
メニューにある以上は「エビカツ」を是非食べたい。
めちゃくちゃ明るいおばちゃんに「エビカツ定食」を2つ注文した。
しばし待つと「エビカツ定食」が配された。
小ぶりなエビがびっちり詰まったエビカツを頬張れば、
ああ、幸せよ、幸せよ、てな気分になってくる。
気になるメニューも多々あるし、
とにかく元気なおばちゃんとの会話も楽しい。
また一つ、高岡に通う理由ができたな、なんてことを思う。
ごちそうさまでした。
この後は高岡市美術館にある藤子・F・不二雄さんのふるさとギャラリーを覗き、
高岡古城公園をぶらぶら。
そして、相方が今回一番楽しみにしていた「ドラえもんトラム」に乗ることにする。
志貴野中学校前の電停からの出発時刻は14時26分。
しかしながら、「ドラえもんトラム」を待っていた僕らの前に現れたのは
何の変哲もない「アイトラム」だった。
相方が「どーゆーこと?」みたいな顔をしている。
高岡に着いて運転士さんに確認してみると、
今日はたまたま「ドラえもんトラム」は運休だとのこと。
「・・・」
相方に「どうする?また行きのルートで富山帰るか」と聞いてみたら、
「まっすぐ帰る」との答え。
行きはずいぶん遠回りして高岡に行ったが、
帰りはわずか18分ほどで富山に着いた。