平成2年7月の北國新聞縮刷版を見ていると、
以下のような記事を見つけた。
北陸鉄道(金沢市、織田廣社長)は鉄道・石川線(金沢市野町ー石川県鶴来町加賀一の宮)の近代化のために、同社初の冷暖房付きワンマン運転の都会型電車を導入し、25日午前、鶴来町本町四丁目の鶴来駅で関係者ら約150人が参加して発車式を行った。
新車両は東京の東急電鉄・東横線を走っていた通勤型電車で、定員は現車両より30人多い140人。1編成2両で、整理券方式によるワンマン運行を導入し、営業経費の節減とグレードアップで利用者増を図る。《北國新聞》
▽全文はこちらに転載してます▽
縮刷版に掲載された写真を眺めれば、
今現在も石川線を走っている車両であると思われ、
そうか、あの車両が導入された頃は「都会型電車」なんて呼ばれていたのか、
と何だか微笑ましい気分になってきて、
久しぶりに石川線に乗りたい気分になってきた。
久々の野町駅。
以前に訪れたのは間もなく鶴来〜加賀一の宮が廃線になる時であったから
平成21年の9月か10月。
約10年ぶり、といったところか。
“都会型電車”は短いホームをめいいっぱい使って停車していた。
土曜の朝、到着した電車には多くの学生の姿があったが、
鶴来行きには数えるほどの乗客しかいない。
定刻に電車は出発。
石川線に関しては「新幹線、何ですのん?」みたいな
のどか、かつマイペースな印象を受ける。
その先は再び空いてきて、
「都会型電車」は野町から約30分ほどで鶴来駅に到着した。
暑くなりそうだし、と思って早めに富山を出てきたのだけど、
この時点でまだ8時30分にもなっておらず、
どの店も開いていないし、と、
かつての加賀一の宮駅、ならびに「しらやまさん」を目指すことにした。
街の外れを歩いていると、
道端で突っ立っていたおっちゃんの前に軽自動車が止まり、
中から出てきたやはりおっちゃんが
「パン買うてきたぞ」みたいな話をしている。
パン、か、、、、
そういや、やはり10近く前だけど
金沢市内に暮らす友人宅を訪ねたら、
友人の嫁さんが「パン買いに行くから付き合ってよ」なんて言い出して、
ほいほいと車に乗り込んだら鶴来まで来たことがあった。
その間、彼女はずっと旦那に対する愚痴を吐いていて、
最初からパンが目的だったのか、
愚痴を聞かすためにわざわざ遠いパン屋を目指したのか、
そのあたりのことはいまいち分からない。
その夜は旦那と飲んでいたのだけど、
旦那は旦那で延々と嫁さんの愚痴をいっていた記憶もある。
ちなみにその状況は今なお変わっていない(笑)
ぶらぶら歩いてかつての加賀一の宮駅へ。
駅舎は保存でもするのか改修工事が行われていた。
知人が撮った懐かしい動画ww
「石川線に乗ってきた」という話をしたら
「俺も乗ってきたばっかり」とこの動画を見せてくれた。
車で「しらやまさん」こと、白山比咩神社を目指すと、
つい境内に近い駐車場に車をとめてしまうもので、
この参道を歩くのもいつ以来なんだろうか、と思う。
石川線に乗りに来た時だったのか、
パンを買いに来た時だったのか、、、
いや、また別の機会だったのか、、、
「しらやまさん」を参拝して再び鶴来の町中に戻り、
途中で見えた階段が気になって、
何かと調べてみたら「金運アップのパワースポット 金剱宮」とあったので、
もちろん参拝(笑)
それにしても、道中でさっぱり飲食店を見かけなかったよな、
なんて気もする。
駅近くの観光案内所に貼られていた散策マップを眺めてみると、
「うどん こいしや(ラーメン)」
という妙に気になる記述をみかけたので向かってみることにした。
すると店の前には人だかりが、、、、
しばし待って店内に入り、先客の様子を眺めていると、
うどん屋であるが、大半の方がラーメンを食べているような気がした。
そして、男性客の多くは大きなおにぎりも食べている。
どうもこの組み合わせが人気のようだ。
カウンター席についてラーメンとおにぎりを注文。
厨房内ではご主人らしき方が着々とラーメンを仕上げていく様子が見えるし、
おそらく、だけど、この時点で店内にいた方で、
うどんを注文していた人はいなかったのではなかろうか(笑)
まずはおにぎりが配された。
「でかい」というのが第一印象で、
一口頬張ってみればわりときつめに塩が効いており、
これが最高に旨い。
そして続けて配されたラーメン。
このスープがまた、スープというよりは「出汁」といった方がいいのではなかろうか、
一口飲んで、麺をすすれば、
思わず笑顔になってしまう、といいますか(笑)
これは人気があるのも納得。
ついでに思い出したのは以前に七尾で食したラーメンも
とんでもなく旨かったということで、
石川県の食堂系の店のラーメンは、
自分の口にあっているのでは、なんてことも思う。
スープも一滴残らず完食。
お値段はラーメン490円におにぎり130円で620円なり。
いやはや、これは満足度が高い。
ごちそうさまでした。またお邪魔します。
鶴来からの帰路はかつて京王井の頭線を走っていた車両に乗車。
で、この車両が恐ろしく冷房が効いていてめちゃくちゃ寒い。
寒さに震えながら野町までの時間を過ごし、
電車を降りたら今度は灼熱の太陽が照りつけていて、
一気に汗が吹き出す。
この日の金沢の最高気温は5月なのに30度超え。
本当なら野町エリアも徘徊するつもりであったけど、
その気力も完全に失う。
僕は津幡のゲンキーで買い物だけして
富山に帰った。