自分の記憶が確かなら、
5月の後半あたりからとんでもなく暑かったはずで、
うーむ、今年の夏はいよいよ干からびてしまうのではなかろうか、
などと戦々恐々としていたが、
心持ち涼しくなった上に「冷夏」なんて言葉も聞こえてきて、
何となくホッとしている今日この頃。
ただ、気温の割に湿度が高いのか、
出歩くたびに汗をかくというよりは、
脇の下やら膝の裏がじっとり湿り気を帯びてくる、
そんな気がしてきてそれはそれで気が滅入る。
こんな日には熱い湯にでもつかってスッキリするのが一番よな、
てな感じで今回は魚津に向かうことにした。
富山駅のホームで泊行きの電車を待っていると、
下車してくる客の大半が大きなキャリーバッグを引いた
外国人観光客であったような気がした。
おそらく大半が「ジャパンレールパス」の利用者であろうが、
日本人だってこのきっぷと似たような値段でJRを利用できれば、
もっと日本国内を旅すると思うんだけどな。
だいたい日本人が日本のことなんて何も知らないのに、
どうやって外国の方々を「おもてなし」できるというのだろうか(笑)
えらい人たちの考えていることというのは、
素人にはさっぱり理解できない。
あいの風とやま鉄道の電車に揺られること23分で魚津に到着。
僕が魚津に来るといつも天気がイマイチなんだけど、
このジンクスは今回も破られなかった。
何はともあれ、まずは昼飯。
今回お邪魔したのは金浦町にある「はまべそば店」さん。
その名の通りメインは「そば屋」なんだろうけど、
富山では「うどん・そば」ののれんを掲げたような店でも
中華そばを提供しているのを多々お見受けする。
こちらもそんな一軒。
席につくなり店員さんに「中華そば」と「おにぎり」を注文。
「昆布にする?海苔にする?」と店員さん。
今回は気分的に「海苔」を注文。
すると、先客のおじさんが「俺もおにぎりもらおっかな」と言う。
おにぎりって、耳にしただけで無性に食べたくなるものよな(笑)
で、ろくにメニューも見ることなく注文したが、
よくよくメニューを眺めればなかなかユニークだ。
例えば560円の中華そばには「ラーメンとも言っています」
680円の五もく中華には「中華そばに椎茸・蒲鉾・油揚・のり・花フ・ゆで玉子等をのせた召上がりもの」
680円のちゃーしゅう麺には「ラーメンに焼豚がたくさん入っています」
といった感じ。
気になったのは680円のカレーそば・うどんで「肉ねぎを入れカレーを加えた近代的な食べもの」
同じく680円のみそそば・うどんには「みその香りが、おふくろさんを思い出させる、みそそば・うどん」
なんて記されている。
うーむ、何もかも気になる(笑)
ほどなく中華そばとおにぎりが配された。
これぞ中華そば、といったビジュアルが嬉しい。
味も無論文句なし。
おにぎりの具は梅干し。
添えられたお新香もまた美味。
お昼ごはん時には少し遅い時間だったけど、
食べてる間に夫婦連れが現れ、
さらにもう一組夫婦連れが現れた。
旦那さんが天ぷらそば注文する一方で、
奥さんが中華そばを注文したりできるのが、
こういったお店のありがたい点なんだろうな、と、
ぼんやり思う。
ごはんものがライスとおにぎりのみっていうのも、
案外悩まなくてすみそうだ。
だいたい夫婦のトラブルの要因は
「決まらない」ってことが大半であるような気がする(笑)
ごちそうさまでした。
またお邪魔します。
昼飯のあとは銭湯へ。
今回お邪魔するのは港にも近いまさに「港湯」さん。
昨年から魚津に来るたびに気になる存在であったけど、
いつも入浴するタイミングを失っていた。
港湯さんの外観はレトロなものであるが、
扉の先は意外や意外、フロントになっていた。
おばちゃんに420円払って先へ進めば、
脱衣場もリニューアルされていてめちゃくちゃキレイであったりする。
床なんてワックスが効いてピカピカだ。
中に入るとヘルパーさんに介抱された年配の男性が出てきて、
僕を見るなり「いらっしゃい、ごゆっくり」と言った。
こちらのご主人なのかもしれない。
浴室は窓が大きくとられていることもあって
とにかく明るい。
その窓の外は庭になっているのだけど、
面白いなと思ったのは窓ガラスに丸い鏡が張ってあったことか。
メインの浴槽は薬湯で独特な香りが立ち込めている。
浴槽に入る前から「熱いだろうな」と覚悟はしていたが、
案の定熱い(笑)
若い頃なら確実に入ることができなかっただろうな、とは思うが、
今となっては何とかなる。
スッキリした気分で港湯さんを後にした。
魚津の町並みにアクセントを与えているのは
「鴨川」の存在だろうか。
川に面して住宅が連なり、
生活に溶け込んでいるような印象がある。
川べりに湧き出る水は「てんこ水」というそうな。
魚津市のサイトによると以下のような説明が。
てんこ水は、富山県が選定している「とやまの名水」の中で、魚津市から4箇所選定されているうちの一つです。魚津市街地の中心部を流れる鴨川では、川底から透き通った清水が湧き上がっています。
片貝川の冷たく澄んだ伏流水が湧き出ているもので、ご飯を茶碗に、てんこ盛りにしたよう盛り上がって湧き出る形から”てんこ水”と名付けられました。
暮らしとのかかわりは古く、てんこ水は江戸時代初期から利用されていました。地下水の湧き出てくる川底に桶・土管をかぶせ、その水を竹樋や土管で導水し、水道が敷設されるまで鴨川流域のほとんどの家で飲用水や炊事、洗濯に使用されてきました。
ただ、このサイトにはこう記してあった。
「てんこ水は、きれいですが、飲料用とはされていませんので飲まないで下さいね!!」
飲んじゃったけど(笑)
つい10年ほど前までこの駅には「廃墟」と称していいような
「ステーションデパート」があったけど、
いつしかスッキリした作りになった。
しばし待ってやってきたのはかつての「レッドアロー」。
以前に西魚津から乗車した時と同じ時間なんだなあ、と思い、
この車両なら地鉄の高い運賃も納得なんだけどなあ、とも思う(笑)
新魚津で下車してあいの風とやま鉄道の魚津駅へ。
待合室へ入って衝撃を受けたのは、
つい最近まで営業していたはずの立派な売店が閉鎖されていたこと。
ニュースにもならなかったようだけど、
どうも高岡駅と同じタイミングで閉鎖されたようだ。
この駅も、かつては越後湯沢行きのはくたかが停車して、
大阪行きのサンダーバードも1本だけだったけどあるような駅だったんだけどね(涙)
ちょっとおセンチな気分に浸りつつ、
僕は電車に揺られて富山に帰った。
おまけ
富山駅北電停(仮)の工事進捗状況
ずいぶん立派で本格的なものを作っているなあ、
と思ってましたけど、
仕上がりは「仮ホーム」っぽくなってました(笑)