それなりに長いこと富山に住んでいるので、
県内の名のしれた観光地は、
それなりに行っているつもりでいるが、
よくよく考えたら富山市内にほとんど知らないエリアがあった。
銭湯も残っているみたいだし、
ぜひ徘徊してみようと思っていたのだけど、
この銭湯の定休日が月、金と、
徘徊しやすい日とかぶってしまい、
なかなか行く機会に恵まれずにいて
「はがやしい」(富山弁・はがゆい)思いをしていたが、
このたびようやくチャンスが巡ってきた。
富山駅で猪谷行きの列車に乗り込んで、
扉に近いロングシートの端っこに座っていたら、
白人男性が「Go to Takayama?」と声を掛けてきた。
うーむ、どう説明すればいいのだろう(笑)
猪谷で乗り換えだけどそもそも高山行きの接続はあるのか、、、、
とりあえず中に入ってもらい、
時刻表を指さしつつ、
「この列車は猪谷行きで、ここで乗り換え」
と、超がつくほど適当な英語で説明。
白人男性は納得してくれたのか、
ホームにいた家族を車内に招き入れた。
この日の2両目のボックスシートは、
インド系の方や中国系の方々ばかりで、
さらにロングシートに白人男性の家族も加わり、
日本の列車に乗っている気がしない(笑)
富山で最も外国人の利用が多いのは高山線ではないのだろうか、
なんて気もするが、
もっとも外国人の利用に対応できていないのも高山線であるような気がして、
何だかなあ、という気にもなってくる。
高山線の列車はことこと25分ほど走って越中八尾駅に到着した。
白人さんのご一家は互いに寄り添うように寝息をたてている。
無事に高山に行けますように。
駅から八尾の町中を目指す。
↓何かのTV番組で紹介されてましたな、、、
渡ろうと考えていた橋が
「風の盆に向けて工事中」であったので、
しばし井田川を挟んで
八尾の街を眺めてみたら、
なかなかあなどれない構造の家が立ち並んでいることが分かる。
果たして何階建てなんだろうか。
にわかに暑くなってきて、
石垣沿いに設けられた坂道を上ると全身から汗が吹き出してくる。
上った先には、時折車でも行き来する見覚えのある町並みが現れた。
何はともあれまずは昼飯にしたい。
今回お邪魔したのは東町にある「みやだ花月」さん。
店内は思いの外広く、
メニューを眺めれば麺類、丼、定食から酒のつまみになりそうなものまで、
一通り何でもある。
中には「天ぷらラーメン」なんていうそそられるメニューもあったが、
ちゃきちゃっきっとした愛想のいい店員さんに
「おすすめ」とあった「ラーメン定食」を注文。
ほどなく配されたラーメン定食には
ラーメンの他に串カツ、魚フライ、煮物、ライスにお新香がついており、
これでお値段800円なり。
揚げ物はアツアツであるし、ラーメンも期待を裏切らない一品。
改めて申し上げたいのですが
富山はブラックラーメンだけではないのです(笑)
入店した時点では僕一人であったけど、
その後はいかにも近所の父ちゃんたちといった風情の方々や、
Yシャツ姿の方々が続々と入ってきた。
地元の方々にとっても使い勝手がよく、
愛されてる店であることが容易に察することができた。
ラーメンのスープまで一滴残さず完食。
ごちそうさまでした。
次回は天ぷらラーメンに挑戦してみよっかな、
と思いつつ(笑)
やはりラーメン定食にするだろうな、とも思う。
「みやだ花月」さんを出て気づいたのは、
お隣に「宮田印刷」とあったこと。
何か関係があるのか、このあたりに「宮田」姓が多いのか、、、
「みやた花月」さんの向かいに
「おわら資料館」なる建物があったので入ってみることにした。
そもそも僕は「おわら風の盆」に関する知識など、
「三日三晩踊る」くらいしかない。
入館料は210円であったが、
これからもいろいろ行くこともあろうと、
なるものを購入。
3日間用が700円、1年間用が1500円だったもので、
1年間用にした。
この近所にある曳山博物館(500円)の他、
動物園であるファミリーパークや、
プラネタリウムがある科学博物館まで入場できるのだから、
かなりお得なパスポートであるような気がする。
係の女性に案内されて映像室へ。
10分弱の「おわら」の優雅な映像を鑑賞。
で、この映像を見ながら、
富山に来てから20年以上、そもそも疑問にすら感じていなかった疑問がわきでてきた。
そもそも、「おわら」って何ぞや?
この資料館にもその答えが記されていたが、
以下は「風の盆」の公式サイトから抜粋。
なぜ「おわら」というのですか。
江戸時代文化の頃、芸達者な人々は、七五調の唄を新作し、唄の中に「おわらひ(大笑い)」という言葉を差しはさんで町内を練り廻ったのがいつしか「おわら」と唄うようになったというものや、豊年万作を祈念した「おおわら(大藁)」説、小原村の娘が唄い始めたからと言う「小原村説」などがあります。
なぜ「風の盆」というのですか。
二百十日の前後は、台風到来の時節。昔から収穫前の稲が風の被害に遭わないよう、豊作祈願が行われてきました。その祭りを「風の盆」というようです。また、富山の地元では休みのことを「ボン(盆日)」という習わしがあったと言われます。種まき盆、植え付け盆、雨降り盆などがあり、その「盆」に名前の由来があるのではないかとも言われています。
「ぜひ風の盆にもお越しください」
係の女性に見送られて資料館を後にした。
資料館からさらにゆるやかな坂を上ると、
石畳がある通りが現れた。
よくよく「風の盆」の映像で流れる場所はこのあたりであったのか、
なんてことに今更ながらに気づく。
しばし八尾の町をうろうろ歩いたが、
この日が平日だったからか、
普段からこんなものなのか、
観光客らしき方の姿は誰一人見かけることはなかった。
率直な感想は八尾の町は
坂道があり、路地があり、徘徊するにはとんでもなく楽しいということで、
県をまたいだ先には白川郷やら飛騨高山といった、
年がら年中観光客であふれている場所があるにもかかわらず、
これだけ閑散としているのはあまりにも「もったいない」ということか。
このあと曳山博物館も訪ねたけれど、
僕が滞在していた時間中には誰一人現れなかった。
「風の盆」でしか八尾に行ったことがない方は、
ぜひ時期を外して来てほしいものだなあ、と、
風の盆に行ったことのないオッサンは思う(笑)
どっぷり汗もかいたし、ぼちぼち銭湯へ向かうことにする。
目指す「福島の湯」は井田川のほとりにある。
福島の湯は、以前は宿でも兼業していたのか、
思いの外大きな建物だった。
番台はフロント式で、
420円支払うと「石鹸とかシャンプー持ってる?」と
奥さんらしき方が気にかけてくれる。
大丈夫です、ありがとうございますww
浴室に入って感心したのは、
洗い場のシマごとに洗面器と椅子が重ねられていたことか。
多くの銭湯は入ってすぐの場所にまとめられているので、
些細なことだけど使い勝手がいいなと思う。
鏡を見れば、この日は日差しが強かったせいか、
顔と腕のだけが真っ黒で、
首から下が真っ白という状況が一層極端になってきたような気がする。
来週あたりは海でも行って、身体も焼けばいいのだろうが
天気予報はいまいちであるし、どうすりゃいいのやら、、、
スッキリした気分で福島の湯を後にする。
後は富山市内に帰るだけ。
そして風呂上がりはどうしても飲みたくなるのが
オッサンの定め、、、、
しかしながらこの日は飲めなかったので、
やむを得ずノンアルコールビールで喉を潤してから
越中八尾駅に向かった。