山小屋にいた頃、
小屋閉めが近づくといつも脳内をリフレインしていたのが
「ひみ」という響きだった。
山では新鮮な魚など食べることができなかったもので、
氷見の民宿に行って新鮮な魚をたらふく食べる、
というのが僕の何よりの楽しみだった。
その思いは今なお変わらずで、
時折氷見に行っては旨い魚を食したりしているのだけど、
最近になって氷見の町中の商店街には、
自分好みとも言える昔ながらの食堂が数多くあることに気づいた。
今回はそのうちの一軒を訪ねてみようと思う。
富山市内から氷見へ向かうのに、
車なら何ら問題なけれど、
公共交通機関で、となれば少しばかり骨が折れる。
地鉄が「ぶりかにバス」なる直通バスを設定しているが、
平日はわずか1往復、休日は3往復。
あいの風とやま鉄道で高岡に行ってJR氷見線に乗り継ぐのが
一般的な考え方であろうが、
氷見線のダイヤというのが恐ろしくやる気がない(涙)
そんなものでもっとも現実的なのは
あいの風とやま鉄道+加越能バスといえるのだけど、
一応地鉄も1時間に1本高岡までバスがあるし、
20分ほどの待ち時間で氷見までのバスもある。
そんなもので行きはバス、帰りは列車で氷見を往復することにした。
新幹線開業後はしばらく新高岡まで乗り入れていたが、
いつの間にやらやめていた模様。
今となってはなぜ乗り入れていたのだろうか、
なんて気もしてくるけれど、、、、
この日は週末であったが、
スーツ姿の方をはじめ、
途中の停留所からもわりと乗ってくる、そんな印象。
バスは渋滞に巻き込まれることもなく、
運賃収受に手間取ることもなく、
順調に走って小杉へ。
ここで大半の客が下車して残ったのは僕以外に1人のみ。
で、僕はこの時点まで、いや、高岡駅に着くまで、
バスは順調に走っていると信じていた。
だからこそ、自分の時計を確認することすらしなかった。
そんなもので氷見行きのバス乗り場でようやく「?」となったのだ。
僕はもともと10時31分発の伏木経由氷見市民病院行きのバス(休日ダイヤ)
に乗車するつもりだった。
高岡駅行きのもともとの到着時刻は10時12分だったもので、
何ら問題なく乗り継げるはずだった。
しかしながらこの時点で既に10時31分を過ぎていたのだ。
途中で渋滞に巻き込まれたりすれば、
広小路で乗り換えることも考えたであろうが、
あまりにも順調に来たもので、「遅れている」なんてことすら考えていなかった。
後でカメラのデータを確認すれば、
小杉に着いた時点で15分遅れだったようだ。
要するにこれは地鉄のダイヤ設定がめちゃくちゃであるということで、
小杉以西で誰ひとり乗ってこなかった理由も分かるような気がした。
幸いにも氷見方面は本数があるもので
10時41分発の新守山経由の氷見市民病院行きに乗り継いだが、
すぐ後ろにはさっきついたばかりのバスが富山駅前行きとなって、
横付けされていた。
ただでさえバスの運転手なんて遅れただけで乗客に怒られ、
ミスをすればSNSで拡散され
マスコミにも集中砲火を浴びるこのご時世、
会社自ら運転手苦しめてどうすんのさ、、、、
と何だか切ない気分になってくる。
そんでもって乗り継いだ加越能のバスもずいぶん空いていた。
僕以外に1人乗ってるだけで、
途中で1人乗ってきたが早々に下車。
地鉄のバスは運賃が跳ね上がっていくので、
ただただ“びびる”が(富山ー高岡は740円、えこまいかで1割引)
加越能の氷見行きは大坪町をすぎると100円から230円に跳ね上がるけど、
その後は260円、280円、290円と上がり方がゆるやかなもので、
逆にこの運賃でいいのだろうかと不安になってくる(笑)
この日は氷見で祭りがあるようで
バスは少しばかり迂回して氷見中央へ。
迂回したにもかかわらず、所定より4分遅れ。
さらに高岡駅からの運賃は310円なり。
安いよなあ、、、、
今回お邪魔することにしたのは「よしだや」さん。
外観は「食堂」そのものといった感じだが、
中に入ると喫茶店みたいな感じで、
実際に「ママさん」と呼びたくなる素敵な女性が
カウンター内でコーヒーを煎れていた。
中華そばとおにぎりという組み合わせにも引かれたが、
メニューにカツ丼があったので注文。
テーブル席では年配の女性が何か麺類を食していたが、
眼の前にいるママさんはホットサンドを作りつつ、
飲み物の注文を受けていたりして、
この何でもありな感じがなかなか楽しい。
ほどなくカツ丼が配された。
おっとなったのは
卵でカツをとじるというよりは、
卵とじの上にカツが載っている、といった感じであったことか。
けど、このカツにもちゃんと味が染みている。
氷見に来てカツ丼食べるってのもなかなかオツなものだなあ、
なんてことを思う(笑)
カウンターには続々と地元の方らしき男性の1人客がやってくる。
みなさん常連のようで、
ママさんとの会話を楽しみにしている様子が伺えた。
ごちそうさまでした。またお邪魔します。
商店街を歩いていたら湊川にかかる橋に人だかりができていた。
時計を見れば、ああ、からくり時計が動く時間なのかと思う。
やがて水しぶきが上がって、ハットリくんたちが姿を見せた。
長年氷見に通っているが、このからくり時計が動くのを見たのは初めてだ(笑)
湊川沿いを歩き、
商店街で祭りの準備を眺めて一本裏通りに行くと、
中華料理屋さんがあった。
「本日休業」の札がかかっていたが、
中からはフライパンを煽る音と、
チャーハンのような香りが店の前まで漂っている。
うーむ、氷見には気になる店が多すぎるのよな(笑)
富山に帰る前にひとっぷろ。
今回はまさに氷見駅前にある「有磯の湯」さんへ。
入浴料金は500円であるが、
今回は「北陸湯めぐりパスポート2019」を利用して半額の250円に。
この湯めぐりパスポートは昨年も利用して重宝しているのだけど、
富山市近郊がやたらと少なくて、
さらに土日は利用不可っていうのが多いのが残念なところ。
「有磯の湯」さんは土日関係なく使えるのがありがたい。
汗を流して、ノンアルコールビール飲んで(涙)氷見駅へ。
氷見駅、ずいぶんきれいになったように見えるが、
実は駅舎の前に屋根が設けられただけというのが、
何ともユニークなところ。
列車の出発時刻が近づくと、ホームは多くの乗客で賑わい始めた。
折返しとなる列車が到着すると、
やはり多くの方々が降りてきた。
この日の氷見線の車内は学生の姿も多かったが、
観光客もかなり多かったようで、
雨晴駅をすぎると多くの乗客が窓の外にカメラを向けていた。
氷見線なんてそこそこ需要があるにもかかわらず、
単にJRがやる気を失っているように見えるのよな(涙)
そんでもって高岡で乗り継いだ富山行きはおなじみの2両編成で、
車内が混雑しているのもいつもの光景。
行きのバスは空いてて楽だったなあ、と勝手なことを考える。
そもそもだけど、
そこそこ需要もある金沢ー富山間に2両編成の電車を走らせる神経が
僕にはさっぱり理解できない。
えらい人たちというのは自腹で電車に乗ることなんてないだろうから、
いつまでたっても乗客の気持ちなんて分からないのだろうし
今後改善されることもないだろうと考えると暗澹たる気持ちになる。
これ以上書くといつもの悪い癖が出て
しつこくなるので今回はこの辺りで失礼します(笑)