まさか、まさかの北陸新幹線の運休は、
年に一度高崎を訪ねる僕にも思わぬ影響を、、、、
と、書きたいところだけど、
今年に限っては「新幹線は高いよなあ」というケチケチモードが発動し、
日本中央バスの「東京・さいたま・群馬~富山・金沢線」という、
かつての夜行急行を彷彿とさせるようなバスを抑えていたもので、
行きはバス、帰りは在来線経由で往復できた次第。
しかしながら、マスコミは対東京との流れが云々ばかり報じているたが、
対東京に関して言えば米原経由、あるいは飛行機利用と何とかなったともいえる一方、
一番困ったのは北陸と長野を行き来する方だったと思うのよな。
だいたい17日までしなの鉄道の北しなの線が途切れていたのだから、
鉄道ではそう簡単に行く術がない状況に陥っていた、とも言えるのだけど、
さっぱり報じられることはなかった。
絶対数が少ないと言えばそこまでだけど、
もう少し肝心要な情報は流す必要があるのではなかろうか、とも思う。
何はともあれ無事に帰宅できたもので、
とりあえず昼飯でも食べに行こう。
目指すは高岡。
僕は食堂を探す過程において、
「食べログ」というサイトも当然のことながら拝見しているのだけど、
自分と感性が似ていると思ってるレビュアーさんの意見の方を参考にしていて、
その店の点数とかにはほぼ興味がない。
そんでもって、そのレビュアーさんのページをずっとさかのぼっていくと、
何じゃこれは、というお店が現れたのだった。
場所は氷見線の越中中川駅の近く、であったもので高岡で氷見線に乗り換える。
越中中川駅で下車して住宅街を通り抜け、
JR氷見線の線路を渡り、
高岡高校の前の道を進むと、
何とも味わい深い建物が現れた。
「営業中」の看板は掛かっているし、
扉も開いている、けど店内は真っ暗だ。
この時点で11時30分にもなっていなかったので、
もう少しすれば電気も点くのかもしれない、と思ったが、
一応「営業中」なのだ、と思っていざ入店。
店内は本当に真っ暗であったが、
厨房を覗けば年配のご夫婦らしき方が何やら作業をしている。
「何時からですか」と問えば、
「ああ、いいよ」と奥さんらしき方が出てきて電気を点けてくれた。
言葉のなまりから中国の方と察する。
壁に貼られたメニューをしばし眺め、「野菜ラーメン」を注文。
それにしても、レトロ、というか年季の入った店内はある。
若かりし頃の田中角栄さんの写真なんかもあって、
今が「令和」という時代であることをつい忘れそうになる。
ほどなくして「野菜ラーメン」が配された。
奥さんが「辛いのダイジョーブ?」と声をかけてくれて、
「大丈夫です」と答えたら、
南蛮みそ、のようなものを小皿に入れて持ってきてくれた。
スープは「あっさり」ではなく、
見た目以上に濃厚な感じ、でも決してしょっぱすぎず、
実に美味い。
南蛮みそ、らしきものを投入すれば、
またこれがさらに美味い(笑)
最後の一滴までスープを飲み干して、
厨房にいた奥さんに「ごちそうさまでした」と声を掛けたら、
「もう食べたの、早いね」と笑う。
値段は500円とあったもので、
消費税込みで550円を渡そうとしたら、
「うちは変わらないの、500円のまま」とのこと。
旦那さんもずっとニコニコしてて、
あー、いい店見つけたなあ、なんて気分になってくる。
また近々お邪魔します。
旧8号線に出て、本日の風呂を目指す。
今回お邪魔したのは「パラダイス」さん。
僕が高岡に住んでいた頃、
我が家によく出入りしていた方々に一番人気があった銭湯で、
それなりの頻度でお邪魔していた。
我が家には洗濯機がなかったもので、
コインランドリーが併設されているのもありがたかった。
中は一般的な銭湯と比べればかなり広めで、
目を引くのは「打たせ湯」と「プール」であろう。
「プール」といっても水深は浅くてあくまでお子様用であろうが、
一応、大人の僕でも平泳ぎくらいはできる。
クロールは手が底について厳しく、
背泳ぎはやめておいた方がいい(笑)
かつてサティがあった地にはホームセンターとスーパーが。
どの場所に建物があったのだろうか、
とあれこれ記憶をたどってみたけどさっぱり出てこない。
併設されていた映画館「ワーナー・マイカル・シネマズ高岡」は
ワーナー・マイカルとしては全国で3番目の劇場だったという。
今でこそシネコンなんて珍しくも何ともないけれど、
当時はその空間に足を踏み入れるだけでわくわくしたものだったし、
高岡の住人であることがつくづく嬉しくて仕方なかった。
さらに歩いて高岡駅へ。
驚いたのはかつてのダイエーが跡形もなく姿を消していたこと。
何かまた作るのだろうか、
はたまた更地のままなのか。
見慣れた建物がなくなっていくのはやはり寂しい。
電車の出発時刻までまだ時間があったので、
飲み物でも買おうと近くの「クスリのアオキ」に行った。
レジに並んでプリペイドカードを出し
「Aoca(アオカ)」で払います、と告げた。
すると、レジのお姉さんが困ったような表情を浮かべている。
よくよく見ると僕が出したのは「Aoca」ではなく、
献血のカードであったりした。
うーむ、いかがわしい店の会員証とかでなくて良かった(笑)
恥ずかしいやら何やらで、おセンチな気分もふっとんだ僕は、
おとなしく電車に揺られて富山に帰った。