富山にもようやく冬がやってきた。
朝イチから車に積もった雪を下ろしつつ、
これを毎日やってたんだよなあ、
やっぱ降らないにこしたことはないなあ、
なんてことも思ったりすれど、
夜明け前に走ってる除雪車の作業風景なんかを見ていると、
除雪なんていうのは誰でもできる作業ではない訳で、
除雪技術の継承という意味でも適度に雪が降る、
というのは大事なことなんだよな、とも思う。
それにしても、この日の富山は寒かった。
後で聞いた話では県内全域で氷点下5度を下回っていたとのこと。
道もてっかてかだし、
バス停に向かうだけで5回ほどひっくり返りそうになったww
着々と変化を遂げつつあるのだけど、
先日聞いた話では「マクドナルド」ができるそうな。
駅前からマックが消えて随分たつが、駅ナカに復活ということか。
路面電車がつながることよりこっちの方が嬉しいかもしれぬ(笑)
南富山駅前行きの電車に乗って広貫堂前で下車。
いつもなら昼飯に直行するのだけど、
今回はちょっと寄ってみたいところがあった。
それがこちらの広貫堂資料館。
その存在は知っていたのだけど、
予約が必要な団体さん向けの施設だと勝手に思い込んでいたのだが、
個人でも入館できるってことを知った次第。
中に入るとイケメンの売薬さんが迎えてくれた。
受付をすると栄養ドリンクまで頂いた。
無料の施設なのにいたれりつくせりで何だか申し訳ない。
そのドリンクを飲みつつ、会社案内を兼ねたビデオを鑑賞。
兵庫県出身の僕が富山に来てカルチャーショックを受けたことは数あれど、
体調崩した時にこういったイラストが描かれた薬が出てきた時は
「ナンジャコリャ」となったことを思い出す。
薬なんてせいぜい「バファリン」とか「ビオフェルミン」くらいしか知らなかったもので、
腹が痛けりゃ「赤玉」とか、食べすぎ、飲みすぎの時は「熊膽圓」とか、
めちゃくちゃお世話になったなあ、、、、。
一方で、僕が地元に帰ったり、
九州や四国にいる親戚に会って「富山にいる」という話をしたときに、
ほぼ例外なく返ってくるのが「ああ、薬売りの」っていう言葉なのよな。
けど、駅を降りた瞬間に
「ああ、きれいだなあ」とか「路面電車がある」とは思えど、
「薬の町」を連想させるものはほぼない。
高岡なんかも年末のテレビ番組で
「コロッケの町」って紹介されていたのに、
駅周辺に「コロッケ」を連想させるものがまったくなかったりする。
新幹線が開通してからの富山って、
ずいぶんいろいろきれいになってきたし、
垢抜けてもきたりするけれど、
世間の人が持っている印象を裏切らないような街作りっていうのも
必要なのではなかろうか、なんてことも思う。
駅や空港に富山の製薬会社のサテライトショップを設けるとか、
巨大なケロリン桶のモニュメントつくるとか、
ケロリン桶つながりで富山は銭湯が多いってことをアピールするとか、
日本人が持つ「ああ、懐かしいなあ」って思う部分が富山には案外あるように思われ、
うまく活用できればいいのになあ、なんてことを考えたりする次第。
広貫堂資料館を後にして西町へ向かう。
今回昼食に伺うすることにしたのは日枝神社にも近いこちらのお店。
見た目は「昭和の喫茶店」そのものであるが、
店の前の看板には「ラーメン」が一番大きく書かれており、
「軽食」「喫茶」と続くもので、
その存在は知っていたが今まで入る勇気がなかったお店であったりする。
そして、入店するとやはり「昭和の喫茶店」だなあ、と思う。
(ちなみに僕は中学3年生の時に平成を迎えたので昭和時代の喫茶店は知りませんww)
ラーメンを注文すると、
隣の席に座っていた女性が僕の手元のカメラを見て
「何撮ってこられたんけ」「兄ちゃんどっから来たん」と声を掛けてきた。
地元で暮らした日々よりよほど富山で暮らしている日々の方が長いけど、
こういった会話の延長線で
「兵庫県から訪れた観光客」になりすましてしまうのが、
自分でもいいことなのか悪いことなのか、いまいちよく分かっていないところ(笑)
女性のもとにラーメンが配されて、
ほどなくして僕のもとにも配された。
数日前に友人と「カレー談義」になって、
何だかんだ言っても万人受けするカレーとは何かと言えば
「ハウスバーモントカレーの甘口を余計なものを入れずに箱に書いてあるレシピ通りにつくる」
という結論に達したのだけど
こちらのラーメンというのは
「これぞラーメン」という基本中の基、
万人受けするラーメンであるような気がした。
隣の席の女性と似たようなタイミングで食べ終えて、
何となく僕と目があって
「美味しかったなあ」と女性が言って
「最高でしたね」と答えたら、女性はにっこり笑い、
近くにいた店員さんも笑ってた。
至福のラーメンの値段は550円なり。
ごちそうさまでした。
近々相方連れてお邪魔します。
あとは風呂に入れば満足であるが、
まだ開湯まで時間があったので図書館で時間つぶし。
この図書館もご覧の通りなかなか個性的な建物だし、
本を読みつつ電車も眺められるという、
鉄ちゃんにとっては最高のシチュエーションであるが、
以前の図書館にはあった駐車場をなくしてしまったのが残念なところ。
もともとなかったならまだしも、以前はあったのだ。
公共交通機関をご利用くださいってことなんだろうけど、
そもそも富山のバスの大半は図書館がある西町を通らない。
それなら駅前につくってくれた方がよほど便利だったと思う。
図書館から10分ほど歩いて、目指す「藤の湯」さんに到着。
番台の親父さんに440円支払って脱衣場へ。
服を脱ぎつつ思ったのは
「実家の洋間にいるみたいだなあ」ってことか。
マス目状の床の模様なんかが
フローリングではない、昔の家の洋間を連想させたのだろうけど、
どことなく「懐かしさ」を感じさせる不思議な空間になっていた。
浴室内は湯気で満ちていて、
その湯気の中に照明が浮かんでこれまた「いい雰囲気」であったりする。
こんな町のど真ん中に、こんな素敵な異空間があったとは、、、
「藤の湯」さんがあるのはもう少し進めば国道41号線、という場所で、
それこそ僕は長年にわたりこの道を行き来していたが、
昨年までこの場所に銭湯がある、なんてことすら知らなかった。
それこそ五福の風呂なしアパートに住んでた時、
「銭湯に行ってます」なんてことを周囲に言ったら
富山工業や富大出身の方にも「五福に銭湯あるんか」と
たびたび言われたものであるが、
銭湯の苦境が伝えられる昨今、
そもそも銭湯があることを知らない方が相当数いるように察する。
(五福の銭湯は残念ながら廃業)
スッキリした気分で「藤の湯」さんを後にした。
荒町から市内電車に揺られて富山駅へ戻る。
喉が乾いたもので献血行ってコーヒー飲んで、
「今日の晩飯何にするか」としばし考え、
「そっか、今日は相方がいないのか」ということに気づき、
それなら自分も飲んで帰ろうかな、なんてことも考えたのだけど、
財布の中の主は妙に寂しい次第であったりして、
ダイソー行って「炒り豆」と「カルパス」だけ買ってバスに乗った。