先日、「取り調べ体験」でカツ丼を食べる、という体験が福島県の温泉街でできる、
なんて話をテレビで見かけて、
思わず笑ってしまったと同時に、
うう、ぜひ行ってみたい、なんてことを思い、
するとたまたま手元にあった富山のフリーペーパーの表紙もまた、
どういうわけか「カツ丼」であった。
うーむ、こりゃ無性にカツ丼が食べたくなってきたぞ(笑)
てなもんで今回はカツ丼を食べに行くことにした。
それにしても暖かいなあ、、、、
本当に2月かよ、、、、、
忘れちゃならない2年前の福井の光景。
フリーペーパーに掲載されていたカツ丼が小杉の食堂のものだったので、
ついでに太閤山の風呂でも入ってくるか、
なんて気分でいたのだけど、
この日は金曜日だったので「フライデーPM往復割引きっぷ」が使えることに気づき、
急遽行き先を高岡に変更。
何だかの理由があって設定区間があるのだろうけど、
富山から小杉往復より高岡往復が安くなるのも、
どうしたものか、とは思う。
急遽高岡に来たもので、今回は何も下調べをしていない。
ま、どこの食堂に行ってもカツ丼くらいはあるであろう、
適度に歩いて食堂へ、
さらに適度に歩けば銭湯も開く時間であろう、
そんな計算をしつつ、西へ向かう。
高岡や魚津で見ることができる
この在来線の高架橋の哀愁を帯びた感じがお気にいり。
この高架橋をサンダーバードや雷鳥、しらさぎ、白鳥、北越、はくたかに
日本海、トワイライトエクスプレスも走っていたんだよなあ、
なんてことを考えるとついおセンチな気分にもなる。
つい数年前まで、高岡駅に行けば、
関西にも中部にも東北にも北海道にも行けたのだ。
高岡駅から15分ほど歩いて、
目指す食堂に到着。
昼のピークは過ぎたような時間であったが、
店内は老若男女で多いに賑わっていた。
店員さんも多いし、何とも活気がある。
ちょうど似たようなタイミングで入店したオヤジさんが、
真っ先にビールを頼んだもので、
うー飲みたいなあ、と思いつつ、
当初の予定どおりカツ丼を注文。
その後立て続けに何人か入ってきたが、
揃いも揃ってカツカレーを注文していた。
ほどなくしてカツ丼が配された。
これぞ王道のカツ丼よなあ、とニンマリしつつ合掌。
これで瓶ビールとラーメンもあれば気分は高倉健さんよなあ、、、
なんて気分になりつつ、久々のカツ丼に食らいつく。
うひゃ、うめーや。
味噌汁もズルリ。
小皿に盛られたお新香もまた美味。
それにしても、カツ丼というのは何と満たされた気分になる食べ物なんであろうか。
いやはや満足、ごちそうさまでした。
さ、腹も満たされたし風呂だ。
今回目指すは高岡に住んでいた頃、
別府湯とならんでよくお世話になっていた駅南鉱泉さん。
20分も歩けば着くだろう、そんな計算をしてぶらぶら歩く。
かつて住んでいた瑞龍寺近くの住宅街には先日降った雪が残っていた。
その昔、仕事で愛知県に行っていて、
休みで高岡に帰ってきたらしんしんと雪が降っていて、
このあたりも一面真っ白だったのだけど、
僕が借りてた家の前だけ雪が溶けていて、
いったい何事かと思ったら玄関から水がじゃんじゃん流れ出ており、
ほとんどパニック状態になって家に入ったら、
トイレの配管から水が噴き出していた、なんてことがあった。
ずぶ濡れになりながら水を止めたのは良かったが、
この家は風呂がなかったからガスも引いておらず、
さらにしばらく留守にしていたもので灯油も切らしており、
あまりの寒さにひどく惨めな気分になったことははっきりと覚えている。
そんな惨めな気分から救ってくれたのが、僕にとっての「銭湯」だった。
しばらく来ていなかったけど、
場所は案外憶えているもんだなあ、
と思いつつ駅南鉱泉さんに到着。
この時点で2時前だったから、もう少ししたら開くだろうと思っていたが、
玄関先のガラス戸に何やら貼り紙が。
「建物不良のため 廃業することになりました 長い間 まことにありがとうございました 駅南鉱泉」
「・・・」
この貼り紙そのものがまだ新しい印象を受けたから
つい最近まで営業をしていたのかもしれない。
営業時間を記す看板もまだ艶があり、
とても廃業した銭湯のものとは思えない。
嘆いていても仕方ないので、
近くの和倉湯を再訪することにした。
和倉湯さんで印象的なのは雨晴海岸から眺めた立山連峰がでんと描かれていること。
今、NHKでやってる銭湯に関する番組では
銭湯に描かれた「富士山」について触れられていたけれど、
立山っていうのが富山っぽくていいなあ、と思う。
ちょいと熱めの湯につかりつつ、
自分はたまたま北陸に住んでいたから
銭湯が近くにあるのは当たり前だと思っていたが、
全国的に見れば決してそんなことはないと気づくわけで、
例えばお隣の新潟県の浴場組合のサイトを見れば、
営業中として記されているのは18軒で、
うち12軒が新潟市、佐渡市が2軒、三条市が2軒、新発田市、燕市が1軒ずつであるから、
下越地方に集中して中越や上越にはそもそも存在しないことが分かる。
さらにそのお隣の山形県に至ってはいわゆる「銭湯」は
もはや1軒もないそうだ。
こうしてみれば銭湯が多いっていうのも
十分に町の個性だろうし、
こういった点もうまくアピールして
地域の文化として、何とか残ってほしいなあ、と切に願うばかり。
スッキリした気分で高岡駅へ戻る。
高岡駅周辺はすっかり変貌してしまったけれど、
唯一かつての雰囲気を残すこの建物も一体いつまで残るやら、、、
富山に帰って北口の様子を。
面白い場所に案内表示板ができるなあ、と思いつつ、
よくよく見れば「8」なんて数字も見える。
うーむ、どんな乗り場配置になるのやら、、、
ま、あと1カ月もすれば、いよいよ開業となるわけで、
ただただ楽しみにはしている。
で、この日の晩飯はまさかの「とんかつ」だった。