北陸徘徊人

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

金沢は今日も雨だった 〜近江町市場近くのラーメンと犀川近くの銭湯をめぐる徘徊〜

うちのアパート、今年の春先あたりから、退去者が続出しており、

両隣だけでなく階下の賑やかな外国人もいつしかいなくなっていた。

もともと建物が古いこともあって、夜に外から見れば廃墟のように見えなくもない。

 

両隣がいなくなると何だかんだいっても気楽であるし、

夏場は前を誰も通らなくなったからと、

廊下側の窓を開け放して「ああ涼しいなあ」と前向きにとらえていたが

冬になって明らかに昨年までとの違いに気づくことになった。

 

寒いのだ。

久々にまとまった雪が降ったというのもあれど

夜、帰宅して玄関を開けると室内が寒いというより冷たい。

あくまで感覚的なものに過ぎないけれど、

アパート暮らしにおいては両隣なり階下に住民がいるというのは大事なことだなあ、

と改めて思う次第。

 

寒いのは夜だけでなく日中もまた同じ。

久々の除雪で身体もキシキシいってるし、

とりあえず飯でも食って銭湯で温まってこよう。

 

 

 

出かけよう、今日は近所にしておくか、と思ったが、

手元には20日から使える地鉄の年末年始フリーきっぷがあるもので、

この日に地鉄を絡めるのは何だかもったいないような気がした。

ならあいの風にするか、高山線にするかと思っていたら、

財布の中から高速バス金沢線の回数券2枚出てきた。

 

値上げ前のものであるが地鉄に確認すると60円の追加払いで使用可とのこと。

よっしゃ、さーっと金沢でも行くか。

雪景色の金沢もまたよし、であろう。

 

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高速バスに乗って金沢へ。

県境を超えて森本あたりまでは何だかんだいっても白かったけれど、

金沢東インターのあたりは屋根がうっすら白い程度で本当に雪がない。

 

車内は空いており、客は10人以下である。

「次は金沢駅です」とのアナウンスが流れても降車ボタンは押されず、

若い運転手さんは「お知らせがなければ金沢駅も通過しますが」とアナウンスして、

ようやく降車ボタンが押され、

1人下車して扉が閉まったところで「降ります、降ります!」と2人後ろから駆けてきた。

 

運転手さん、再び扉を開けるけど、今度は両替を始めるなどしてもたもたに。

その様子を見ながら「早くしてくれ」と思う。

とにかくトイレに行きたくて仕方ない(汗)

 

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最初の予定では広坂まで行くつもりだったけど、

急遽予定変更して武蔵ヶ辻で下車。

近江町市場のトイレに駆け込んで「助かった」と一息つく。

 

近江町市場は、それなりに賑わっているようで一安心。

市場を出て改めて思ったのは本当に雪がないということか。

ただ、雪がないだけで寒いのは寒い。

うー、早く温かいものを食べたい。

 

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広坂を目指して歩き始めたところで、

一軒の食堂が目に入った。

この時点で11時前であったけど既に営業しているようだ。

 

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近江町で美味そうな食材を眺めてきたこともあってか、

やたらめったら腹が減っていた。

よし、今回はこちらで飯にしよう。

 

魚の定食などにも惹かれたが「昔ながらの」なんていう一文に惹かれ、

ラーメンを注文。

しばし待って配されたラーメンにはチャーシューではなくて、

ゆでた豚肉がトッピングされていた。

 

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冷静に考えれば、こういった食堂でラーメンのためにチャーシューを用意しても

他に使いみちがないだろうから、豚肉を載せるのは理にかなっているような気がした。

そしてこのラーメンのスープが「出汁」といってもいい味で、

しみじみ美味い。

 

至福の一杯のお値段は550円。

本当に金沢の(富山も)食堂のラーメンは安い上に満足度が高い。

ごちそうさまでした。またお邪魔します。

 

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外に出るとポツポツと冷たい雨が降り始めた。

本当に僕が金沢に来ると雨ばかり降っている、

そんな気がしなくもない(涙)

 

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尾山神社へ。

今年の初っ端あたりに東京の友人と金沢で飯を食べたことがあって、

そのときに「尾山神社の庭園が良かった」なんていう話を聞いて、

恥ずかしながら僕は「尾山神社に庭園なんてあったっけ?」と思っていたのだけど、

本殿のすぐとなりに美しい庭園が広がっていた。

 

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ただ、調子に乗って橋を渡ってみたけど、

非常に滑りやすくて肝を冷やす。

ここで池に落ちたら、なんて考えただけで冷や汗も出る。

 

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香林坊を抜けて犀川を渡る。

 

このあたりにくるといつも頭をよぎる小説がある。

恩田陸さんの「ユージニア」という作品だ。

この物語の舞台となる街の名前は一切記されていないのだけど、

「間違いなく金沢なんだろうな」と思わせる表現がいくつも出てくる。

 

少しだけ抜粋。

他の街では、ここで街はおしまい、という場所がはっきりしているの。この先は住宅地、この先は農作地。その境界線が誰の目にも分かる。

でも、ここは、街の終わりの気配がない。ちょっと歩くとお茶屋街、ちょっと歩くと寺社町、ちょっと歩くと武家屋敷、ちょっと歩くと官庁街、ちょっと歩くと歓楽街。どこまでもゆるゆると小分けにされた集落がある。今、こうしてこの街を歩いていると、シナプスのようだと思う。どこにも中心がなく、小さな共同体がゆるやかに繋がっている。だから、歩いても歩いても終わりの気配を感じない。ダイヤモンド・ゲームの盤面を移動しているみたい。【恩田陸・ユージニアより】

 

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金沢の街を歩いていると、

この中に出てくる「街の終わりの気配がない」という一文がいつも頭をよぎってくるし、

この話の肝となる事件はまさにこの犀川沿いの一画を想定して書いたんだろうな、

なんてことを勝手に思ったりしている。

今晩は久々に「ユージニア」でも読もう。

 

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目的の銭湯「あわづ湯」さんは住宅街の中に溶け込んでいた。

背後に煙突がなければ食堂のように見えなくもない。

玄関の扉の先には脱靴場に面して番台があり、

柔らかい声の親父さんが「いらっしゃい」と出迎えてくれた。

 

平日の12時前という時間にも関わらず、脱衣場は結構な賑わい、

であったが、ちょうど一番風呂の客が出ていったタイミングだったのか、

浴室内の先客は1人のみ。

浴槽は浴室の真ん中にある富山ではあまり見かけないタイプのもの。

壁には富士山と白糸の滝が描かれていた。

 

浴槽は2つが段になっていて、手前が浅めの泡風呂、

奥は腰掛けこそあれどかなり深い。

身長160センチ未満、短足の僕がまっすぐ立って水面がへその位置あたり。

当然といえば当然かもしれぬが深い湯ってめちゃくちゃ暖まるのよな。

額に汗が滲んでくる。

 

しっかり温もって出ようとするとこの日の第二陣なのか、

続々と父ちゃんたちが入ってきた。

 

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外に出ると雨もやんでいた。

火照った身体に冷気が何とも心地よい。

僕は香林坊までぶらぶら歩いて高速バスに乗り、

富山に帰った。

 

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我が家のカレンダーには酒を飲まなくなってからの日数を記入しているのだけど、

これによるとかれこれ40日ほど酒を抜いていることになる。

このまま年末まで飲まずに過ごせば53日。

 

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最近、富山の酒蔵が協力してブレンド酒を作ったとか、

そんなニュースを耳にして「ああ、飲んでみたい」と思うし、

晩飯食べに行って隣でうまそうに生ビールとか飲んでるのをみれば

「ああ、うまそうだなあ、飲みたいなあ」とは思うけど、

不思議と食指が動かない、むしろその一杯を飲むのが何だか恐ろしい。

 

そんなもので結局今宵もコンビニスイーツに向かう日々。

ああ、ファミマのスフレ・プリンが美味しいww

 

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てなもんで、酒をやめると痩せるなんてよく耳にするが、

僕に関してはさっぱり痩せる気配がないのだった。

うーむ、、、、