北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

名鉄名古屋本線・山王駅〜近鉄名古屋線・米野駅徘徊

手元に先日図書館で借りてきた

「東海・名古屋」の古いガイドブック(1998年4月発行)があり、

鉄道路線図を開いてみれば、

中部国際空港あおなみ線は存在せず、

地下鉄名城線大曽根ー名古屋港、新瑞橋間のみで、

今とはずいぶん違うもんだなあ、と思って見ていたのだけど、

「へえ」となったのは名鉄名古屋本線の現在の「山王駅」が

ナゴヤ球場前」駅になっていたことで、

そういやその昔、JRにも「ナゴヤ球場正門前」なんていう駅があったよな、

今はどうなってるんだろうか、

などと考えたのが今回の徘徊のきっかけ。

 

f:id:fukuitabi:20211116123250j:plain

 

 

 

名鉄名古屋本線の普通電車は山王駅に到着した。

名古屋鉄道各駅停車なる本の「山王駅」の項を開くと

昭和19年9月に神宮前〜新名古屋間の開通時に「山王駅」として開業し

「近隣の野球場を本拠地とするドラゴンズ球団の盛衰とともに、駅名も改称した歴史を持つ。昭和31(1956)年9月に中日球場前、昭和51(1976)年1月にナゴヤ球場前と、球場の名称変更に合わせて変わった」

とあり、平成17年(2005)年9月に山王駅に戻ったとのこと。

 

f:id:fukuitabi:20211116120645j:plain

 

何はともあれ、まずは腹ごしらえと駅近くの食堂に入った。

日替わりと記した白板に「ラーメンと土手煮丼」とあったので注文。

 

f:id:fukuitabi:20211116120753j:plain

 

で、ここのラーメンがべらぼうに美味かった。

というか、最近少し外食する機会も増えたもので、

ちょくちょくラーメンを食しているけれど、

名古屋近辺の食堂のラーメンは自分の口にあっていると思う。

さらに「土手煮丼」もなかなか病みつきになりそうな味わい。

日替わりのお値段は620円なり。

名駅から南へ一駅、

いい店が見つかったとついにやけてしまう。

ごちそうさまでした。

 

f:id:fukuitabi:20211116120718j:plain

 

山王駅に戻り、

名鉄とJRのガード下、東海道新幹線の高架下をくぐる。

ほどなくするとナゴヤ球場の一画が見えてきた。

 

f:id:fukuitabi:20211116120938j:plain

f:id:fukuitabi:20211116121334j:plain

 

新幹線の高架下を再びくぐると、

JR中央線から分岐した貨物線が南に伸びており、

このあたりにかつての「ナゴヤ球場正門前駅」があったらしい。

路面に白線と矢印が残っており、きっぷ売り場でもあったのかもしれぬ。

 

f:id:fukuitabi:20211116121027j:plain

f:id:fukuitabi:20211116121057j:plain

 

ナゴヤ球場正門前駅が開業したのは国鉄からJRになって間もない昭和62(1987)年7月で、

平成6(1994)年10月8日を最後に廃止されたとのこと。

ちなみにこの日行われた試合というのは

セ・リーグ終戦で巨人が中日を下して優勝した日らしい。

 

以下当日の新聞記事より。

長嶋監督が5度宙に舞った。130試合目の激闘に持ち込まれたセ・リーグは8日、巨人が中日との「名古屋決戦」に6-3で勝って70勝目を挙げ、4年ぶり27度目(1リーグ時代を含めると36度目)のリーグ優勝を果たした。
巨人は今季、開幕直後から快調にトップを走り、一時は貯金を21まで増やして2位以下に大差をつけた。8月18日には優勝マジック25を点灯させた。ところが、8月25日から打撃不振に陥って8連敗。広島、中日の追撃も受けてマジックが消滅。9月末には中日と並ばれて激しいデッドヒートを演じたが、大波乱のペナントレースにふさわしく、最後の最後で決着をつけた。《共同通信

 

この記事を読む限り、「ナゴヤ球場正門前駅」の最終日は

えらいこっちゃな状況であったのだろうな、

ということは想像できる。

 

f:id:fukuitabi:20211116121133j:plain

f:id:fukuitabi:20211116121259j:plain

 

ナゴヤ球場の向かいに「露橋スポーツセンター」という建物があった。

僕はこの地を訪れたのは初めてなのに、

妙に聞き覚えというか見覚えのある施設の名称である。

 

f:id:fukuitabi:20211116121218j:plain

 

はて、一体何が行われていたところだったのか、と

調べてみたら、プロレスラーの大仁田厚さんが新団体FMWの旗揚げ戦を行ったのが、

ここ、「露橋スポーツセンター」だったそうな。

昔「週刊プロレス」も愛読してたからどうりで見覚えがある訳だ(笑)

 

www.bbm-japan.com

f:id:fukuitabi:20211116122518j:plain

f:id:fukuitabi:20211116121429j:plain

 

住宅街を抜けて中川運河を渡る。

団地の一画に平和堂があって、つい嬉しくなって立ち寄ってしまう。

 

f:id:fukuitabi:20211116121904j:plain

 

「はずーむーこころのー、おかいーもーのー、へーいわどー」

と勝手に頭の中でリフレインされてくる。

 

滋賀県発祥の平和堂は愛知県に15店舗あるとのこと。

さらに一宮に現在建設中の大型ショッピングセンターにも入るようだ。

 

f:id:fukuitabi:20211116122619j:plain

 

名古屋高速の黄金出入口の脇にある階段を上ると、

あおなみ線やJR関西本線近鉄名古屋線をまたぐ「向野橋」がある。

ここは愛知に来てから訪ねてみたかった場所のひとつ。

その理由は言うまでもない。

 

f:id:fukuitabi:20211116122652j:plain

f:id:fukuitabi:20211116122735j:plain

 

鉄ちゃんの端くれとしてはただただシアワセな光景が広がっていた。

 

f:id:fukuitabi:20211116122920j:plain

 

地図を確認すると、

線路の南側が中川区で、北側が中村区になるようだ。

そして中村区の近鉄と地下鉄東山線に囲まれたあたりは

数多くの銭湯が残っている。

今回はそのひとつ、松の湯さんにお邪魔してみた。

 

f:id:fukuitabi:20211116122827j:plain

 

番台で湯銭を支払い脱衣場へ。

真っ先に感じたのは「スッキリしている」ということか。

ポスターや掲示物が必要最小限で、とにかく整然としているのだった。

で、浴室側からは賑やかな声が聞こえていたが、

中には先客が1人のみ。

どうやら声は女子風呂側のもののようだ。

 

男側の先客はじいちゃん1人で湯船に浸かっており、

目があったので頭を下げたら

にっこり笑って「こんにちは」と思いの外大きな声が返ってきた。

 

浴槽は浴室の中央からL字型に曲がって壁側に伸びている。

浴槽の縁は「カド」ではなく丸く縁取られており、

細かなタイルが美しい「曲面」を描いている。

そんなもので、浴槽の中で座っていると、

背中にあたる部分が何とも心地よい。

 

女子風呂から聴こえてくる声をBGMに、

男子風呂ではじいちゃんと僕だけの、

2人きりの静かな時間が過ぎていった。

 

f:id:fukuitabi:20211116123026j:plain

 

松の湯の最寄り駅は近鉄名古屋線の米野駅。

ここなら電車の本数もかなりあるだろうと勝手に思っていたが、

よくよく調べると名古屋方面の電車は1時間に3本しかない。

僕は大慌てで米野駅に向かい、電車に乗り込んだ。

 

f:id:fukuitabi:20211116123112j:plain