北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

三岐鉄道北勢線・西別所駅〜近鉄名古屋線・桑名駅徘徊

先日、「バナナマンのせっかくグルメ」なる番組で、

富山の方のおすすめとして「糸庄のもつ煮込みうどん」が紹介されていた。

 

冷静に考えてみれば、僕自身も高校生の時に

富山の方に「うまいもん食わせてやっちゃ」と連れて行かれたのが糸庄であった訳で、

その後富山県民となった僕自身も

遊びに来た地元の友人とか、

一緒に働くことになった他県出身の方の大半を糸庄に案内しており、

その後富山に暮らすようになった方々の多くが糸庄にハマっているのも現実な訳で、

かなり納得できる内容、といえた。

 

当然富山に帰りたくなるのは当然の話であったりするが、

そう簡単に行きます、という訳にはいかぬ。

だが近場でもいいからどこかには行きたい。

で、同じ番組で出てきたのが三重県桑名市だった、

というのが今回桑名に行こうと考えたきっかけであったりする。

 

調べてみるとなかなか良さげな食堂もあるし、

銭湯も残っている。

 

 

 

名古屋駅から近鉄の急行電車に揺られること約20分で桑名駅に到着。

目指す食堂はもう一駅四日市寄りの益生駅近くにあるのだが、

どうしても乗りたくなったので西桑名駅から三岐鉄道北勢線の電車に乗った。

 

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桑名はナローゲージ狭軌標準軌と3種類の線路幅の鉄道が走っているのだが

一番線路幅の狭い北勢線の列車が(たまたま)4両編成だったのに対し、

JRや近鉄の列車が(たまたま)2両編成で走っており、

何とも愉快な気分になってくる。

 

益生駅に近いのは次の馬道駅であるが、

せっかくの機会であるしともう一駅乗車して西別所駅で下車。

 

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市街地に向けてぶらぶら歩く。

どこにでもある、といえばどこにでもあるのだけど、

「ロレアル」の看板を見ると、

いつも宮部みゆきさんの推理小説火車」を思い出してしまう。

そういやこの小説にも三重県が出てきたよな。

帰ったら本棚を探してみよう。

 

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近鉄とJRの線路をまたぐと、

目指す食堂が現れた。

お目当ての「ちょっとしたお昼ごはん・C」を愛想のいい奥さんに注文。

 

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メインは分厚く切られたあぶり焼豚に、

たっぷりポテトサラダが添えられている。

ごはんは茶碗にてんこ盛り、

そしてラーメンはミニにしてはずっしり、

かつ、丼までしっかり「熱い」。

 

焼豚にちょいと辛子をつけて白飯をほおばり、

アツアツのラーメンの汁をすすれば

「うー、シアワセだなあ」なんて気分になってくる。

 

で、今までいろんなところでごはんを食べてきたけど、

案外ありそうでなさげな絶妙なボリュームだなあと思う。

そんでもってお値段も税込み500円なのだ。

何もかもが「ちょうどいい」。

 

今回頂いたのは焼豚がメインの「C」であったが、

かしわの照り焼きがメインの「A」と

ハムカツがメインの「B」も存在する。

また北勢線に乗りに来た時にでも再訪したい。

ごちそうさまでした。

 

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名駅近くまで歩くと商店街が現れた。

 

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「5人に1人以上が不倫経験あり!」

この看板を見た時は「そんな多い訳ねーだろ」と思っていたが、

この後ぼんやり考えていたら

「案外リアルな数字かもなあ」とも思ったのは内緒の話……。

 

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通りをはさんでさらに別の商店街が続いていた。

 

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大半の店はシャッターを閉じていたが、

郵便局員さんは一軒一軒に郵便物を配っていたから、

たまたま閉まっていただけ、なのかもしれぬ。

 

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国道1号線を横断してさらに西へ向かっていると、

別の商店街が現れた。

決して人通りが多いとは言えないが、

きちんと店が開いている、というのは何ともいえぬ安心感みたいなものがある。

 

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九華公園を歩いていると、

同じ制服を来た2人の中年男性を見かけた。

確認した訳ではないけれど、

おそらく観光バスの運転手だろうと思う。

山小屋の従業員もだけど、

バスの運転手というのも一種独特な雰囲気があったりする。

それが何かはうまく説明できないけれど。

 

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長良川揖斐川が合流する地点。

流石に川幅が広い。

そして、吹き抜ける風が恐ろしく冷たい……。

 

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この地にあるのが東海道五十三次の「七里の渡し」跡。

以前、名古屋市熱田神宮から港区へ向かうバスに乗ったら

まさに「七里の渡し」というバス停があって、

「ここにつながるのか」と車内でコーフンしてしまったことがある。

 

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すっかり身体も冷え切ったので、

最後は銭湯で温もっていこうと思う。

今回お邪魔したのは七里の渡し近くにある「七里のわたしゆ」さん。

開湯時刻の15時ちょうどを狙っていったが、

すでに「ありがとー」と出ていく方の姿もちらほら。

 

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入ってみると、

三重県内の他の銭湯をほとんど知らぬから一概には言えないだろうけど、

名古屋の銭湯とは全然造りが違うもんだなあ、というのが第一印象。

 

名古屋の銭湯は正方形に近い空間の中心に浴槽があって、

3方に洗い場がある、といった造りが(今のところ行った中では)多いけれど、

こちらは細長い空間の奥まで一直線に浴槽が伸びていて、

洗い場もまた一直線に並んでいる。

 

そしてこのご時世であるからほとんどのお客さんは無言であるが、

常連さん同士のちょっとしたあいさつのイントネーションが

愛知県内とはまるで違っているもので、

「よその県に来たんだなあ」という気分になってくる。

 

銭湯で旅情を感じる要素のひとつに

「常連さん同士の会話」ってのがあるのは間違いなく、

早く自由に会話できる世の中に戻って欲しいものだ、

とも思う。

 

じっくり温まって「七里のわたしゆ」を後にした。

 

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名駅へ。

駅前には「桑栄メイト」なる2020年7月に閉鎖されたビルが残っており、

「随分年季の入ってるよなあ」とぼんやり見上げていたが、

調べてみると開業は1973年10月であるらしいから、

僕と同級生、とも言えた。

 

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うーむ、僕が生まれた年に出来た建物が既に廃墟と化しているのか、

と考えれば若干複雑、かつ寂しい気分にもなったりしたが、

まあ、これもまた時代の流れであろう。

 

僕は再び近鉄の急行電車に揺られて名古屋に帰った。

 

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