北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

阪神電鉄本線・武庫川駅〜JR東海道本線・立花駅徘徊

阪神電鉄の大阪梅田行き急行電車は武庫川駅に到着した。

この日は何となく朝から蒸し暑かったが、

武庫川駅は川の上にあるだけあってか若干涼しく感じる。

 

 

尼崎市側の改札を抜けて北上。

数日前はうんざりするほどの大雨であったが、

この日は一転してどこまでも澄んだ青空が広がっていた。

兵庫県に帰ってきて二度目の夏が着々と近づいてきてるなあ、

と実感。

 

 

住宅街の中を北上していると、

今回のお目当てのひとつ、

大庄新市場に到着した。

 

 

中を覗くと、一番手前の衣料品店以外はすべてシャッターを閉じていた。

天井には淡い色に塗られた板がグラデーション状に連なっている。

照明は灯っているので暗い印象はない。

 

 

昔は賑わっていたんだろうなあ、と思うが、

その昔とは一体何時頃のことなんだろうか、とも思う。

きっと10年前、20年前あたりからそれほど変化はないのではなかろうか。

さらに30年前といっても既に平成に入っている。

 

富山でも西町や総曲輪を「昔は賑わっていた」とよく耳にするが、

それは僕が18の時からつい最近に至るまで同じような声を聞き続けているような気がする。

案外僕は「昔」を知らない世代なのかもしれない。

 

 

大庄新市場から東へ向かうと瓶入り牛乳の自販機があった。

入浴施設ではたびたび見かけることがあれど、

町中にあるのは近年では珍しいのではなかろうか。

まだ現役のようでコーヒー牛乳を買って飲み干す。

びっくりするくらい甘かった、けど美味かった。

 

 

しばし歩くと今回のもうひとつのお目当てである

「シャレコーベミュージアム」に到着。

シャレコーベ=髑髏(しゃれこうべ)=頭蓋骨、

世界で唯一、頭蓋骨の私設博物館であるそうな。

 

 

開館は日曜のみ、入館料は800円。

こちらの博物館については以下の神戸新聞の記事が詳しい。

 

www.kobe-np.co.jp

 

館内には「よくぞこれだけのものを」と圧倒されるほどの

「頭蓋骨」が展示されている。

正確には「頭蓋骨そのもの」ではなく、

頭蓋骨にまつわるあれこれ、なのであったりして、

人によっては「怖く」感じるかもしれぬ。

僕も最初はそう感じた。

 

 

しかしながらその頭蓋骨の数々を眺めていると、

実に表情豊かなことに気づき、

だんだん「愛おしく」なってくるのである。

 


シャレコーベミュージアムのサイトには、

初代館長のこんな思いが記されている。

日本では、骸骨、どくろ、などといわれると、きもちの悪い印象がありますが、私の本やこのミュージアムを通して、自分の最後の姿である死 そして自分の人生を見つめなおしていただきたいのです。 http://skull-museum.jp/

ひと通りの展示を眺めると、

その館長の思いは身にしみて分かったような気がした。

 

 

シャレコーベミュージアムを後にして北上。

ぼちぼち腹も減ってきたので飯にしたい。

 

 

JR立花駅前の商業施設は飲食店が充実しているようで、

そこいら中からいい香りが漂っていた。

今回お邪魔したのはその一画にあるこちらのお店。

以前、You Tubeで紹介されてからずっと来たくて仕方なかった。

 

 

You Tubeでは女将さんのワンオペだったけど、

この日は助っ人の方もいらして2人体制。

 

席につくと隣のおっちゃんがカツ丼を美味そうに頬張っていたので、

それに倣うかとも思ったが、

何となく天丼も気になったので天丼とこぶうどんのセットを注文。

カウンター越しで女将さんの手元は見えないけど、

めちゃくちゃ要領よく動いているのは音を聞けば分かる。

 

 

そして、隣のおっちゃんがカツ丼とともに食べてるうどんを見て、

うすうす分かってはいたが、

改めてみるとこのうどんがなかなかの量であったりする。

 

しかしながら、出汁がまた美味いものでつるつるーっと入っていく。

揚げたてサクサクの天丼もまた美味し。

女将さんも助っ人さんの感じも良し。

次はカツ丼もいただきに来ます。

ごちそうさまでした。

 

 

腹も満たされたので後はひとっぷろである。

今回お邪魔したのはふくずみ温泉さん。

1階には駐車場とコインランドリー、

2階にフロントと浴室があるかなり大型の施設。

 

 

浴室内の印象はとにかく明るくキレイなこと。

ちょうど僕が入ったタイミングでスタッフの方が清掃していたけど、

その作業が入念というか丁寧で、

こりゃキレイに保たれてるのも納得だわ、と思う。

浴槽は各種マッサージバスが充実しているのが嬉しい。

 

珍しいものがあるなあと思ったのは

ハンギングウォークなる「雲梯」のようにぶらさがれるものがあった点で、

試してみたら全身が伸びて実にスッキリであったが、

他の方がやってるのを見ると、

おじさんが素っ裸で何かにぶら下がっているというのは

あんまり視覚的にはよろしくないなあ、とも思う(笑)

 

 

湯上がりには生ビールもあり。

営業時間は長いし、設備も充実してるし、駅からも近いし、

いろんな意味でサイコーの銭湯だったなあ、と思っていたら、

最後の最後、店主さんの息子さんかな、

小学生くらいの男の子が玄関のところで

「ありがとうございました」って言ってくれて、

「また来るねー、ありがとー」っていい気分で出てきた。

 

 

僕は立花駅のコンビニで缶ビールを買い求め、

いい気分のまま帰路についた。

 

 

おまけ

 

先日の北日本新聞にこんな記事が掲載されていた。

立山黒部アルペンルートを運営する立山黒部貫光(富山市)は31日、室堂-大観峰間を結ぶ「立山トンネルトロリーバス」の廃止を検討していることを明らかにした。2025年度以降に電気バスに更新する方針で、国内で唯一運行するトロリーバスが姿を消すことになる。見角要社長が決算会見で説明した。

 トロリーバスは架線から電力を得て走る車両で、法的には鉄道の一種「無軌条電車」に分類される。立山トンネルトロリーバスは1996年に登場し、観光客に親しまれてきたが、修理部品が調達しにくくなり、維持管理が難しくなっていた。

 立山黒部アルペンルートでは、関西電力黒部ダム-扇沢間で「関電トンネルトロリーバス」を運行していたが、2019年に電気バスへ切り替えた。

 

辞めてから10年になるし、今更ながらカミングアウトすると、

僕はかつてこのトロリーバスの運転士だった。

 

 

黒部平にある社員寮の食堂で働きながら、

どうしてもトロリーバスの運転士になりたくて、

大型二種の免許を取りにいった時のこととか、

いろんなことを思い出す。

 

その後、小学校の卒業アルバムに「電車の運転士になりたい」と記していた僕が、

ずいぶんいろんな回り道をしてかなり特殊とはいえ、

「電車の運転士」になった時の感動は未だに忘れられない。

 

その後高原バスに異動して、いろいろあって今に至るであるが、

もし仮に今現場にいたら、

トロリーバスの引退を目の当たりにすることになり、

それはそれで辛いことだよなあ、とも思う。

だから、兵庫県に帰っているのは正解なのだ、と自分に言い聞かせている。

 

願わくば、最後の最後まで無事故でありますように。